朝ドラ「ばけばけ」で注目 小泉八雲が愛したまち焼津市 “ゆかりの地”マップ完成
■小泉八雲ゆかりの地マップ 焼津市観光協会が作成
NHKの連続テレビ小説「ばけばけ」が追い風となり、静岡県焼津市への関心が高まっている。焼津市観光協会は、明治の文豪・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)ゆかりの場所をまとめたマップを作成。観光客増加を図っている。
”日本一の目利き”と評される焼津市の魚屋さん ミシュラン店からも絶大な信頼
9月から放送が始まった「ばけばけ」のヒロインは小泉八雲の妻・セツがモデルとなっており、八雲と関係が深い焼津市が注目されている。そこで、焼津市は、八雲ゆかりの場所をまとめた「焼津 小泉八雲ゆかりの地マップ」をつくった。焼津市観光協会が発行し、市内各所で無料配布を始めている。
マップはA4三つ折り両面カラーで、八雲が愛した海辺の風景や滞在先など10カ所以上が紹介されている。例えば、「焼津小泉八雲記念館」には、焼津滞在時の写真や手紙、セツとの交流を伝える資料を展示。家族で過ごした穏やかな日々を感じられる。
「焼津神社」は八雲が訪れた記録が残る古社。地元の信仰を今に伝え、八雲もその雰囲気を好んだという。「旧・小泉八雲避暑の宿跡」は、八雲が原稿執筆を行った宿の跡地で、海を望む立地が創作のインスピレーションを育んだとされる。マップ内のQRコードからは、八雲にちなんだグルメやお土産情報をまとめたGoogleマップにもアクセスできる。
ギリシャ生まれの文豪・八雲は、晩年を焼津市で過ごした。当時の焼津は、漁村ののどかな風景と人情が残る海辺の町。八雲はこの地を「日本の夏の理想郷」と称し、作品の構想を練ったとされる。代表作「怪談」に登場するいくつかの情景も、焼津での体験が元になったと伝えられている。
マップは市内の観光案内所や宿泊施設、八雲関連施設などで配布している。発行部数は2万部で、在庫がなくなり次第終了となる。焼津市観光協会は「A4三つ折りで持ち運びやすい仕様です。ぜひ、多くの皆様に八雲ゆかりの地巡りのお供として、活用していただければと思います」と呼びかけている。
(鈴木 梨沙/Risa Suzuki)