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2025年に食材として出会いたいサメ3選+番外編 もっといろんな種類のサメを食べたい!

サカナト

イワシの群れとサメ(提供:PhotoAC)

新しい年を迎えようとしている今(本記事を執筆している時点)、私は2024年に残してしまった心残りがあります。

それはズバリ「もっとサメを食べたかった!」ということです。

もっともっとサメを食べたい!

2024年は様々なサメに出会うことができました。

標本にした種類では、ホシザメアオザメネズミザメといったサメたち。みんな個性が強く、骨だけで見ても、その生態的特徴の豊かさを知ることができ、とっても興味深いことをたくさん学びました。

また、水族館で出会ったと言えば、大好きなシロワニや、個人的に一番かわいいと思っているトラフザメ、生きている姿を生で見れて感動したヨシキリザメなど。どれも有名どころのサメではありますが、見れば見るほど、もっと知りたいと思える魅力が詰まっている生き物で、水槽の壁越しながらも出会いに感謝しました。

色々なサメに出会うことはできたけれども

でも、まだ心残りがあるのです。

自分は少し前までかなり食が細く好き嫌いも多かったので、新しい食材に挑戦したり、食べたことのない料理に手を出してみたりということがほとんどありませんでした。なので、水族館や博物館でサメ肉を使ったメニューを見かけても、食べることがなかったのです。

しかしこの1年、様々な場所でサメ肉を食べる機会に恵まれました。実際に食べると分かりますが、サメ肉って、とっても美味しいんです!

もちろんサメの種類によって身の特徴は様々です。だからこそ、もっといろんな種類のサメを食べてみたい……!!

東京3大サメのうちの一種「シロザメ」

シロザメはメジロザメ目ドチザメ科に属するサメで、東京湾でよく捕獲される種の中でもメジャーな種であることから、東京3大サメのうちの一種とされています。

サメと言われて想像するような、3メートルも4メートルもある大型のものではなく、全長は1メートル前後のものが多いです。体が大きく恐れられることも多いメジロザメ科のサメに対して、ドチザメ科のサメたちは軒並みこんな感じです。

基本的に北海道以南の海ならどこにでも生息しているとされ、シロザメの入手は比較的簡単だと思われます。なにより、シロザメは非常に美味であるとされているサメなんです。

シロザメは練り物の原料として重宝 アンモニア臭も少ない

水揚げされるシロザメは練り物に使用されることも多いらしく、サメの中でも特有のアンモニア臭が出ずらく、淡白で柔らかく、食べやすいと言われています。

私が住む関東では食卓に並ぶことも、スーパーや魚屋さんで販売されることもほとんどありませんが、関西では比較的普通の魚として扱われているそうで、探せばどこかで食べられるのではないかと思います。

家庭料理としては「ふかの湯引き」などが浸透しており、湯がいて皮を削いだホシザメを三枚におろし、からし酢味噌をつけていただく一品なんだとか。めっちゃ美味しそう!

フカヒレだけじゃない「ヨシキリザメ」

ヨシキリザメはメジロザメ目メジロザメ科に属するサメで、真っ青の美しい肌色とスレンダーな姿が美しい、比較的メジャーなサメです。

論文などではお馴染みのサメではありますが、飼育の難しいサメとしても有名。長期間にわたり飼育することのできたケースは宮城県にある「仙台うみの杜水族館」のみだといいます。

フカヒレの原材料としても利用

フカヒレ(提供:PhotoAC)

全国の海でみられているサメですが、長距離移動を重ねながら生活しているとされており、主に宮城県気仙沼市で水揚げされています。フカヒレの原材料としてもよく利用されている種ではありますが、ヒレ以外にも身の味の評判も高く、こちらも練り物として利用されています。

家庭料理として食卓に出ることはあまり見たことがありませんが、気仙沼市ではサメの加工食品開発が非常に活発で、インターネットなどでも様々な商品が購入可能。そちらを取り寄せて是非食べてみたいですね。

速すぎるサメ「アオザメ」

アオザメはネズミザメ目ネズミザメ科に属するサメで、泳ぎの速いサメとしても知られています。瞬間最高速度は時速40キロに達するという記録もあるほどです。

主に一定の水温がある海を好むとされており、日本では青森以南の地域で見ることができると言われています。「刺す」ことに特化した鋭く長い歯を持っており、私もアオザメの歯にかすっただけなのにかなり深い傷をつくったことがあります。

サメの中でも熱烈な支持者がいる

自分の体感ですが、アオザメはその格好の良さや味の良さで根強いファンが多く、サメの中でも熱烈な支持者が一定数いるというイメージがあります。実際、会ったことのある生き物好きの友人も、私物のサメ図鑑を見せた時に一番食いつきが良かったのがアオザメでした。

三重県の一部地域では、アオザメのことを「いらぎ」と呼ぶことがあるそうです。

調べてみると多くの「いらぎ料理」が出てきますが、。ツヤツヤの茶色をしている「いらぎのみりん干し」がとにかく美味しそう。ぜひ一度は食べてみたいと思います!

【番外編】ホントに食べていいの!?「オンデンザメ」

世の中に流通しているサメ肉はとにかく多種多様です。

ひとくくりに「サメ」といっても、ゼラチン質な部分と筋肉質な部分がありますし、中には「ほんとにそれ人が食べていいやつなの!?」と言いたくなるようなサメ料理もあります。

その一つが、アイスランドの伝統料理「ハカール」です。

主な材料とされているのは北極海などの冷たい海に住むサメ、オンデンザメ

オンデンザメはツノザメ目オンデンザメ科に属するサメで、冷たい海に適した体を進化の過程で得ることに成功した、非常に興味深い特徴をもつサメです。

全長は7メートルに達することもあるという大型のサメですが、「スリーパーシャーク」と言われるほど通常時の泳ぐスピードが遅く、深海性のサメでもあるため海底の腐肉までも食べる雑食だということも知られています。

めっちゃ臭いけど無毒化に成功?

実は本来であれば、オンデンザメの肉は毒素があり、食用ではありません。しかし、極寒の地・アイスランドで、動きがのろく獲りやすい生き物を放っておくわけもありません。

その地域の先住民族はオンデンザメを塩漬けし、地中に掘った穴で重石を乗せながら水分を抜き発酵させ、その後乾燥することで、サメの無毒化に成功しました。ただし、それがめっちゃ臭い

とにかく強烈なにおいがするようで、アンモニア臭が強いそう。

アイスランドに行くと、お土産屋さんなどで普通に販売されているようですが、現地の人でも「小さくサイコロ状に切られたハカールを酒のつまみにちまちま食べる」というのが普通なようで、あまり食べすぎると下痢を起こすとも言われています。

正直、あまり気は進まないのですが、世の中に流通しているサメを全て食べるのが目標なので、機会があれば絶対に一度は食べてみたいです。本当に食べていいのかな……。

2025年は目指せ<サメ食マスター>

筆者にとって、2024年は自分のコンプレックスでもあった偏食や少食が少しずつ改善されていった1年でもありました。多くの食べ物を好きなように食べれるのが本当に嬉しいし、ありがたいことだなあと、常々思っています。

その改善の一翼を担ったのが「サメ肉」。2024年は本当に色んなサメやサメに関わっている方に出会うことができて、すごく思入れのある1年になりました。

ネズミザメは食べました(撮影:しょうじの友人)

この調子でどんどん美味しい<サメ食>に出会いたい!2025年は<サメ食マスター>としても成長していきたいです。

美味しいサメに出会ったその時は、また記事にして皆さんに紹介できればと思います。

(サカナトライター:しょうじ)

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