犬を『ペットホテルに何日も預ける』リスクとは?愛犬に与えるストレスや悪影響まで
犬を長期間ペットホテルに預けるリスク
犬は、短期間であってもペットホテルに預けられるとストレスを感じることがあります。まして、長期間ともなれば、ストレス以外にも体調や感染症の問題も無視できません。愛犬を長期間ペットホテルに預けた際に考えられるリスクについて見ていきましょう。
ストレスで体調を崩す
飼い主さんと離れてペットホテルに長期間預けられることで、大きなストレスを感じる場合があります。
犬は、ペットホテルに預けられること、後日飼い主さんが迎えに来ることを理解できません。そのため、知らない場所に連れて来られて、さらに置いていかれるのですから大きな不安を感じるはずです。
またホテル滞在中は、慣れないケージに入れられ、ほかの犬がいる環境で、見知らぬ人にお世話されるわけですからストレスを感じるのも当然と言えます。とくに人見知りで怖がりな犬は体調管理に注意が必要でしょう。
感染症にかかる
ペットホテルにはほかの犬もいます。予防接種済みであることが、預かりの条件となっていることが多いのですが、すべての感染症を予防できるわけではありません。また発症前で感染していることに気づかずに預けられる可能性もあるでしょう。そのため感染症のリスクが否定できないのです。
長期滞在ともなれば、より多くの犬と関わることになりますので、感染症のリスクはさらに高くなると考えられます。またストレスが溜まることで免疫力が低下して、感染症にかかりやすくなる可能性もあります。
ペットホテルを利用する際は、愛犬の体調を整え、万全の状態で預けるようにしましょう。
「捨てられた」と思ってしまう
犬は飼い主さんといっしょにいることで安心感を覚えます。そのため長期間ペットホテルに預けられることで、寂しさや不安を感じやすくなるでしょう。
また犬をペットホテルに預けると、「捨てられたかも」と勘違いしてしまうことがあります。飼い主さんが「1週間後に迎えに来るよ」と言っても犬は理解することができません。飼い主さんがくるまでの間ずっと不安を感じてつづけることになってしまうかもしれません。
飼い主さんに「捨てられた」と勘違いした犬は、飼い主さんに対して不信感を抱き、信頼関係が崩れてしまう可能性があります。飼い主さんに対する依存心が強い犬はとくに注意が必要でしょう。
ペットホテルで安心して過ごしてもらう方法
愛犬にペットホテルで安心して過ごしてもらうためには、事前にしっかりと準備をすることが大切です。
ペットホテルを選ぶ際には、施設の環境や管理状態を確認しましょう。清潔で安全な施設であることはもちろん、犬の健康を守るために必要な衛生対策や感染症予防が施されているかをチェックしてください。
当日は、犬がいつも使っているベッドやおもちゃを持参することをお勧めします。自分のニオイがする愛用のアイテムがあることで、安心感を得ることができます。事前に持ち込みが可能かを確認しておきましょう。
また、普段食べているフードを持参することをおすすめします。慣れない環境で食事が変わると、犬の体調に悪影響を与えることがあります。
さらに、ペットホテルに預ける前には、犬の健康状態をチェックしておくことが大切です。予防接種やフィラリア予防、ノミ・マダニ対策をしておくことで、感染症のリスクを減らすことができます。
まとめ
犬をペットホテルに長期間預けることには、さまざまなリスクが伴います。ストレスや体調不良、感染症のリスク、そして「捨てられた」と感じることで心理的な悪影響を受ける可能性もあります。
これらのリスクを避けるためには、ペットホテル選びや事前準備が非常に重要です。清潔で安全な施設を選び、愛犬ができるだけ普段通りに過ごせるように配慮することで、安心して預けることができるでしょう。
それでも、長期間預けることは愛犬にとって負担になる場合があります。なるべく短期間で迎えに行けるようにスケジュールを工夫しましょう。
(獣医師監修:葛野宗)