目標に20万人以上届かず…静岡市は「期待が過大だった」 市民からは「松潤に頼り過ぎ」
■昨年度の目標値50万人 実際の入館者は28万4115人
目標を大幅に下回った。静岡市歴史博物館の入館者は2023年度28万4115人で、市が目標としていた50万人を20万人以上下回った。嵐の松本潤さんが主演した大河ドラマ「どうする家康」の効果を期待して定めた数字だったが、市は「期待が過大だった」と説明した。
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静岡市中心市街地に位置する静岡市歴史博物館は2022年7月にプレオープン、2023年1月にグランドオープンした。「歴史文化の拠点づくり」を掲げた田辺信宏前市長の肝いり事業だった。
静岡市歴史博物館は1階のみの入館は無料で、2、3階の展示室には一般600円の料金がかかる。有料スペースには徳川家康の花押や肖像画などが展示されている。
2022年度の入館者は16万5103人、そのうち有料観覧者は3万5105人だった。静岡市が目標に掲げた入館者15万人、有料観覧者2万7000人に到達した。市は2023年度の目標を、それぞれ50万人と14万1000人に定めた。静岡市も舞台となったNHK大河ドラマ「どうする家康」が追い風になると期待を込めたという。
静岡市歴史博物館は、徳川家康が終の棲家にしたと言われる駿府城の跡地を整備した駿府城公園が目の前にあり、期間限定で開設された大河ドラマ館とは徒歩15分ほどの距離にある。市は家康ゆかりの地をめぐる観光客が歴史博物館に訪れると見込んだが、思ったほど数字は伸びなかった。
■静岡市が説明「ゴールデンウィークがコロナ5類移行前だった」
静岡市は目標に掲げていた50万人に届かなかった理由について、市議会観光文化経済委員会で「目標を決めたのは2020年頃だったこと」や「入館者も最も多くなるゴールデンウィーク期間が新型コロナウイルス5類移行前だったこと」などを挙げている。そして、「期待を込めた数字で過大だった」と説明した。
これに対し、静岡市民からは「コロナなどで状況が変わったなら目標を修正すれば良いだけ。結果が出てからでは、ただの言い訳」、「大河ドラマ館の入館者数も浜松と比べて伸びなかった。今回に限らず、静岡市のPRはお金をかけているわりに効果がないと感じる」など、厳しい意見が大半を占めた。
また、目標値を大幅に下回ったことに「徳川家康役を務めた松本潤さんの人気に頼り過ぎではないか」、「かなりの税金をつぎ込んでつくった施設だが、そもそも需要があるのか疑問」、「なぜ目標に届かなったのか分析して公表するのが市民への義務」といった声もあった。
市は2024年度の目標を入館者18万7000人、有料観覧者5万6000人に設定している。静岡市歴史博物館の開館時間は午前9時から午後6時まで。月曜日が休館日(祝日の場合は開館、翌日の平日を休館)となっている。
(SHIZUOKA Life編集部)