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私は40代後半で夫と子ども（大学生と高校生）4人で暮らしています。先日、実家で母と同居している兄から連絡がありました。

「かまわないけど、お兄ちゃんじゃダメなの？」 「俺は～……仕事もアレだしさ。チエは正社員だろ？」

兄：「おう。サンキュー」 実家はうちから車で2時間ほどです。私と母との関係は良好で、たびたび連絡はとっていましたが、子どもが大きくなってからは前ほど頻繁には帰っていません。母に久々に会う良い機会だとも思い、病院へと向かいました。

母の財産は実家の土地建物、賃貸の不動産、生命保険など、すべてあわせるとそれなりの額になると思います。母の財産を今後の生活のアテにする予定もなかったので、これまで相続のことをしっかりとは考えてきませんでした。だけど「すべて兄にゆずりたい」と言われると、自分でも驚くくらい動揺しました。ひとまず相続の話は聞き流し、その後母に頼まれた下着や着替えを取りに実家へ向かいました……。

入院前は具合が悪かったはずなのに、母は2週間分の兄の食事を作り小分けに冷凍して準備していました。ここ数日、兄は母が用意した食事を食べていたようですが、洗い物は一度もせず食器などはすべてシンクに放置したまま。母が数日いないだけで散らかり放題。私は経済的にも精神的にも自立できていない兄に静かに怒りを覚えました。

私が母の病状のことで話しかけても、寝転がったままゲームをする兄。自分の感情に任せて言葉をぶつけても何にもならない気がして、「一旦家に帰ってから考えよう。夫にも相談しよう」そう思い、兄とはそれ以上話さず帰りました。

心も体も元気なのに怠惰で自立しない兄に、またラクをさせるようなことが納得いきません。兄は稼いだアルバイト代を家に入れるでもなく、漫画やフィギュアにすべて使ってしまう散財グセのある人です。さらにいうと、そんな兄を許している母にも疑問があります。もしかしたら母は、自分の死後に兄のことで「私たち家族に面倒をみてもらうこと」を想定しているのかもしれません。だから兄が生活に困らないようにと、すべてを相続させようと考えている気もしました。

幸い母は病状が回復して退院しました。兄に「今後のことを相談したいこと」を伝えると面倒くさそうでしたが話し合いに応じると言いました。

母も兄も「えっ！？」と意外な顔で私を見ます。

「お兄ちゃんは税理士さんとのやりとりとか財産管理はできる？」というと兄は「え、財産管理？」とポカーンとしていました。

もしかしたら母は兄の世話をすることが生き甲斐にもなっているのかもしれません。そんな母に甘える兄とは共依存しているようでもあります。一方、お互い言いたいことは言えず遠慮している部分もあって、今回あらためて母と兄のいびつな関係が浮き彫りになった気がしました。 今後、母と兄の関係が変わるようには思えず、私から何か言うつもりはありません。母と息子の関係、これから巣立っていく2人の息子をもつ私への教訓にはしたいと思います。