上星川小 登校方法 集団から個別に 子どもの安全意識を育成
市立上星川小学校(西山久美子校長)は今年度から、これまで継続してきた集団登校を個別登校に変更した。西山校長は「子どもたちの安全に対する『自分の身は自分で守る』という意識を高めることにつながると判断して個別登校への移行を決めた」と話す。
上星川小では、数年前から一部の保護者から学校に対して「各自で登校する個別登校に移行したほうが良いのではないか」という意見が寄せられていた。同校ではこれまでに集団登校時の大きな事故などはないというが、「班長を任された高学年児童の負担が大きい」「登校班を編成する際に学年や人数の偏りが大きく編成が難しい」「登校班編成には約500人の個人情報をPTA校外指導員が扱わなければならず管理の難しさがある」などの声があった。そこで同校は昨年、保護者に対してより良い登校方法の意見を問うアンケートを実施。その結果、全体の約6割が個別登校に賛同したという。
7つのコースを登下校
その後同校は、これまでの登校班の通学路をベースに7つの登下校コースを設定。児童がコースごとに決められた色のリボンをランドセルに付けることで、登下校コースを外れた際に保護者や地域住民にも分かる仕組みを導入した。また、各コース上にいくつかの通過ポイントを設け、決められたポイントを通過しながら登下校するよう指導した。各家庭に対して期間ごとに年4回の見守り活動の実施を要請しており、これまでに約180人がこの活動に参加しているという。また、見守り活動実施後に保護者が気になった点などをスマートフォンで報告するシステムを導入しており、同校は危険回避やトラブル防止に役立てるという。
西山校長は「6年生は班長になりたかったと残念がると思っていたが、気の合う友達と登校できると喜んでいる子が多い。低学年の子もしっかり登校しなくてはという意識を持ってくれているように感じる。ボランティアの方々と連携して見守り活動を充実させていきたい」と述べた。