【浜松市秋野不矩美術館の「日本画☆動物園」展】 ゾウとダチョウの対比、同じ視界で楽しめる
静岡新聞論説委員がお届けする“1分で読める”アート&カルチャーに関するコラム。今回は浜松市天竜区の浜松市秋野不矩美術館で8月3日に開幕した「日本画☆動物園」展から。東京都目黒区の郷さくら美術館のコレクションから20人の現代日本画家による動物を主題にした約40点を集めた。秋野不矩による「動物絵画」も特別出品。
白い壁、高い天井が神聖な雰囲気を醸す第2展示室の四つの面に、びょうぶ絵5作品が展示されている。あらかじめそこに飾るのが定められていたかのような美しさ。壁の面積に対して作品の左右天地が見事に調和している。
身を寄せ合うようにしてジャングルを行く象の群れを描いた西野陽一さん「森の家族」と、走るダチョウと背にしがみ付く小猿がユーモラスな平子真理さん「Monkey Race(左部分)の、対の姿が楽しい。
ボルネオで目にした風景が原点の前者は、下草を踏みしめる象の重い足取りが耳をかすめる。一方、後者はとっとこと軽い足取りで、画面右から左へ駆け抜ける。速いテンポとスピードが伝わる。濃い青と黄色の対比も楽しい。(は)
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■浜松市秋野不矩美術館
住所:静岡県浜松市天竜区二俣町二俣130
開館:午前9時30分~午後5時(月曜休館、開館日あり)
料金(当日):一般800円、大学生・高校生・専門学校生500円、70歳以上400円、中学生以下無料
会期:9月16日まで