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下校方法を何度も確認…発達グレー小1息子の不安を200円で解消!?母の手作りアイテム

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下校方法を何度も確認…発達グレー小1息子の不安を200円で解消!?母の手作りアイテム

監修:室伏佑香

東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科/名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程

何度も同じ質問をしてくる…不安のサイン?

次男ゆうきは現在、小学1年生。通常学級に在籍しています。以前、病院の先生に「ASD(自閉スペクトラム症)の診断をするかどうかの境界付近」と言われたことがある発達障害グレーゾーンです。とても不安が強く、間違えることが苦手なところがあります。

3月にこども園を卒園し、慣れない小学生生活を始めたばかりの春。毎日、緊張からか顔がこわばったまま登校していました。そんなゆうきの、登校してすぐに出てきた困りごとが「下校」についてでした。

ゆうきは、「放課後等デイサービスのお迎え」「母のお迎え」「集団下校」、1週間の中で3パターンの下校方法があったのですが、「今日はどうやって帰ればいいのか?」「どこに行けばいいのか?」と不安になってしまったようです。

前日の寝る前、朝の準備中、出発前も必ず「今日は集団下校だよね?」などと何度も何度も私に質問してきました。私がしつこいと思ってしまうほど確認してくるということは、安心を求めていたり、不安が強かったり……本人は困っているのかもしれないと感じました。

連絡帳で毎日の下校方法を書くという決まりがあるので先生に把握はしていただけるものの、ゆうきの不安を少しでもとりのぞければと思い、何か分かりやすい方法はないかと考えることに。

確認したい時に、すぐ目で見られるように

ゆうきが自分で下校方法を確認したい時に、すぐに目で見て確認できるものがいいなと思いました。筆箱の中や、ランドセルの小さいポケットの中などに「本日の下校方法」を書いた紙を入れておく……なども考えたのですが、実際に待ち合わせ場所に向かっている最中(ランドセルを背負ってる状態)でも確認するには、ランドセルにつけておけるものがいいと気づいて、キーホルダーを利用することに。

100円ショップで数種類の色分けができるネームタグを買ってきました。ゆうきの3パターンの下校方法を色を分けて、「放課後等デイサービスの名称」「ママおむかえ」「たんぽぽ班(集団下校)」とそれぞれのタグに書きました。そして、100円ショップのハンドメイドコーナーにあった、キーホルダーの金具部分を購入して付けて、「下校キーホルダー」が完成。

ゆうきが通っている小学校の場合、集団下校の班の待ち合わせ場所は校庭の遊具前なのですが、放課後等デイサービスとの待ち合わせ場所は学童を利用するお子さんと一緒の体育館前。校内とはいえ向かう方向が全く違います(保護者と子どもの待ち合わせ場所は、体育館付近なので体育館前に子ども来てもらえれば待ち合わせできる)。なので、待ち合わせ場所も分かるように「体育館」というキーホルダーも色を変えて作りました。

できあがった下校キーホルダーをランドセルの肩の部分にあるフックにつけ、毎朝一緒に「今日の下校方法」を確認するように。すると、朝に1回、口頭で母と確認する以外は、下校についての質問をしてこなくなったのです。正直、私も何度も何度も質問してくることに疲れてしまっていたので、楽になりました。

キーホルダー以外の方法も考えてみた

通っている学校ではキーホルダーが禁止ではないのでつけていますが、学校によってはキーホルダーが禁止だったりする場合もあると思います。なので、今回のコラムを書くにあたりキーホルダー以外の方法も考えてみました。

「淡い色のリボンに下校方法を書き、ランドセルや帽子につける」という方法、「キーホルダーではなく、ボタンでとめるタイプのネームタグに書いてつける」方法、ハンカチの名前を書く場所に、子どもの名前とその日の下校方法を書く「下校が分かるハンカチを作る」方法……など、きっとほかにも学校が禁止していない範囲でできると思います。

たまにキーホルダーを替え忘れてしまったりすることもありますが、1週間の流れがほぼ慣れたこともあるのか、ゆうきが間違えることは今のところありません。引き続き、連絡帳には毎日先生に書いているので、先生に聞けばどうすればいいのかも分かるようになっています。

安心で生活しやすい環境を目指して

忘れやすい、不安が強いなどの特性がある場合、放課後の予定について朝から長い時間ずっと覚えておかないといけないのはつらいはず。覚えていられるとしても、いつでも目で見て確認できるのは「安心」に繋がるので、不安が強いうちの子には合っていたようです。

これからも、何度も質問してきたり、確認をとったりしてくることを「安心」に繋げられるようにサポートしたいです。そして、少しずつ成功体験を積み重ねられるように意識しながら、親子共々、生活しやすい環境を作っていけたらいいなと思います。

執筆/ゆきみ

(監修:室伏先生より)
下校にあたってのゆうきさんのご不安と、不安に対する工夫について共有してくださりありがとうございます。ASD(自閉スペクトラム症)の特性があるお子さんは、見通しが立たないことに対して不安を抱くことが多く、分かりやすくその日のスケジュールを提示することが不安の解消に有効です。また、言葉で聞いたことよりも見たことのほうが理解しやすく、頭に残りやすいという性質をもつお子さんが多いので、視覚的に情報を提示することも有用となります。下校予定のキーホルダーはまさにこの二つを上手に利用した方法で、私もとても参考になりました。お子さんの不安をキャッチして、工夫を施したり、環境を変えることで、より安心して生活ができるようにサポートできたらいいですね。

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