新型『ジムニー』に1カ月ちょっと乗ってみて思ったこと
ジムニーに乗り始めて1カ月と少し経った。街乗りをはじめ、高速道路を利用した長距離ドライブも満喫。当初よりはだいぶジムニーと仲良くなれている気がする。
ほぼ毎日運転していると「さすがジムニー!」(9割強)または「ここはやや不便かなあ」(1割弱)など、感じることがいくつかある。そこで現時点での使い心地をお伝えしたい。
・気になるところ
「なにがなんでも新型ジムニーに乗りたい」という気持ちで手に入れたので、正直不服は一切ない。多少の欠点くらいは、むしろ魅力に見えてしまうほどだ。
とはいえ、例えば購入を迷っている人にとっては些細なことでも不便があれば知りたいところだろう。そこでいくつか、ほかの車と比べると気になるところを挙げてみることにする。
☆収納スペースが少ない
まずひとつ、軽自動車なのである程度は仕方がないところはあるが、荷物を積めるスペースが狭い。後部座席を倒してしまえばそこそこ収納できるが、そうなると今度は乗車可能人数が減ってしまう。
ジムニーに乗る(乗りたい)人はそもそも「最低限2人乗れれば問題なし」くらいの気持ちである場合が多数だろうが、検討中の人も後部座席は倒して使うもの、くらいの心持ちでいるといいだろう。
ちなみに公式サイトによると座席を倒していれば、9.5インチのゴルフバッグ(長さ1300mm)が横に2個とボストンバッグなどもあわせて積載可能とのこと。それだけ積めれば十分ではないだろうか。
そのほか、地味に困るのはドリンクホルダーの位置だ。一応サイドブレーキの奥に2つあるのだが、運転しながらでは絶妙に使い辛い。そのためジムニー乗りの多くが別売りのドリンクホルダーを設置しているように見受けられる。
記者はセイワというメーカーの、スズキ・ジムニー専用コンソルトレイを使っている。ドリンクだけでなく、スマホも置けたりして便利だ。
☆高速道路との相性
ジムニーの魅力のひとつが悪路走破性であることは言わずもがなだが、高速道路などスピードを必要とする道ではどうだろうと、試しに記者は関西から四国まで走ってみた。
その結果、高速との相性は良いとは言えないと感じた。ハンドルを握っている本人は楽しいのだが、普通車に比べると馬力がなく、ジムニーの後ろを走っている人にはやや運転し辛さを感じさせてしまう気がする。
また車高があるので、風の影響を強く受けてしまう。明石海峡大橋を渡っている際に、あまりに横揺れするので(その日はそもそも天気が悪かったが)法定速度よりもゆっくり走った次第。
1~3時間程度の高速道路運転ならば気にならないだろうが、それ以上になると考えものだ。もちろん燃費も悪い。
・それでもやっぱりジムニーに乗りたい
しかしながら、やはりジムニーは良い車だ。これだけビジュアルが個性的で、また悪路にめっぽう強い軽自動車はほかにない。まさに唯一無二。
その魅力を語り出すとキリがないが、どうにかこうにかまとめてみたので以下をご覧いただきたい。
☆乗っていて楽しい
乗った瞬間感じるほかの軽車両との違いは、目線の高さ。車高があるため、遠くまで見通せてそれだけで走る際の心地良さが違う。軽トラとかもこんな感じだろうか。
また繰り返しになるが、さまざまな過酷な環境に耐え得るところがジムニーならでは。これまではちょっとした山道や田舎道などで「(車体の)下を擦るのではないか」「段差や沼にはまってしまうのでは」と不安だったが、気にならなくなった。
狭い道での切り返しがスムーズであるところも良いし、コンパクトなので細道もなんのその。どんな悪路でもジムニーと一緒ならば走れてしまうような気がしてくる。
加えて見た目が特徴的で好みなので、目に入るたびに嬉しい。駐車場に停めてスーパーで買い物をして戻って来た時に、毎度「良い車だな……」と感じるほど。所持しているだけで生活の質が間違いなく向上していると思う。
総じて乗っていて楽しい車、それがジムニーだと言える。
もうしばらくしたらジムニーショップに持って行き、大幅に変えてみようかと思っているところだ。次々にカスタム用品が現れるので、ずぅーっと手を加えて楽しめるところもまたジムニーならでは。
繰り返すが、こんなに楽しい車はほかにないと思う。記者は現在の愛車を乗り潰そうと思っているし、仮に今の車と別れることになっても、再びジムニーを選ぶだろう。
乗れば乗るほど虜になる、それがジムニーに1カ月ちょっと乗って感じていることである。
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.