【相模原市】ダイナボアーズ服部選手 夢を叶えた軌跡語る 清新小5年生に授業
国内最上位リーグで戦うラグビーチーム「三菱重工相模原ダイナボアーズ」の服部航大選手(愛称「チョリ」)が11月19日、清新小学校5年生に「夢の教室」を行った。自身がプロ選手に昇り詰めるまでに乗り越えた困難や成功の要因、自分を信じることの大切さを伝えると、児童からは「チョリみたいにいっぱい練習する」という感想があがった。
「夢の教室」は子どもたちの夢を育むことを目的に、特定非営利活動法人「ユメイク.」が市内の小学5年生を対象に行っているもの。この日は服部選手が「夢先生」を務め、夢を叶えるまでの人生を図示しながら児童に説明した。
服部選手はラグビーの聖地と言われる「花園ラグビー場」がある東大阪市の出身。「チョリはお母さんのお腹にいる頃からラグビーすることが決まってた」と笑顔を見せる。小学校で家庭科部の部長を務めていたという意外なエピソードを披露しつつ、「外部のスクールでラグビーをやっていて、楽しさを知って夢がプロラグビー選手になった」と語り始めた。
過酷な練習と怪我
和やかに始まった服部選手の人生談だったが、過酷な練習や怪我で思うようにラグビーができなかった話に、児童たちは真剣に耳を傾けた。
服部選手は奈良県内の強豪・天理高校に進学。そこで待ち構えていたのは「日本一しんどい練習と環境」だった。全速力で走り続ける基礎練習を2時間、時計のないグラウンドで行ったり、1日3キログラムの米を食べたりしたという。
夢を叶えるまでの人生曲線の一番低いところに貼り付けたのは「大けが」の文字。天理大学に入学し、120人ほどの部員の中からたった15人しか出られない公式戦に1年生の春で出場したが、その試合の開始10分で膝を負傷。2年生で復帰するも2週間で再断裂した。
服部選手はラグビーから離れていた計2年をどう過ごしたのか、子どもたちに丁寧に語った。「別の方法で成長できないかと考え、体を大きくすることにした。周囲から『意味がない』と言われても、自分だけは自分を信じなきゃと思った」
懸命に努力を続け、復帰した3年生の試合は全て出場。天理大学として初めての大学日本一も掴んだ。「自分を信じて突き進む強い意思があったから。そして、ダイナボアーズに入り、小学校の頃の夢が叶いました」と締めくくった。
協力学ぶゲームも
授業では、「だるまさんが転んだ」がアレンジされたゲームを楽しみ、仲間との協力を学ぶ時間もあった。最初はフェイントに引っ掛かりなかなか前進できない「チームチョリ」だったが、途中で作戦会議をすると、声掛けでの協力が生まれてゴールにたどり着くことができた。
キャプテンを務めた服部選手は「このままクラスみんなで仲良く支え合って。キャプテンで良かった。いいチームや」と児童を労った。
「夢の教室」は寄付金をもとに実施しており、同法人ホームページから寄付を申し込むことができる。