あんぱんの「粒あん」と「こしあん」、先にできたのはどっち? #もやもや解決ゼミ
日常に潜む「お悩み・ギモン」=「もやもや」を学術的に解決するもやもや解決ゼミ。
今回は「あんぱんの『粒あん』と『こしあん』はどっちが先だったのか?」です。
あんぱんは現在でも愛されている、日本を代表する菓子パンです。しかし、中に入っている「あんこ」には「粒あん」と「こしあん」があります。
「粒あんの入ったあんぱん」「こしあんの入ったあんぱん」では、どちらが先に誕生したのでしょうか。
今回は、日本で初めてあんぱんを作った『木村屋總本店』に回答いただきました。
◇せんせいのかいせつ
あんぱんの「粒あん」が先か、「こしあん」が先か、その答えはまだ見つかっていません。
明治7年(1874年)に「こしあん」を使用した「酒種あんぱん けし」と「粒あん」を使用した「酒種あんぱん 小倉」が誕生したという記録はありますが、書面では残っておりません※。
※資料は震災や火事で焼けてしまったため、多くの情報は口伝などになります。
↑明治7年に誕生した「酒種あんぱん けし」。こちらは「こしあん」です。
↑同じ明治7年に誕生した「酒種あんぱん 小倉」。こちらは「粒あん」です。
あんぱんとしての「あんこ」の使い分けは、明治7年にあんぱんが誕生した際にはすでにあったと考えられます。
◇けつろん!
日本で最初にあんぱんを作った『木村屋總本店』でも、粒あんのあんぱん、こしあんのあんぱん、どちらが先に誕生したのかは分からないとのことでした。しかし、明治7年に日本初のあんぱんができた年には、すでに粒あん、こしあん両方のあんぱんがあったのです。もしかしたら、粒あんのあんぱん、こしあんのあんぱん、共においしくて甲乙つけがたかったのかもしれません。
『木村屋總本店』からは、
「明治7年に生まれ、翌年には明治天皇に献上された「酒種あんぱん」。製法をほとんど変えず現在も変わらぬおいしさを追求し続けています。
150年以上代々の職人が絶えず受け継いできた「酒種あんぱん」は米食文化で育った日本人に合う心地よい香りと歴史が詰まっております。一つ口に入れれば奥深い風味と時代を超えたおいしさが広がります」
とお勧めの言葉がありました。もし学生読者の皆さんの中に、まだ食べたことがないという人がいたら、ぜひ試してみてください。
ふんわりしっとり、どこか懐かしく優しい味のあんぱんです。
◇おしえてくれたせんせい
『木村屋總本店』
https://www.kimuraya-sohonten.co.jp/
文:高橋モータース@dcp
編集:学生の窓口編集部
#もやもや解決ゼミ
バックナンバー