【医師解説】「ちょっと油断…」ノロウイルスは何度もかかる!対策のポイントは
冬になると猛威を振るう『ノロウイルス』。北海道内でも集団感染が相次いでいます。
3月6日、旭川市保健所は市内の飲食店でノロウイルスの集団感染があったことを発表しました。
店で料理を食べた83人が下痢やおう吐などの症状を訴え、うち1人が入院しています。
調理をした従業員から感染が広がったと見られています。
札幌市保健所によりますと、ノロウイルスによる食中毒のピークは2月~3月。
どんなことに注意すれば『ノロウイルス』の感染を防げるのでしょうか。
連載「じぶんごとニュース」
札幌では、1月に飲食店2軒でノロウイルス集団感染が相次いで発生。
客19人が食中毒を起こしました。
いずれも、感染した従業員から料理を介して感染していました。
これを受け、札幌市は6年ぶりの『ノロウイルス食中毒警報』を出しました。
札幌市保健所・食の安全推進課の高田泰幸課長は「例年に比べて、ノロウイルスの発生件数が、食中毒全体の中でも非常に増えている」と警鐘を鳴らします。
そんななか、自らの体験談を話してくれたのが、札幌市在住のねぎさん。
「ちょっと油断していた」のだといいます。
熱も出て、関節痛も…
ねぎさんは2月、おう吐や下痢に襲われ病院に行ったところノロウイルスの感染と診断されました。
医師からは、生食用のカキを食べたのが原因と考えられると言われたといいます。
その後、症状はさらに悪化していきました。
「夜中に高熱が出て38.6度までいった。それがつらくて…けん怠感も、関節痛もすごくて、腰・指の節々とかも痛かった」
何より心配だったのは子どものこと。
生後3か月の赤ちゃんが感染しないよう、細心の注意を払ったといいます。
ノロウイルスでは、具体的には、吐き気・おう吐・下痢・腹痛・発熱の症状が出るとされます。
有効なワクチンや治療薬はありません。
1~2日ほどで回復するケースが多いですが、子ども・高齢者は重症化する場合もあります。
発症してしまったら「対症療法」しかないのが現状のノロウイルス。
医師で北海道文教大学教授の當瀬規嗣先生に、その対応策について聞きました。
ノロウイルスの対応策は
医師で北海道文教大学教授の當瀬規嗣先生があげるポイントの1つが水分補給。
おう吐や下痢をすることでの脱水症状に注意が必要で、乳幼児・高齢者は特に水分補給が重要になるといいます。
飲んでも吐いてしまう場合は、点滴で対応する必要があるため、病院を受診しましょう。
ノロウイルスは一度かかってもあまり免疫が残らないと言われていて、毎年かかる人もいるので油断は禁物です。
ノロウイルスの主な感染経路
主な感染経路とされるのが3つ。
ウイルスに汚染されたカキのような二枚貝などを、十分加熱せずに食べて感染するケース。
感染者の便や、おう吐物を介して、別の人へ二次感染するケース。
飲食店の場合、感染した店の人が手で触れた食品を食べて、客が集団感染するケース。
當瀬先生によると、ノロウイルスはウイルス自体が死ににくく、生存期間が長いことが特徴で感染力も強いということです。
では、予防のためには、どんな対策を取ればいいのかをまとめました。
手洗いと消毒、その注意点は
日常の予防対策は、やはり手洗い。食事の前やトイレに行った後などもこまめに行うのが大切です。
感染者が身近にいる場合の対策は、とにかく消毒!触ったものなどはすべて消毒する意識をもちましょう。
このとき大切なのが、「次亜塩素酸ナトリウム」を使用すること。アルコールを使った消毒は効果がないというのを覚えておきましょうね。
感染者の便や、おう吐物、おう吐物を拭いたタオルなどは密閉して捨てましょう。
嘔吐物などで汚れた場所は必ず消毒、こちらも次亜塩素酸ナトリウムで!というのを忘れずに…。
消毒は「丁寧に」!
當瀬規嗣先生によると、ノロウイルスはウイルスが小さく空気中に飛びやすいのが特徴だといいます。
空気中に舞ったウイルスを吸い込んでしまって感染するケースも多いのだそうです。
だからこそ、消毒の作業には「丁寧さ」が大事だといいます。
汚れた場所を拭くときは、まず全体を布などで覆ってから作業しましょう。
必ず手袋をつけて処理を行うことも大切です。
消毒処理が終わってからはしっかりと換気もしましょうね。
春はもうすぐ…。油断せずに元気に迎えましょう。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年3月6日)の情報に基づきます。