「柱たち」が躍動、京橋の新ミュージアムで鬼滅の刃の展覧会が開催
面白い作品は脇役が魅力的、というのは限りなく普遍的な真実だ。その点において『鬼滅の刃』の柱たちほど的確な例はないだろう。何しろ、炎柱こと煉獄杏寿郎がメインのストーリーである『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』は、興行収入404億円をたたき出し、日本映画史上の全ての記録を塗り替えてしまったのだから。
さまざまな要因があるとはいえ、「煉獄さん」というキャラクターの良さを挙げないわけにはいかない。そしてそれは、ほかの8人の柱にも言えることである。
2024年11月2日(土)に、新たなクリエーションと出合える美術館「クリエーティブ ミュージアム トーキョー(CREATIVE MUSEUM TOKYO)」が、京橋の「トダ ビルディング(TODA BUILDING)」の6階に誕生する。アニメ、漫画、音楽などのポップカルチャーをはじめ現代アート、デザインなどの「作品」や「表現者」、さらにはそこに至る「プロセス」を大空間で体感できる新施設だ。
オープニングを飾るのは、アニメ『鬼滅の刃』の大規模展覧会「柱展 ーそして無限城へー」。同展覧会では、鬼殺隊最高位の剣士「柱」に初めてフォーカス。7つのエリアに分かれて展開し、9人の柱それぞれの個性や思いに迫る。
大空間を生かした原画の瀑布
中でも見どころは、約1000枚の原画で彼らの表情に迫る「柱―表情」エリアだ。1200平方メートル・天井高5メートルの大空間に、5年のアニメ放映の間に描かれたさまざまなシーンが壁一面を埋め尽くし、天井から幾重にも下がる垂幕にもびっしりとさまざまな相好が描かれている。アニメーションの世界で確かに意思と感情を持って息づく柱たちの姿を立体的に感じられることだろう。
さらに、「柱―躍動」エリアでは、動画の元になった連続するアクション原画を縦横無尽に展示することで「神作画」と名高いヌルヌル動くアクションシーンの根底にある表現・技法を躍動感たっぷりに鑑賞できる。こうした展示はまさに同館のコンセプトを色濃く打ち出した演出といえるだろう。
遊園地のようなアトラクション感に満ちた映像展示
「そして無限城へ」エリアでは、遊園地のアトラクションのような風や音を使った没入型の映像を駆使した演出が楽しめる。「柱稽古編」最終話の、産屋敷邸から無限城への落下シーンをプロジェクション、立体音響、ハプティクス(床振動)、風を組み合わせた最新技術で再現したもので、柱らとともに突入したかのような臨場感が感じられる。印象的な弦を弾く音や天地が反転するシーンの再現には、思わずドキドキしてしまうだろう。
このほか、各柱の日輪刀の柄部分を再現した展示に触れたり、カードをかざして好みのキャラクターの名言ボイスを聞いたりとインタラクティブな楽しみも多い。
本展のためにufotableによって描き下ろされたキービジュアルを用いたアクリルフォルダーやハンガーといったグッズも要チェックだ。
キャラクターと食のイノベーティブなコラボレーション
さらに、併設カフェ「クリエーティブ ミュージアム カフェ(CREATIVE MUSEUM TOKYO CAFE)」では、柱9人にフォーカスしたコラボレーションメニューも展開している。
よくあるコラボレーションメニューと思っていると、そのクオリティーに度肝を抜かれるかもしれない。斬新な見栄えと食感はホテルのイノーベーティブやコース料理のデセールの粋に達している。ぜひ目と舌で堪能してほしい。
展示は2025年3月2日(日) まで。チケットは全て日時指定制で、混雑緩和のため、30分ごとに入場時間を区切る。詳細は公式ウェブサイトで確認してほしい。
アニメーションでは『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』3部作の公開が決まっており、今後さらなる盛り上がりが予想される。魅力的な柱たちの活躍を追体験し、鬼滅の世界に存分に浸ろう。