名手直伝!ワカサギ釣りのエサ4種の使い分け【サシ・アカムシ・本ラビット・ブドウムシ】
関東各地のワカサギ釣り場で驚異的なレコードを叩き出し、「爆釣請負人」と呼ばれる千島克也氏。なぜ彼が、これほどまでにワカサギを釣ることができるのか。その要因の一つは、緻密な「エサの使い分け」にあった。状況に合わせたベストな選択とは何か。知っているだけでライバルに差をつけることができる、エキスパート流のエサ活用術を公開する。
解説◎千島克也
まとめ◎編集部
サシ~ワカサギ釣りのエサの王道!サイズ調節が重要!~
ワカサギ釣りのエサとして最もポピュラーなのが「サシ」。サシの両端にハリを掛けて半分に切って使うのが一般的であるが、3分の1もしくは4分の1にして千島克也さんは使っている。一口サイズに調整するのが目的だが、水に浸かると少しふやけてシルエットが大きくなるためワンサイズ小さくカットするとよい。魚がエサを咥えて頭を振るようなアタリが出ているときなど渋い日は特に小さくして使いたい。
また、サシには本来の色である「白サシ」と、着色した「紅サシ」や「緑サシ」がある。状況に応じて食いが変わることもあるため、その使い分け方も解説してもらった。
・紅サシ
どんな状況でも使いやすく、迷ったらまずはこれから。アピール効果も高い。
・白サシ
氷上などローライトコンディションで有効。千島さん曰く当歳魚が特に好むと言う。小さいワカサギが多い湖に訪れる際には必須。
・緑サシ
最近になって見られるようになってきた。藻の多い浅場などでは特に効果的。その際緑色のハリを使ってエサとハリを同化させると特によい。
アカムシ~濁っている時に輝くエサ~
通年釣れるエサだが、特に季節の変わり目で水が濁ったタイミングに反応が良い。体表の光沢と、アカムシ特有のウネウネとした動きが特徴だ。 黒い頭の下にチョン掛けするのが一般的だが、千島さんは頭からハリを通す「通し掛け」を推奨する。理由はエサ持ちが良くなるからだ。
基本的には体液が抜けたら交換だが、高活性時はそのままでも釣れ続くことがある。なお、アタリがあるのに乗らない場合は、半分にカットするとフッキングしやすくなる。
本ラビット(ラビットウォーム)~匂いが強く小さいのが特徴~
1月〜2月末の厳寒期に特によく釣れる、入手困難な特エサ。サシにウサギの糞を食べさせたもので、強烈な匂いと小粒なサイズ、そして非常に柔らかいのが特徴だ。
小さくて匂いが強いため、千島さんはカットせずにそのまま使用する。食いが落ちてきたら、指先で軽く押しつぶして匂いを拡散させるのがコツだ。 難点である「柔らかすぎて扱いづらい」点は、釣行前にオガクズを乾燥させ、冷蔵庫で1〜2週間ほど保存することで解消できる。身が締まって黄色くなり、エサ持ちも格段に良くなる「千島流」の裏技だ。
ブドウムシ~寄せエサとしても食わせエサにも!~
主に「寄せエサ」として多用される。仕掛けの上部や中央、オモリ付近に掛け、ハサミでカットして体液(匂いのエキス)を出して使うのが基本だ。大きなシルエットと匂いで、群れを寄せるだけでなく、その場に留める効果も高い。
実は「食わせエサ」としても有効で、頭にチョン掛けした後に一口サイズにカットすれば、サシの中に混ぜるアクセントとして機能し、ブドウムシに食いつくことが多い。特に小さなワカサギの群れが底付近を回遊している時に効果絶大だ。
ただし、「それなら全部ブドウムシにすれば釣れるのでは?」と千島さんが試したところ、反応はいまひとつだったという。あくまでサシの中に混ぜるエサとして使うのが正解のようだ。