防災力向上マンションに2件 防災マニュアル作成など評価
災害に強いマンションの形成と地域住民を含めた防災力の向上を図るため、防災対策をしているマンションを横浜市が認定する「よこはま防災力向上マンション」。新たに「BrilliaCity横浜磯子」=磯子区磯子=と「シティ能見台ふれあいの街」=金沢区能見台=が認定され、9月9日に認定証授与式が開かれた。
認定基準は防災に関する組織やマニュアル、訓練、飲料水などの備蓄などに関する「ソフト」部門と、耐震性、浸水対策、防災倉庫、防災資機材、マンホールトイレの設置など「ハード」面に関する2部門に分かれ、加えて「地域との連携」ができていると「プラス認定」を受けられる。
有事想定の組織を
「BrilliaCity横浜磯子」(1230戸、13棟)は、平時は管理組合の元に防災委員会を結成し、自治会の安全対策推進委員会が活動をサポート。市内で震度5強以上の地震が発生した際は災害対策本部を立ち上げた上で、13の棟とフロアごとにリーダーを決め、災害時の対応を図る。また今年1月には「大地震対応基準書」を制定。地震発生時や発生以降の対応などを39ページにわたり記している。
同所管理組合の防災委員会長の小川哲郎さんは「有事の際に住民がどう協力していけるか、各棟で災害組織をつくり安否確認などを行う体制づくりをしたい」と話す。
独自冊子で啓発
ソフト+認定を受けた「シティ能見台ふれあいの街」(624戸、12棟)は、在宅避難を前提に住民がとるべき行動などをまとめたマニュアルを作成、配布。住民への啓発を目的とした防災・減災情報誌「なまずん通信」を4年ほど前から発行している。また、能見台小学校地域防災拠点の運営委員会に町内会として参加するなど地域との協力も図っている。
ふれあいの街町内会の野場文明会長は「在宅避難をいかに実現するか、マニュアルを作成し、訓練を行ってきた。積み上げてきた対策が評価され認定されたことが励みになった」と話した。