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【三浦 イベントレポ】芋煮ロックフェス2025 - 秋の三崎港の風物詩、10周年を祝す豪華アーティストを迎え開催された音楽と食の祭典

湘南人

潮風が心地よい2025年9月28日(日)、三崎港の秋の風物詩「芋煮ロックフェスティバル」が今年も開催されました。

「芋煮ロックフェスティバル」とは?

音楽と共に山形のソウルフード芋煮を味わう手作りのインディペンデント野外フェスで、芋煮オーガナイザー國井久嗣氏をはじめとする有志4人で、2013年に相模川の河川敷で初開催されました。

翌年から三崎港へ会場を移し、地元三崎の有志の協力のもと、今やすっかり三浦三崎に根付き、今回で10周年を迎えたイベントです。

「芋煮ロックフェスティバル」オーガナイザー國井氏のこだわりを感じられる出演アーティストのラインナップと、フェス名にもなっている芋煮を始め、

台湾線麺やクラフト系のアルコール類等、個性あふれるフード出店の魅力もさることながら、三崎港に抱かれた抜群に開放的なロケーションもこのフェスの何よりの魅力です。

10周年の節目として、今年は当日を迎えるまでにスピンオフ企画として前夜祭や映画祭、2年ぶりに開設されたMIURA FUN BEACH三浦海岸での「芋煮ビーチフェス」等さまざまな関連イベントが開催され、ラインナップの豪華さと相まって当日は午前中から例年以上に多くの観客で賑わっていました。

良い音楽と美味しいフードとドリンク、そして気持ちの良い天気と風に包まれた秋晴れの心地よい三崎港での一日の模様をレポートします。

芋煮サポーターズの熱意が伝わる開場前の待機列

午前10時に会場の三崎港に到着するとステージではまだリハーサルが行われていましたが、入口には既に入場を待つ待機列が。

開場時刻となりスタッフに促されると列が動き出しました。

受付で事前購入のチケット画面を見せると、芋煮サポーターズパスとなる鮮やかなオレンジ色の入会リストバンドを渡されます。

リストバンドを手首へと付け会場内へ。

食べて飲んで「芋煮ロックフェス」を応援

開演を待つ間、まずはフードブースへと向かいこのフェスの定番フード、芋煮(税込700円)と玉コンニャク(税込300円)、そして石巻のクラフトIPAを購入し、お腹を満たしつつ喉を潤します。

オーガナイザーの國井氏を始め、このフェスの企画、制作、運営のほとんどは関係者有志の手でつくられています。

入場の為に必要な芋煮サポーターズ(入会リストバンド)の料金(税込5,000円)や飲食ブース、可愛い芋煮のイラストが特徴的なオリジナルグッズの売上によってフェスが成り立っています。

初めて訪れてから毎年のように参加していますが、チケット収益や売上で利益を出すという商業的な色の薄い、関係者の思い入れで成り立つこのフェスの継続を願い、なるべく場内で飲んで食べて一日を過ごしています。

同じように考えている来場者も多いようで、フードブースは食事時に限らず一日中賑わっており、筆者と同様にお昼前から山形の地酒などのアルコールを傾けている方々もたくさんいらっしゃいました。

祝10周年! オーガナイザー國井氏による開会宣言

開演時刻となり、まずはオーガナイザーの國井氏が登壇し、恒例の芋煮ロックフェス開会宣言を行い10周年の祝祭が幕を開けました。

いきなりかなり「濃い」! グッナイ小形〜井上園子〜中西レモン & すずめのティアーズ

トップを飾るのは北海道在住のシンガーソングライター「グッナイ小形」。

バンドセットで朴訥としたオールドスタイルのフォークソングを奏で始めると、早くから会場を訪れているオーディエンスも深く聞き入っていました。

続く二番手の「井上園子」はアコースティックギター弾き語りの完全ソロセットでのステージ。

湘南出身、在住とはいうものの、所謂夏のビーチのイメージとは対称的なクセの強い独特な魅力を持ったシンガーソングライターで、2025年の今年はフジロックにも出演を果たしています。

いきなりかなり「濃い」始まりはオーガナイザー國井氏のこだわりを感じさせます。

続いて登場したのは「中西レモン & すずめのティアーズ」。

ブルガリアをはじめとするバルカン地方の民謡をベースに、ロックフェスのステージでも違和感のない独自の音楽へと昇華したそのパフォーマンスはミュージックマガジン等業界の音楽メディアでも高く評価されていて、コアな音楽好きと思われる方々も数多くステージを見入っていました。

場内最初のクライマックス、みんな大好き「かもめ児童合唱団」

芋煮ロックフェスのもうひとつ大きな魅力が、続いてステージに登壇した「かもめ児童合唱団」の存在であることは間違いないと思います。

1972年から続く地元三崎の児童合唱団が奏でる無垢な子供たちの歌声と、絶妙なセレクトのポップソングの混じり合うそのパフォーマンスのファンが多く、毎年かもめを目当てに三崎港を訪れているリピーターもたくさんいることでしょう。

この日は共演者の顔ぶれに合わせてなのか、ビートの効いたトラックよりも聴かせる歌もの中心の選曲です。

お決まりのアンコール(フェスでは演奏時間とタイムテーブルが決められている為通常アンコールは行われませんが、かもめのセットリストには予めアンコールと、アンコール前のMCが組み込まれています)になると港の先端の会場も満員になり、かもめを1番のお目当てとしている来場者も多いことから、場内は最初のクライマックスを迎えたような雰囲気になりました。

誰がトリでもおかしくない、怒涛のトクマルシューゴ〜小山田壮平〜そしてサニーデイ・サービス

9月末ということで日が落ちるにつれ徐々に冷たくなる潮風が心地よく、夕映えの美しい港の風景とステージで奏でられる音楽との調和に酔いしれる時間帯。

10周年のこだわりに加え、豪華さにも磨きのかかったここからの出演陣も、トクマルシューゴ〜小山田壮平〜そしてサニーデイ・サービスと、誰がトリでもおかしくないラインナップです。

バンドセットで登場したのはフジロック等の大型野外フェスでもおなじみの「トクマルシューゴ」。

さまざまな楽器を手繰る確かな実力に裏打ちされた楽曲群はやはり素晴らしく、小さなカップになみなみと注がれた山形の地酒を傾ける頻度も上がってしまいます。

残るは2組。この時間になると次第に紅く染まってゆくマジックアワーの港の情景の美しさと共に、幸せな一日がもうじき終わりを迎えてしまう。

そんな一抹の寂しさが心をよぎります。

ソロ弾き語りながら力強く、そしてしなやかに次々と持ち曲を歌い上げてゆく「小山田壮平」のステージと共に時間は夕方から夜へ。

秋の青空は夕暮れのオレンジから夕闇へと色を変え、三日月と共にヘッドライナー、「サニーデイ・サービス」の登場です。

冒頭から荒っぽくロック色の強い3人のアンサンブルが生み出すグルーヴで、会場はこの日1番の盛り上がりに。

初期からの人気曲「青春狂想曲」から最新アルバムのナンバーまで網羅したセットリストで、フェスの一日の締めくくりに相応しい、熱い熱いパフォーマンスに魅せられました。

メンバーが去り、ステージに残されたギターのフィードバックノイズが鳴り響いてもアンコールの声は鳴り止まず。

最後は先に出演を終えていた小山田壮平が徐に現れ、会場に流れていたBGMに合わせて歌っているところへサニーデイ・サービスのボーカル曽我部恵一、オーガナイザー國井氏も登場し、最後まで残った観客へ向け来年の開催決定も発表されました。

曽我部氏を始め出演アーティストの多くがMCで、このフェスと会場である三崎港のロケーションの素晴らしさを語っていました。

全国各地で大小さまざまな野外フェスやイベントがある中、これだけのアーティストが規模は小さいながらもこれほど愛着を持って熱く語ってくれるフェスがあることを地元出身者としても誇らしく思います。

会場内で今や都市型フェスの代表格であるSUMMER SONIC(サマソニ)が、富士急ハイランドで初開催した第1回2000年当時のレアなフェスTシャツを着ているご家族をお見かけし、思わず声を掛けてしまいました。

しっかり「サニーデイ・サービス」のアーティスト名も。

お嬢さんが生まれる前、音楽好きなご両親が第1回サマソニに参加され、お母様が当時買われたTシャツを今はお嬢さんが愛用されているそうです。

コアな音楽ファンを繋ぎ、心を掴むオーガナイザーの國井氏と、

市内外や県外の有志が立ち上げ、出演者や毎年関わって下さるスタッフと訪れた来場者が芋煮ロックフェスの魅力に触れ、人から人へと拡げていくのでしょう。

来年の開催と、芋煮ロックフェスのさらなる発展が今から楽しみです。

芋煮ロックフェスティバル2025

開催日時

2025年9月28日(日)10:30〜20:30

開催場所

会場名 三浦市三崎港うらり交流広場特設会場
住所:神奈川県三浦市三崎港5-3-1

駐車場:あり(有料)

参加費

5,000円(芋煮サポーターズパス(入会リストバンド))

主催

SHIGURECORDS

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