串本のカセ釣りで70cm超え大ダイ浮上!【大裕丸】完全フカセ仕掛けにヒット
3月に入り乗っ込みマダイが釣れ始めた串本湾内カセ、今年は90cm越えや80cm超の良型複数匹の釣果など絶好調だ。そんな乗っ込みマダイを狙って3月29日、串本カセの老舗大裕丸へ釣行し良型マダイをキャッチした模様をお伝えしたい。
串本カセでマダイ釣り
寒かった冬も終わり、3月に入り春を感じる暖かい日も出てきた頃、串本カセの老舗大裕丸では大型マダイラッシュが起きていた。80cmを超す大型がコンスタントに上がり、90cmを超える超大型も飛び出した。
この好機に大型乗っ込みマダイをものにしようと3月29日に釣行した。
天秤フカセと完全フカセ
当日の作戦はオキアミ3kgを3ブロック用意し、天秤フカセ、完全フカセを置き竿と手持ちで3本をメインに用意した。シマアジやジャンボイサキも釣果が出ていたため、こちらも同様のタックルで狙っていく。家に在庫していたペレットも持参し春のペレマダイも試してみることにした。
今回も実践した串本カセでの私なりの乗っ込みマダイ攻略法は前回記事にしているので参考にしてもらいたい。
当日の潮
当日の潮は新月周りの大潮で、満潮が5時54分、干潮が11時54分。朝マヅメに重なる満潮からの下げと昼の下げ止まり前後が時合になるのではと予想した。
朝マヅメは不発
カセに乗り、朝の時合を逃すまいと早々に準備をする。まずは置き竿にする天秤フカセから仕掛けを投入、続いて置き竿完全フカセを投入。
手持ち完全フカセのタックルを準備している間に先に出した2本のラインの動きで潮の様子を伺うとあまり動いていない様子なので、手持ちの完全フカセも投入し3本体制で行く。それぞれ数回打ち返すがエサも取られず期待した朝マヅメは不発に終わった。
ペレットでグレ登場
1時間以上反応が無かったため、一旦ペレットを撒き置き竿1本はペレットに変えてみた。暫くして撒いたペレットに良型のグレが乱舞し始めた。とりあえず持ち合わせのタックルでグレを狙うとあっさりと食ってきた。38cmと中型サイズだが、ボウズは逃れ一安心だ。
時合なのか続けて3回当たるが掛けられず、その後は姿を消してしまった。ペレットで狙うグレについては昨年の記事を参考にしてもらいたい。
完全フカセにビッグヒット!
10時を回り良い潮目が近づいてきたため、マダイ狙いに集中する。手持ちの完全フカセのラインが潮に乗り、いい雰囲気を感じていた所、突如引ったくるような強いアタリ。合わせを入れるとドラグ音が止まず、一気に50m近く走られてしまった。
障害物でスタック
ようやく止まるが、ロッドには何かに擦れるような感触がある。恐らく養殖生け簀を固定するロープだろう。フロロカーボンライン4号通しのため無理はできない。寄せては出されを繰り返しながら寄せてくるが、カウンター70m付近でスタックして動かなくなってしまった。
障害物に巻かれた時の対処法として、魚が動く感触がある時は無理に引っ張らず、魚が動く時はラインを出し、ラインの擦れる箇所を変えるよう意識する。こうすることで1ヵ所が集中的に擦れてラインブレイクするのを防ぐことができる。
70cm超え良型マダイ浮上!
しかし70m付近で完全に動かなくなってしまったため、ラインを張ったり緩めたりしながら魚が動くのを待つ、10分程やり取りするが、動かないため半ば諦めかけていた所、ようやく動き出したため素早くラインを巻く、すると擦れていた感触が抜け、障害物はクリア、窮地は脱したようだ。しかしラインには相当なダメージがいっているため、慎重にファイトする。
ゆっくりゆっくり上げていき、残り10m少々まで寄せた所で、最後の抵抗とばかりに一走りする。姿が見えそうな所で焦ってしまいそうだが、落ち着いてやり取りし、ようやく姿を見せたのは良型のマダイ。水面に浮上すると同時にネットイン成功。
キャッチしたのはおでこの張った貫禄あるオス。70cm超えの良型マダイであった。
周囲でも大型マダイ続々
ラインは擦れてボロボロに、本当に紙一重であった。壮絶なファイトをものに出来た喜びで一人船上で拳を握りガッツポーズ、大の大人が我を忘れ感動に浸れる。これこそ釣りの醍醐味である。
その後は時合と予測した昼の下げ止まりは反応なく、午後からのアジの回遊も無く下船時刻を迎えた。
帰りの船で乗り合わせた他の船の方と釣果を話していると、隣に乗っていた方は私がキャッチしてすぐに70cmクラスをキャッチしたとのこと、他にも45cmクラスのジャンボイサキを複数キャッチした方がいたり、先に上がられた方も70cmクラスのマダイをキャッチしていたりと好調な釣れっぷりだ。
釣果グルメも絶品
今回キャッチしたマダイはオスのため、見た目はあまり美味しそうに見えなかったのだが、調理してみるといい意味で予想は外れ絶品であった。
大型マダイは不味いと言われるが、今のところ串本カセでは不味いマダイに当たったことはない。
オスのため、白子が入っており、こちらは湯通ししてポン酢合えと天ぷらで頂いた。なかなか手に入り難い食材を味わえるのも釣り人の特権だ。
刺身や酒蒸し、塩焼きとどれも絶品。アラから出汁を取り塩ラーメンにもアレンジしてみた。
腐っても鯛とは言うが、どう料理しても美味しく頂ける。移住して一人暮らしのため、半身はお裾分けしたが、そちらでも大好評であった。
今後のカセ釣りの展望
今後の展望として、乗っ込みマダイは一段落してくると思うが、大型が出る可能性は十分にある。昨年4月はジャンボイサキと大アジが良く釣れたため、マダイ兼多魚種狙いがおすすめだ。
これから水温が上がるとエサ取りが活発になってくるため、対策も必要になってくる。昨年のGWにはコサバが湧き、胴突き仕掛けすら通らない状況に陥った。こうなると釣りにならないため、団子でつけエサを覆う、団子フカセが対策になると思うが、こちらはあまり経験が無いため省略したい。
エサ取りがどうにもならなければエサ取りになる魚をエサにヒラメや青物を狙って飲ませ釣りもありだ。
状況に応じて臨機応変に対応して行くことが場所移動できないカセ釣りで釣果を上げるコツでもある。マダイに限らず、記録級の魚が狙え、夢のある串本のカセ釣り、皆さんもチャレンジしてみては如何だろうか。
<稲垣順也/TSURINEWSライター>