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沖縄タイガー、ゴールドタイガー……ヴィンテージとともに紐解くタイガーストライプの魅力。

Dig-it[ディグ・イット]

視覚的に最も“ミリタリーらしさ”を感じられる迷彩柄のなかでもどこか夏らしく、その全容が謎に包まれているタイガーストライプ。その魅力を新進気鋭のミリタリーショップ「MILITARIA 1911 VINTAGE」の渚さんと同店が扱うヴィンテージとともに紐解く。

日本とも関係の深いタイガーストライプ。

ベトナムという熱帯地域で生まれたパターンであることからか、どこか“夏らしさ”が感じられるタイガーストライプ。その魅力について、ミリタリー全般に精通する「MILITARIA 1911 VINTAGE」代表・渚さんは「最もミステリアスな柄である点」を挙げる。

「そもそもタイガーストライプとは、ベトナム戦争における現地の兵士たちが着用した柄で、英国のウインドプルーフ迷彩とフランスのリザード迷彩が元になったと言われています。1965年に本格的に軍事介入したアメリカの特殊部隊や、アメリカが支援した南ベトナム軍の戦闘服に主に使用され、生産拠点も沖縄や韓国、東南アジアなど様々。さらに多くの民生品も生まれたため、とにかく謎が多いんです。

現地のアジア人が多く着用したことからサイズがやや小さいのも特徴です。以下、実物とともに代表的なパターンを紹介します」

「MILITARIA 1911 VINTAGE 」代表・渚大地さん|コロナ禍の2020年に「MILITARIA 1911 VINTAGE」を始動。年4〜5回のアメリカ買付を行い、幅広くミリタリーウエアを仕入れている。独自の人脈を持ち、実際に軍服を着た退役軍人からウエアを買い付けることも。

代表的なタイガーストライプを4つ紹介!

沖縄タイガー

「米軍調達局である沖縄CISOが中心となり製造が始まったタイガーストライプの中でも、1965年頃より存在するクラシックなパターンです。沖縄が拠点となる前は日本の本土で製造されており、沖縄に渡ってから台湾や韓国、東南アジアへと移行したと言われています。ほかのパターンに比べて柄が細かいのも特徴で、人気も最も高いです」 ジャングルファティーグパンツ19万8000円

ゴールドタイガー

「文字通り、ゴールドのような色味が特徴的で、褪色すると全体の色味がよりゴールドに近づきます。染料の違いや調達先の違いによっても色が多少変わります。タイガーストライプの中で最も個性的とも言えるパターンです」シャツ、パンツともに48万円

シルバータイガー

「ゴールドタイガーと同様、褪色した際にシルバーのような色になることからこの名前が付いています。タイガーストライプが登場した1965年頃にはすでに存在し、生産数が比較的多いのも特徴です。ロットによって生地の色味が異なるのもポイントです」 パンツ16万5000円

レイトウォータイガー

「多くのタイガーストライプは日本製ですが、このレイトウォータイガーは、ベトナム戦争後半(1960年代前半)に登場した、韓国で製造されたとされているパターンになります。ほかのタイガーストライプに比べて生地が薄いのが特徴です」 シャツ11万円、パンツ12万1000円

タイガーストライプの元となったふたつの迷彩もおさえておこう

英国軍のウインドプルーフ迷彩

「第二次世界大戦中に英国軍にて採用されたパターンで、ベトナム戦争の前に勃発したインドシナ戦争ではフランス軍空挺部隊などが使用したことでも知られます」 スモック26万4000円

フランス軍のリザード迷彩

「こちらも1950年代のインドシナ戦争で使用されたパターン。フランス軍空挺部隊が撤退する際に余剰品が南ベトナムに引き継がれ、派生したと言われています」 ジャケット9万9000円

ほかにもユニークなタイガーストライプが盛りだくさん!

長期化したベトナム戦争では、軍の正規品ではない民生品の使用が黙認。それによってタイガーストライプの様々なアイテムが誕生した。ここでは、変化球的なタイガーストライプのアイテムに絞って厳選して紹介する。

映画『グリーンベレー』で使用!?

ベトナム戦争におけるアメリカ陸軍特殊部隊を題材とした映画『グリーン・ベレー』の劇中で使用されたと推測されるシャツ。1968年に公開された同映画だが、撮影時はベトナム戦争の最中であり、衣装に実物のタイガーストライプ生地が使用されているのだとか。77万円

テストサンプルのフィールドジャケット

1960年代後半に沖縄CISOにて開発された戦時中テストサンプル。現存するリバーシブルタイプのフィールドジャケットはこの1着のみの可能性もあるレア物。ゴールドタイガーとクラシックタイガーの2種類の生地を採用し、裏面はナイロン。YKKジッパーなど、パーツは日本製。440万円

’70sのレーシングジャケット

1970年代頃に東南アジアの駐屯地で個人調達にて作られたと推測されるレーシングジャケット。生地はタイ製のシルバータイガーのコピーで、テーラーで仕立てられている。デザインは’50年代のライダースジャケットをサンプリングして作られており、着丈はやや短い。9万9000円

ミリタリー好きはここに行くべし!

ミリタリーに特化した予約制ショップ。月に数回の通常営業日は公式インスタグラム(@militaria_1911_official)をチェック! 米軍だけでなく、世界各国のミリタリープロダクトがラインナップ。主に1970年代半ばより旧いヴィンテージを扱う。当時のタイガーストライプを完全復刻したオリジナルアイテムも展開。

【問い合わせ】
MILITARIA 1911 VINTAGE
東京都練馬区南大泉 5-36-3 2F
TEL080-3483-1911
平日18:00〜20:30 土日祝13:00〜19:00
完全予約制 ※1カ月に数回 通常営業日あり

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