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TVアニメ『ゲーセン少女と異文化交流』キャストリレーインタビュー第1回:リリー・ベイカー役 天城サリーさん|「恋も、ゲームも、すべてが楽しい……リリーの“キラキラ感”を大事にしました」

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

イギリスからやってきた少女リリー・ベイカーと、ゲームセンターの店員・草壁蓮司の交流を描く『ゲーセン少女と異文化交流』。7月より放送スタートした本作をもっともっと楽しみたい方のために、キャスト陣によるリレーインタビューがスタートしました!

第1回は、リリー・ベイカー役の天城サリーさんが登場! 全編にわたって英語を話すリリーは、ご自身も英語が堪能な天城さんにぴったりの役どころです。ところが、演じるにあたって日本語とはまた違う難しさもあったのだとか……。英語によるお芝居、リリーの魅力、そしてゲームセンターの思い出など、たっぷり語っていただきました。

 

 

【写真】『ゲーセン少女』天城サリー インタビュー【連載第1回】

よりデフォルメされたポップな女の子を意識するようにしました

──まずは、原作や作品資料をご覧になった際の印象からうかがえますか?

天城サリーさん(以下、天城):実はアニメ化が決まる前から、ファンの方に「これがアニメ化したら絶対サリーちゃんに演じてほしい!」とオススメされていて、すでに原作を読んでいたんです。それで大好きになった作品だったので、オーディションのお話をいただいたときは本当に驚きました。

連絡がきたのが、ちょうど海外での仕事帰りに乗った飛行機の中だったんです。映画でも見ようかというタイミングで資料が届いて、7時間ぐらい「受からなかったらどうしよう!?」と本気で悩みながらリリーちゃんのことを考えていました。

 

 

──特にどんなところが面白いと感じましたか?

天城:リリーちゃんのリアクションや表情の豊かさですね。思ったことがすぐに顔に出るところがすごくかわいいなと感じました。

──オーディションは全編英語だったんですか?

天城:そうなんです。最初に届いた資料は長い英語の台本で、概要には「英語を話せる方を探しています」と書かれていました。英語といってもアメリカ英語とイギリス英語のどちらがいいんだろうと思ったのですが、私はカリフォルニア出身。いわゆるストレートなアメリカ英語を話すので、最初はアメリカ英語で臨んだんです。でも、なんとなく手応えがなくて……。終わったあとに、「実はイギリス英語のバージョンも用意してきました!」とお願いして、もう一度演じさせてもらいました。

──実際にリリーを演じることになり、どんなことを意識されましたか?

天城:英語は日本語のように一音ずつ区切られていないので、メロディや抑揚がつけづらいんです。それで地声に近いナチュラルな英語で演じていたのですが、「もう少し元気に」というディレクションをいただいて、よりデフォルメされたポップな女の子を意識するようにしました。

 

 

──リリーはとても明るくて元気な子ですよね。

天城:そうなんです。日本にきたばかりで、目に入るものすべてが新鮮。楽しくて、友達もできて、恋もして……と、とにかくキラキラしています。常に目を輝かせているような子なので、エネルギッシュで前向きな雰囲気を出すように心がけました。

気をつけたのは、あざとい子にならないようにすることです。「蓮司を落としてやろう」といった計算されたかわいらしさではなく、「蓮司が好き。一緒にいたい。一緒に遊びたい!」というまっすぐ気持ちを大事にしています。

──アフレコ中は、英語が話せるキャスト同士でセリフの相談をする場面もあったとうかがいました。

天城:そうなんです。「この言葉、イギリスだったらこう言うかもね」とか、「こっちの言い方のほうが自然じゃない?」とか、言いまわしを一緒に考えて、台本のセリフをスタッフの方に提案させていただくこともありました。

──ちょっとした英語監修のような(笑)。

天城:はい、意味は正しいけれど実際にはあまり使われない表現があったときは、リリーちゃん世代が自然に使うような言いまわしを考えて提案させていただきました。

──ちなみに、アメリカ英語とイギリス英語の違いって、どんなところにあるんでしょうか?

天城:大きな違いは“メロディ”ですね。日本語でいうところの方言の違いのようなもので、大阪弁と京都弁くらいの違いだと思います。関東の人からするとどちらも関西弁に聞こえるかもしれませんが、実際には細かい違いがあるように、英語も細かい違いがあるんです。

 

 

──イギリスの中でも地域差がありますよね?

天城:イギリス英語を学ぼうと思い、YouTubeチャンネル「Trash Taste(トラッシュ・テイスト)」のコナーさんにイギリス英語を教えてくださいと連絡を取ったら、最初に「どこの地域の?」と聞かれたんです。イギリスの中でもバリエーションがたくさんあるそうなので、私は「一番ストレートなのをお願いします」とお願いしました。結果的に、ロンドンあたりの発音を参考にしています。

──リリーを演じるうえで大変だったことはありますか?

天城:リリーちゃんがたまに嫉妬心からムスッとすることがあるのですが、英語でムスッとした感情を表現しようとすると、日本語とは音の響きや語尾のトーンが違ってくるので、少しニュアンスが変わってしまうんです。どこか皮肉っぽく聞こえてしまうというか……。キャピっとしたときやハッピーなときも、やりすぎるとわざとらしく聞こえることがあるんです。そのあたりは音響監督さんと相談しながら、バランスを取るようにしていました。

 

 

いろいろリンクしてる部分があって、演じられるのが本当にうれしかったです

──では、物語についてもうかがえればと思います。第1話では、リリーと蓮司の出会いとゲームセンターを楽しむリリーの姿が描かれました。

天城:リリーちゃんが蓮司に「漢気コアラ」をもらうシーンがすごく好きなんです! アニメでは音や演出も加わって、何より上目遣いの「Are you giving this to me?」がかわいすぎて……。「これはもう蓮司、好きになっちゃうでしょ!」と思いました。

 

 

──イギリスでは、バレンタインは男性が女性に愛の告白のために贈り物をする日という文化の違いも描かれていましたね。

天城:私は日本に住んで8年ぐらいが経ち、日本のバレンタインデーに慣れてしまっていたので、「あっ、そうだった!」って思い出しました。海外のバレンタインデーってもっと本気のイベントで、義理チョコや友チョコの文化はほとんどないんです。本命にしか渡さないから、そりゃ勘違いしちゃうよな~って、きゅんとしました。

──リリーの行動がどれもかわいらしいですよね。

天城:私のお気に入りは、ノートを持った蓮司に追われ叫びながら逃げ回るシーンです。途中から本人も楽しんじゃって、浜辺をスローモーションで走ってるような演出に変わるのがすごく面白くて。アフレコも楽しかったです。

──まずは「お互いを知っていきたい」とちゃんと伝えた蓮司も、真面目で誠実な印象があります。

 

 
天城:ちゃんと気持ちを受け止めてくれているんだなと感じました。中学生だし、気持ちが未熟だからと突き放すのではなく、丁寧に向き合ってくれるところが、本当に素敵です。ただ、蓮司は“ナチュラル人たらし”なところがあるんですよ!

たとえば第2話だと、リリーちゃんが欲しがっていたペンをこっそり渡してくれるんです。あれがもう、自然に出てくる蓮司のお兄ちゃん気質ですね。さりげない行動がかっこいいけれど、こんな素敵な人が近くにいたら私も危ないかもしれないです(笑)。

──第2話ではリリーと葵衣が友達になり、二人がゲーセンに行くと蓮司が変装していたという展開がありました。

天城:本当に微笑ましかったです。普通の女の子だったら、好きな人が突然ワイルドになっていたら戸惑ってしまうと思いますが、リリーちゃんは「漢気モード!?」ってきゅんとするんです。なんてかわいいんだろう(笑)。葵衣ちゃんもしっかりしているようで、ちょっと抜けているところがあって、それもかわいかったです。転校生のリリーちゃんと友達になろうとしてくれる優しさと、お兄ちゃんの変装にまったく気づかない天然さ、そのギャップが魅力的でした。

 

 

──リリーが「押してダメなら引いてみろ」作戦に失敗し、後悔してしまう姿は少しかわいそうでした。

天城:交換日記に本当の思いを綴るシーンが印象的でした。英語のテイですが、リリーとして日本語でしっかり長いセリフを演じるのが初めてだったんです。「私はどうしたらいいですか?」というまっすぐな気持ちをどう表現したらいいか、かなり悩みました。皆さんにもリリーの思いが届いていたら嬉しいです。

──リリーが舌打ちする場面もありましたよね。

天城:「リリーちゃん、そんな表情するんだ!?」って驚きました。「がっつり低い声で言っちゃって大丈夫です」とディレクションをいただいたので、かなり低めの舌打ちになっていると思います。

──そして天城さんは、小山内さんと一緒にOPテーマ「ふたりのスタートボタン」を歌唱されています。歌ってみての感想はいかがでしたか?

天城:二人でハモる楽曲を歌った経験があまりなかったので、ハモリで合わせるのが新鮮でした。先にレコーディングをした怜央ちゃんが、とってもポップに仕上げてくれて。その雰囲気に合わせるのが楽しかったです。勝手に体が動いちゃうような曲なので、サイドステップを踏みながらレコーディングに臨みました。

曲が完成して、『ゲーセン少女』のキャストみんなで音源を聞いた際、蓮司役の千葉(翔也)さんが「この懐かしいオープニングに救われる命もあると思う」と、コメントしてくださったのがうれしかったです。

 

 

──EDテーマ「Amusing Flavor」は、テンポの変化が激しくて難しそうな曲ですね。

天城:初めて曲を聴いたときは、どうやって歌えばいいのか少し戸惑いました。でも、この曲にはリリーちゃんの感情の移り変わりが反映されているんです。たとえば、得意げにクレーンゲームを始めたかと思えば景品が取れなくて泣いてしまったり、大好きって言いたいのに舌打ちしたり。ころころ変わるリリーちゃんの表情や気持ちがちゃんと詰まっているなと感じました。

ゲームセンターも、1階はクレーンゲーム、2階はプリクラ……と、階ごとに世界観がまったく違いますよね? そんな“ゲーセンの賑やかさ”も詰まっている気がしたので、個人的には、ゲームセンターで流してほしいです!

──リリーとして歌ううえで、大切にしたポイントはありましたか?

天城:一音一音をしっかり発音することですね。英語で歌うのに慣れていて、つい日本語の歌も英語のように流して歌ってしまいがちなんです。今回は、リリーちゃんのかわいさをしっかり出すためにも、リズムゲームのように一音ずつボタンを押すような感覚で歌いました。

 

 

──では、ゲームセンターが舞台ということで、ゲームセンターに関する思い出を教えてください。

天城:ファンの方から「リリーちゃんを演じてほしい」と言われた理由は、私が日本に来たばかりの頃、学校で友達を作らず、新宿南口にあるタイトーステーションに毎日のように通っていたからなんです。SNSにも当時の写真を載せたことがありますが、ゲーセンの一角をお借りして、その日に取った景品を山積みにして並べていました。ゲーセンが本当に大好きで、アームを見ればその緩さもわかるようになってきました(笑)。

──リリーとは“ゲームセンター通い”という共通点があったんですね。

天城:そうなんです。ほかにも、所属している22/7(ナナブンノニジュウニ)で私の公式絵文字もコアラですし、リリーちゃんの誕生日が6月24日で、私の誕生日が4月26日。数字が逆になっているんです。これはもう運命だと思ました。いろいろリンクしてる部分があって、演じられるのが本当にうれしかったです。

 

 

──今でもゲームセンターはよく行くんですか?

天城:カフェに行くよりゲーセン派です! 仕事前や楽屋入りする前にも袋を抱えて現れて、「また行ってきたの!?」と言われるくらいには、頻繁に通っています(笑)。

──では最後に、第3話以降の注目ポイントを教えてください。

天城:まず、リリーちゃんの言語力の進化を見ていただきたいです。英語から始まって、カタカナ日本語、漢字も混じったかのような日本語と、その進化の過程が丁寧に描かれていきます。また、今後登場する新しいキャラクターたちにも注目していただきです。リリーちゃんのお父さんは、予想していなかったタイプのお父さんだったので、きっと皆さんもびっくりすると思います!

 

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