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『不滅のあなたへ Season3』フシ役・川島零士さん&観察者役・津田健次郎さんインタビュー|「現世編」は自己を確立したフシが人に何かを“与える”物語。フシがどんな答えを導き出すかに注目してほしい

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

大今良時先生の漫画を原作としたTVアニメ『不滅のあなたへ』。約2年半ぶりの新シリーズとなるSeason3が、2025年10月4日(土)23:45よりNHK総合テレビにて放送開始となります!

本作ではこれまで、不死身の存在であるフシが姿や形を変えながら、人類を滅ぼそうとするノッカーと様々な時代や場所で戦闘を繰り広げてきました。今回のSeason3では「前世編」から数百年の時間が経ち、フシが遂に現代にやって来る「現世編」が描かれます。

新キャラクターも多数登場し、さらに重厚な物語となるSeason3の放送開始を記念し、フシ役の川島零士さんと、観察者役の津田健次郎さんにインタビューを実施! Season2の振り返りや、Season3での注目キャラクター、見どころなどを伺いました。

 

 

【写真】秋アニメ『不滅のあなたへ Season3』川島零士&津田健次郎が「現世編」の見どころを語る/インタビュー

Season2のフシと観察者の対話シーンは『不滅のあなたへ』の根幹であり、グッと来たシーン

──前シリーズのSeason2を振り返って、印象に残っているエピソードを挙げていただけますか?

川島零士さん(以下、川島):フシが鉄の中に圧縮された時、人はなぜ生きることを奪われてはいけないのかを考えて「これからたくさん嬉しいこととか感じることがあるのに、それを奪われてしまうのは嫌だ」と。観察者から「まるで人間になったようだな」と言われて「ああ、そうだ」と答えたシーンは『不滅のあなたへ』の根幹の部分だなと思って印象的でした。

津田健次郎さん(以下、津田):川島くんが挙げたシーンは画のインパクトもすごいですし、大きな出会いと別れが描かれていてグッときました。Season1の時から思っていましたが、(大今良時)先生は若いのにこんな壮大なお話を描けるなんてすごいなと改めて思いました。

 

 

──「現世編」が描かれる今回のSeason3を収録するにあたって意識した点や、難しかった点があれば教えてください。

川島:Season1から2が自己を確立するところまでのエピソードになっていたので、逆算して役作りをしていたことを思い出しました。「幼少期になったらコレを獲得する」みたいに巻数ごとに逆算して。

そしてこの「現世編」では、自己を確立したフシが今度は人に何かを与える物語だと思ったので、フシの在り方もシフトしていった感じです。フシ自身はここまで成長を続けていますが、肉体的な成長はないので、心の変化……人のためにどれだけ尽くせるのか、守れるのかを考えるようになって。「守る」というのも、「前世編」では物理的な攻撃から守ることでしたが、現世は心の時代なので、どう守ったらいいのか悩んで奔走している部分を意識しながら演じていました。

──シフトする作業はかなり難しそうですね。

川島:僕は今、デビューしてから8、9年経ちましたが、『不滅』と出会ったのはちょうどその中間(4、5年ごろ)の時期で。当時はひとつの作品にたっぷり時間をかけられたので、そのベースがあるからこそ、今できるのかなと思います。

津田:ここまで物語の中でいろいろな変遷がありましたし、中身も変わっていきます。でも観察者だけでなく、ナレーションも含めてですが、あくまで俯瞰した立ち位置は変わらず、淡々とやらせていただいています。

──観察者は最初の頃と比べて、フシに助言するようになりましたが、気持ち的には変わらず演じられているのでしょうか?

津田:そうですね。寄り添う感じではないし、助けたいと思わないので(笑)。

 

注目キャラクターはアオキユーキ。演じる潘めぐみさんが現場のムードメーカーに!?

──Season3で気になるキャラクターや、お気に入りのキャラクターを教えてください。

川島:Season3でキーになってくるアオキユーキでしょうか。明るくて元気な愛されキャラであり、ムードメーカー的な少年ですが、その屈託のない純粋な目線で意外と本質を突いてくるし、気付きにつながることをスッと言ってきたりする子なので。そんな前向きなユーキとの触れ合いが、フシにどんな影響を与えてくれるのかが気になります。

津田:僕は出番が限られているため、ほぼ視聴者の皆さんと同じスタンスで楽しみにしている感じです。Season3で登場する新しいキャラクターがどんな人物なのか、そしてキャストの皆さんがどんなお芝居をされるのかが気になります。

──Season3の収録での裏話があれば、お聞かせください。

川島:今回からめちゃめちゃキャストの人数が多くなりました。ユーキたちが学校に通っているので、「若い人が増えたな~!」と驚いています。

津田:僕からすれば「何? 学校?」って感じです(笑)。

川島:振り返るとSeason1、Season2では新人だった僕が一番後輩だったのに、Season3になったらガラッと変わって後輩ばかりになって。

津田:新人だった川島くんに、この現場で後輩ができるなんて感慨深いですね。

川島:今回から参加される人の中には「この作品で初めてオーディションに受かりました」という人もいて。過去の自分と重ね合わせてしまって、「頑張れ~! 大丈夫だよ~! 怖くないから~!」と心の中で応援しています。

 

 

──川島さんも津田さんと一緒に収録していく中で、学んだこともあったんじゃないですか?

川島:それはもうたくさん。

津田:いやいや(笑)。タイプが全然違いますから。

川島:僕は形から入るタイプなので、津田さんがナレーションをされている時などよく拝見していますが、結構手を動かされるなと思って。

津田:つい動いちゃうんだよね。そのほうがしゃべりやすいから。

川島:指揮者ではないですけど、あの身振りの力感で音もリンクしているところが素晴らしくて。なので、長めのナレーションやモノローグをしている津田さんを見るのがクセになっています(笑)。

──津田さんは川島さんの成長を一番近くで見守ってきたわけですよね。

津田:そんなことないですよ。Season1の頃からちゃんと作品に向き合っていたし、何の心配もなかったです。今では立派にこの作品で座長も務めあげていますから。

川島:嬉しい!

──津田さんはいかがですか?

津田:僕はSeason1の頃からあえて原作を読まないようにしているので、Season3は台本をいただくたびに衝撃を受けることが多くて(笑)。毎回新鮮な気持ちで収録に臨めています。

川島:あとアオキユーキ役の潘(めぐみ)さんが参加してくれてから現場の空気がめちゃめちゃ明るくなりました。収録の時点で絵がフルカラーでほぼ100%完成している状態なので、口パクも決まっている中でユーキらしいアドリブを入れたり、間違えた時もユーキのテンションのままで(笑)。「この空気感は今までの『不滅』にはなかったな」と思ったのが印象的でした。

 

 

ノッカーが提示する「痛みの肩代わり」に対して、フシがどんな答えを導き出すかに注目してほしい

──「観察者」にちなんで、Season3までの中で「収録中のこの人おもしろいな」と思ったキャストを教えてください。

津田:やっぱり川島くんですね。『不滅』で初めてお会いしましたが、初めて掛け合いをしたのは二人だけしかいない第1話でした。情熱の傾け方が人生を『不滅』に注いでいるようなスタンスで向き合っていて。それは今も変わらなくて、素敵だなと思います。

 

 

──川島さんは「津田さん」とは言いにくいと思うので、別の方でお願いします(笑)。

川島:『不滅』は尖ったキャスティングなので、おもしろい方が多いんですが、長く出演されている方ですとボンシェン役の子安(武人)さんですね。ボンは最初、はっちゃけた王様という感じだったのに、途中からシリアスになって。現世に来ても、「こういう風に捉えているのか」と思わされました。先生も「ボンシェンを素敵に演じてくださって、ありがとうございます」とおっしゃっていましたが、僕もアニメでボンシェンの解像度をより高める子安さんのスキルの高さに「すごいな! おもしろいな」と思いました。

──フシはいろいろなものを吸収しますが、「このキャストさんからこんな部分を吸収できたらいいな」と思う人はいますか?

川島:女性になったら楽器(声)も違ってくるし、捉え方や感性も変わってくるかもしれないので、女性声優さんの声でお芝居できたらいいですね。

津田:僕は基本的に声が低音なので、高音の声が欲しいです。今まで高い声のキャラクターをやったことがないので。もし高い声が出せるようになったら、また違った世界が見えそうな気がするので、体験してみたいです。

川島:それを言ったら津田さんの低音ボイスが欲しいです! 自分の中でどんな風に響いているのか気になるし、ぜひマスターしたいです。

 

 

──ここまで『不滅のあなたへ』という作品に関わってきて、改めて感じる魅力とは?

川島:情報量があふれるこの世の中で見落としがちなものがたくさんあるなと『不滅』は気付かせてくれました。先生がこの作品を通じて、大切な何かを提示してくださるたびに、立ち止まって向き合う時間を与えてくれて。しかも堅苦しい説教みたいなものではなく、対話するようなカジュアルさがあるから受け取りやすくて。

収録中にハッとする瞬間があったり、『不滅』に関わるようになって考え方やモノの見方が変わった部分もあります。Season3でも「何気ないように見える日常生活でも大切にしていこう」と考えられるようになったし、日々の向き合い方も変わった気がします。楽しみながら考えたり、気付きを与えてくれるところが魅力かなと思います。

津田:手塚治虫先生の名作『火の鳥』などを彷彿とさせる深い作品で、大ベテランになってたどり着くような境地に大今先生は若くしてたどり着いているんだなと思いましたし、この大きなテーマに取り組む覚悟もすごいなと思いました。

そしてそんな作品をよく「アニメにしよう」と思ったなという驚きと素晴らしいクオリティーのアニメを作っているスタッフの皆さんもすごいなと。今のアニメシーンの中でも大きな存在感と立ち位置を築き上げている最中だと思うし、そんな作品に参加できていることが役者としてもありがたいです。

──Season3の見どころのご紹介をお願いします。

川島:「現世編」が描かれるSeason3では、ノッカーの目的は「痛みの肩代わり」だと強く主張していますが、僕も今回、Season3を収録するまではノッカーの主張がいいんじゃないかと思っていました。「痛みの肩代わりをしてくれるなんて、何か悪いことがあるのかな? むしろいいことばかりじゃん」って。そんな一見耳触りがいいし、完璧に聞こえる主張に対して、フシたちはいろいろな人と関わり、接していく中で、自分たちなりの答えを導き出して、提示できるのかが見どころかなと思います。

津田:根本的な話ですが、まさか現代に来るとは思わなかったので、衝撃が大きくて。「いよいよ僕らの物語になってきたんだ!? 先生、すごいな」って(笑)。なので、Season3の最初の収録でも違和感がすごかったです。だって僕らが生きている時代にフシがいるんですよ!? 視聴者の皆さんと同じように僕自身も「現世編」への興味深さは格別でした。

 

 

──最後に、皆さんへメッセージをお願いします。

川島:まず『不滅のあなたへ Season3』を待ってくださった方、ありがとうございます。そして初めましての方には、『不滅』の原作第二章にあたるのがこの「現世編」なので、ここからご覧になっても楽しんでいただけますが、前世の積み重ね、アニメだと40話分の積み重ねがあるからこそ楽しめるところもあります。2021年から続く長い作品ならではだと思いますし、「このセリフはあのシーンに掛かっていたのか!?」という楽しみ方もできるので、Season1・2をご覧になっていない方は配信で視聴したり、原作コミックスなどを読んでいただけたら嬉しいです。

津田:この記事で初めて『不滅のあなたへ』を知ってくださった方は、Season3から観ていただけるのもありがたいです。でもフシが器を変え、いろいろなことを吸収していくように、おもしろさもどんどん加わっていく壮大な物語になっているので、Season1の第1話から観ていただく意味がある作品です。最初から観ていただければ。

そして原作ファンの方やアニメを最初からご覧になってくださっている皆さん、お待たせしました。放送までもうすぐです。それまでたっぷり復習してSeason3を観ていただければ、さらに増した重厚感を感じていただけると思います。あなたもこの壮大な物語の「観察者」になってください。

 

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