【横須賀市】横須賀市文化会館で開館60周年の特別企画 12月19、20日にトークイベントなど
地域の文化振興と交流拠点としての役割を担う横須賀市文化会館(深田台50)の開館60周年を記念した特別企画が12月19日(金)・20日(土)の2日間、同会館で開かれる。施設を設計した建築家と建物のデザインに焦点を当てたトークイベントを行うほか、市民から募った会館での思い出エピソードなどを展示する。これまでの歩みを市民とともに振り返る趣向だ。
開館は東京五輪開催翌年の1965年5月。戦後復興を経て、高度成長時代に突入すると市民の間で芸術文化に親しむ拠点を求める声が高まり、かつて旧日本軍の砲台や演習地だった深田台の高台の「文化ゾーン」に施設が建設された。前後して市自然・人文博物館(54年)と平和中央公園(70年)が整備されている。
同会館の設計を担当したのは建築家の松本陽一氏。当時の建築トレンドだった「ブルータリズム(打ち放しコンクリートの力強い表現)」の影響を受けた彫刻的なデザインであり、近代モダニズム建築として高い評価を得た。大ホールはコンサート、演劇、市民発表会、成人式など半世紀以上にわたり多目的に使用されてきた。国民的人気番組の「8時だョ!全員集合」の公開収録が行われたこともあった。中小ホールは、婚礼会場としても盛んに利用され、71年には結婚式場として1166件の利用があったという。
60周年記念イベントを企画した同館の岡田典一館長は、「時代時代の空気を感じるとともに過去と現在の繋がり、建物の建築的価値や文化が果たす役割を再認識する機会にしたい」と話している。両日に実施されるプログラムは以下の内容。
【マイコレクション2025】ジャンル横断の市民作家による合同作品展示会/19日・20日の午前10時から午後4時
【BUNKA思い出ギャラリー総集編〜文化がつむぐ60年の物語〜】市民に呼びかけて集めた文化会館の思い出エピソードを掲出。時代を共にした上町商店街の貴重な写真も展示/19日・20日の午前10時から午後4時
【タウンニュース「人物風土記」展】2006年創刊のタウンニュース横須賀版(現横須賀・三浦版)のコーナー「人物風土記」を最新号まで一挙公開。19日・20日の午前10時から午後4時
【記念対談〜文化会館建築茶話〜】文化会館の誕生秘話を設計や建築の視点で振り返る企画。建築史家の二村悟氏と川合健太氏が対談/20日午後1時から2時