パラ水泳田中選手に茅ヶ崎市が特別表彰 パリパラで2つの日本新記録
茅ヶ崎市は10月16日、同市東海岸南在住のパラ水泳選手で、今夏開催されたパリ・パラリンピックの日本代表、田中映伍選手(20・東洋大学2年生)に対し特別表彰を授与した。
田中選手は、パラリンピックの水泳競技(S5クラス)で4種目に出場。100m自由形で8位、50m背泳ぎで6位、混合4×50mメドレーリレーで7位、50mバタフライで5位と全種目で入賞。50m背泳ぎと50mバタフライでは自身が持つ日本記録を更新した。
今回の表彰は市特別表彰要綱に基づき行われたもので、市役所分庁舎6階コミュニティホールで式典が行われた。
冒頭、佐藤光市長が「強い意志で夢を目標に変える姿に感動した。この夢の続きをぜひ語ってほしい」と呼びかけると、田中選手は「技術的には事前に積んできたスタート練習の成果が出て、最初の15mのタイムが上がった。メンタル面では楽しむこと、自分がやってきたことを信じることに集中して、積み重ねてきたことを発揮できた」と振り返った。
ロスへ新たな挑戦も
「4年後のロスでは、世界記録と金メダルを目指したい」と力強く語った田中選手。一方でパリでは、メダリストとの差も痛感したという。
「タイムとしては数秒離されている。これを埋めていくには工夫が必要」として、今後はサーフィンやテコンドーなど別の競技をトレーニングに取り入れることも検討していると明かした。「まだまだ改良の余地があると思っている。新しい競技に取り組むことで身体の使い方なども見直したい」と話した。
家族も「誇らしい」
表彰式に同席した父・一郎さんと母・千香子さんは大会に合わせて渡仏し、現地で田中選手を応援した。
「満員の観客から歓声を浴びて泳ぐ姿を見て素直に感動した」と話す一郎さん。田中選手の歩みを振り返り「彼が生まれた時、一生家族のサポートが必要なのではないかと思った。それが1人でできることをどんどん増やし、そのたびに驚かされてきた。驚きが広がった先に、パラリンピックという新しい景色も見せてもらった。彼の日々の努力と成長を誇りに思う」と語った。