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新春取材 桂歌助さん 落語家40年、横浜と共に 港南区笹下在住

タウンニュース

高座での歌助さん=本人提供

今年、落語家生活40年を迎える港南区笹下在住の桂歌助さん。横浜出身の落語家、故・桂歌丸さんの弟子だ。師匠から受け継いだ古典落語を売りに1999年に真打昇進。寄席、独演会に落語教室の講師と幅広く文化振興に努める。

在学中に入門

新潟県十日町市の生まれ。教員を志し大学進学のため上京した。ところが、「面白い話ができれば将来授業の役に立つだろう」と寄席に通ううち、落語の世界に惹かれていく。気付けば落語家志望になり、在学中に歌丸さんの門を叩いた。

それまでは新小岩(東京都葛飾区)に住んでいたため、通い弟子となるべく歌丸さん宅近くの南区高砂町に転居。初めて横浜で暮らすことになる。「当時は黒い漆喰の家など、遊郭の面影が残っていました」と懐かしそうに語った。

歌丸さんからは「ほめる人は敵と思え、叱る人を味方と思え」と厳しく指導を受けた。また、落語の世界をイメージするために江戸の街並みや文化などが分かる岡本綺堂の時代小説「半七捕物帳」を勧められたのも思い出だ。

その後、27歳で二ツ目に昇進。同時に港南台へ移り住んだ。そこから、一時期を除き、港南区に住み続けている。

南台小学校のPTA会長や少年補導員、横浜港南ライオンズクラブなど、地域活動にも積極的に参加。「外国人観光客も少なく、静かで住むにはよい地域」と気に入っているという。

地域史を探求

落語家であれば歴史探求も仕事の一つ。「港南区は武蔵と相模の国境が区内にある珍しい場所」と解説する。歌助さんによると、国名は雨が流れる場所によって決まったのだという。「武蔵は江戸湾(東京湾)に、相模は相模湾に流れる地域。大岡川が江戸湾に流れるのに対し、平戸永谷川は柏尾川から、相模湾へと向かう。港南区は両国にまたがる」と嬉々として語る。

また、秋に宿場に関するイベントに参加する予定で、戸塚にも関心を示す。1999年に東海道を歩いたことをきっかけに宿場に興味を持ち、歌川広重の浮世絵「東海道五十三次戸塚」から落語「戸塚宿」を創作した。「吉田大橋(戸塚区)が描かれ、『左りかまくら道』の道標が見える。栄区を通り鎌倉へ続く道だ。描かれている女性は駆け込み寺の北鎌倉・東慶寺を目指しているのではないかと想像した」と熱弁。しばらく演じてないというが「今年は機会があれば」と意気込んだ。

最後になぞかけを披露してもらった。「巳年」とかけて、「ポテト」と解く。その心は「じゃがいいもん(蛇が良いもん)」。

取材時の歌助さん(戸塚駅で撮影)

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