【川崎市】市内2病院 小児病棟から万博参加 俳優も支援しアート制作
大阪・関西万博会場と全国各地の小児病棟などをオンラインでつなぐアートイベント「KIDSARTWORKSHOP-ゴチャ・ゾウ」が8月8日に開かれた。会場に足を運べない子どもたちにも万博の楽しさを感じてもらうのが目的。川崎市内からは日本医科大学武蔵小杉病院(中原区)、総合川崎臨港病院(川崎区中島)の小児病棟で生活する子どもたちが参加。木材とタイルを使ったアート作品を作り、万博や他会場の参加者と出来栄えを共有して楽しんだ。
「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催されている大阪・関西万博。同イベントはこのテーマに沿いながら、難病などで長期間の入院している子にも万博を楽しんでもらうために開催された。当日は市内2病院のほか岡山大学病院、長野県立こども病院などの子どももZoomを通して万博とつながり、木材とタイルで制作した作品を見せ合い楽しんだ。
大人も驚く想像力
日本医科大学武蔵小杉病院では、年長から高校1年までの6人が参加。俳優の北乃きいさんや同病院の関係者と共に、アート作品を制作した。最初は緊張気味だったが、大人たちの積極的な声掛けによって徐々に打ち解け、笑顔をみせた。中には万博の公式キャラクター・ミャクミャクを木材に直接マジックで描いたり、タイルと木材を組み合わせてゲーム機のニンテンドー・スイッチを模して作ったりする子もいて北乃さんらが驚く一幕も。制作が終わると、子どもたちは細長い木材を使った作品に「木のタワー」、カラフルなタイルを散りばめた作品に「色の王国」など思い思いの名前を付け、Zoomを通して紹介した。
また他会場には俳優の伊原六花さん(万博会場)、鈴鹿央士さん(岡山大学病院)などが参加し、制作をサポート。北乃さんは「プライベートでもボランティアで同じようなことをした経験がある。明るい子が多くて、逆にパワーをもらった」と感想を語った。
同イベントは万博のテーマ事業プロデューサー・中島さち子氏が手掛けるイベント「世界遊び・学びサミット」の一つで、認定NPO法人キッズアートプロジェクト(渡邊嘉行理事長/川崎区中島)が協力。同法人はこれまで、粘土でクリスマス作品を作るオンライン教室などを実施して、入院中の子どもたちを勇気づけてきた。渡邊氏によると、作品の色や形から子どもの心理状況を読み取り、入院生活へのヒントを得られるという。今回は総合川崎臨港病院でも理事長を務めている渡邊氏を通じて、全国各地の小児病棟などをつないで開催されることとなった。渡邊氏は「今後は海外の小児病棟ともつながるイベントにできれば」と展望を話した。