乳牛になれなかった「まめちゃん」が目指す酪農以外で命を全うする生き方とは
バナナが大好物の、メスの子牛。名前は「まめちゃん」です。
元気に走り回るまめちゃんには、ある「事情」があります…。
まめちゃんをなでる関口晴実さん。その事情を教えてくれました。
まめちゃんはフリーマーチンといって、メスだけど妊娠できない体で生まれてしまって」
フリーマーチンとは、オスとメスの双子で生まれ、90%以上の確率で妊娠できず、乳牛になれないメス牛のことです。
さらに、まめちゃんは体も小さく、食肉としても買い手がつきませんでした。
江別市の乳業メーカーの農場で働いている関口晴実さんは、これまで命の厳しい現実も目の当たりにしてきました。
「目の前で安楽死という形で一生を終える姿を見て心を痛めたというのがあって。畜産をやる側としては割り切らなければいけないところなのだけど…」
けがをしたり足をいためたり…
「酪農のサイクル」から外れた牛は淘汰されていく…。
もちろん、牛乳が出せない牛「まめちゃん」も。
そんななか関口さんは、ある決断をします。
「新しく畜産ではない形で、活躍できるところを見るのが楽しみ」
酪農とは別の生き方で、命を全うする牛たちの終の住処。
ここで始まる、日本では珍しい、新たな挑戦とは?
▼牛乳を出せない牛“まめちゃん”の新たな生き方「牛たちのかくれ家」が目指すもの
文:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は取材時(2023年10月)の情報に基づきます。