棚田の米農家が直営! 炊きたて・握りたての極ウマおにぎり【NOROSHI FARM おにぎーり】魚津で味わう里山の恵み 具まで手作り
「新米」の文字がスーパーマーケットや飲食店に並び始めました。
この1、2年、米の価格高騰に悩まされ続けてきましたが、それでも新米を目の前にするとついつい手が伸びてしまいますよね。ことしの夏は酷暑に水不足と米のできばえが心配されていましたが、炊きたての新米のごはんは格別です。
炊きあがったばかりの新米は一粒ひと粒がふっくらと輝き、もっちりとした粘りと食感、みずみずしい香りが口いっぱいに広がります。ふだんの何気ない食卓が、新米があるだけでごちそうのように感じられるのもこの時期ならではのよろこびです。
そんな炊きたての新米を手作りのおかずと握ったおにぎりで食べられる、米農家の直営店を紹介します。
魚津の棚田で育てた米を農家がおにぎりに
店を経営しているのは、富山県魚津市の山あい、松倉地区の棚田で米を生産している農家「のろしファーム」。山に囲まれて水が豊かな土壌で、できるだけ農薬を使わずに寒暖差などの地の理を生かした米作りに励んでいます。
生産するのは、主力品種のコシヒカリのほか、富山のブランド米「富富富」や粘りが強く水分量が多い「ミルキークイーン」など、7品種。
コンバインなどの大きな農機が入れない場所は手作業で稲刈りをするなど、棚田ならではの大変さはありますが、その分、大切に手間暇をかけて育てられた自慢の米です。
炊きたてごはんを注文が入ってから 握りたてのおにぎり
「のろしファーム」が大切に育てた米でおにぎりの直営店を始めたのは2023年から。
その名も「おにぎーり」。
農業を通じて里山の魅力を発信し、作っている人の顔や背景を食べる人にも届けることで、この先何十年も米づくりや里山の景色を残していきたいという想いで6次産業に取り組んでいます。
直営店で販売しているおにぎりは、すべて注文が入ってから握ります。
土鍋でふっくらと炊きあがったごはんは見ているだけで幸せに。そのホカホカのごはんが目の前で握られていきます。
おにぎり用に使う米は、胚芽を残した「8分づき」のもの。白米のような食べやすさがありながら、玄米の持つビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養価を多く残した米です。
「いつものごはんをちょっと健康に」
そんな店の想いが込められているんだとか。
具も手作り 里山のめぐみを手間暇かけて
「おにぎーり」がこだわるのは、米だけではありません。
梅やしゃけなどの具も、一つひとつ手作りしています。
梅は地元でとれたものをファームで漬けた、自家製のもの。梅を漬けるときに使った梅酢はおにぎりの隠し味にも使っています。
しゃけも、ひと手間加えています。自家製の塩麹に漬け込むことで、うまみをぐんと引き出しています。
おにぎりだけじゃない! 広めたいのは地元のおいしいもの
のろしファームの直営店で売られているのはおにぎりだけではありません。
「こにぎりセット」は3種類の小さめのおにぎりと、それに合うおかずが入っています。
こちらのおかずも、もちろんすべて手作り。卵焼きや山菜、野菜の煮物など、地元の食材をたっぷり詰め込んでていねいでやさしい味に仕上げています。
卵焼きには、ちょっぴり野菜も入っています。
「少しでもたくさん野菜をとってほしい」という店の心遣いです。
食べることをきっかけに 地域と人との橋渡し
米の生産にも、その加工にも手間暇を惜しまない「のろしファーム」。
「おにぎーり」のほかにも、自社精米の米粉を使ったおやきを「ミスターおやき」として販売するほか、米そのものの直売も行っています。
後継者不足や気候の急激な変化など、さまざまな課題を抱える現代日本の農業。
松倉地域の美しい里山、その棚田での米作りをいつまでも持続可能なものにするため、米やおにぎりを通じて、まずは松倉地域を知ってもらいたいと強い想いを掲げます。
米を通じて地域を元気に、人を笑顔に。
地域と人のつながりによる循環を目指して、「のろしファーム」はその挑戦を続けています。
【NOROSHI FARM おにぎーり】
住所 富山県魚津市観音堂1712
営業時間 9:00~14:00
定休日 木・金曜