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水の恵みを肌で感じる「渓谷×山歩」で最高の絶景と癒しをチャージ！

山歩（さんぽ）とは、街中から少し足を伸ばすだけで出会える自然を、無理せず自分のペースで歩きながら楽しむこと。長距離の大旅行ではなく、思い立ったらすぐに出かけることができるプチトリップ。手持ちの歩きやすい服装と履き慣れた滑りにくい靴があれば準備OKです。

清流がもたらす最高の癒し（あっこさんの活動日記より）

豊かな日本の森林に育まれた清流を間近で感じる渓谷は、山歩にぴったりの場所。苔むした岩や神秘的な色の水をたたえた瀬・淵・滝などが織りなす非日常の空間は、夏には涼をもたらし、秋には周囲の木々が鮮やかに色づいて目を楽しませてくれます。

今回の山歩道選定の目安は以下の通りです。

・歩行時間：3時間以内
・歩行距離：5km以内
・上り累積標高差：400m以下

これは、ハイキング初心者でも無理なく気軽に歩ける数値。これから山や自然の中で遊びたいと思っている人にもぴったりです！

※一部、上記目安を超えるコースもあります。
※自然災害の発生などにより、現地の登山道や遊歩道、交通機関が通行止めになる場合もあります。お出かけ前に現地の最新情報を確認するようにしましょう。

【大滝ナイアガラの滝】広い岩盤を滑り落ちる壮大なスケール｜北海道・伊達

スケール感が他とは一線を画す、大滝ナイアガラの滝（Kiyoさんの活動日記より）

幅80mの広大な岩肌は川底が緑色に見えることも！？

長流（おさる）川の支流が本流に流れ込む場所にある「大滝ナイアガラの滝」。落差は3mほどですが、幅が80mという広大なスケールを誇ります。

世界三大瀑布の一つで、米国とカナダにまたがる本場のナイアガラの滝を彷彿させることから、地元の人が “プチナイアガラ” などと呼び始め、近年は大滝ナイアガラの滝として親しまれています。

秋の大滝ナイアガラの滝。紅葉に水の色が映える（チャチャさんの活動日記より）

川床の岩盤は太古に海底火山の噴火で誕生した緑色凝灰岩で、日光があたる角度によっては川底が緑色に見えることも。周辺には、ウッドチップが敷き詰められた歩きやすい山歩道が整備されています。

北海道でも有数！？桁違いのマイナスイオン浴

おびただしい量のマイナスイオンが発生（Kiyoさんの活動日記より）

滝の正面には「マイナスイオンシャワーポイント」の看板が設置されています。この説明によると、2006年6月に測定した際には、70000個/cc（㎤）ものマイナスイオンを測定したとのこと。

日常の生活空間では100〜200個/㎤であることを考えると、これは驚くべき数値。絶景を鑑賞しながら、疲労感の軽減や自律神経の調整など、健康にも良い名瀑です。

コースの歩行時間・歩行距離・アクセス

・歩行時間：2時間5分
・歩行距離：5.9km
・上り：132m
・アクセス
車で：道央道・白老インターチェンジから大滝ナイアガラの滝駐車場まで約30分
・コースを詳しく見る

【奥入瀬渓流】十和田八幡平国立公園を代表するたおやかな清流｜青森・十和田

美しい森を流れる奥入瀬渓流（わたるさんの活動日記より）

変化に富んだ水風景を堪能できる歩きやすい山歩道

十和田湖・子ノ口（ねのくち）を源流に焼山までの約14kmにわたって続く奥入瀬渓流。東北のみならず、日本を代表する絶景を誇り、国の特別名勝・天然記念物にも指定されている渓谷です。

渓流に沿って歩きやすい山歩道が整備されており、車道も並行しています。そのため、子ノ口から焼山まで渓流沿いには、徒歩間隔でバス停があり、体力や時間にあわせて好きな区間を歩くことが可能です。

秋、紅葉の森をたおやかに流れる奥入瀬渓流（ゆあさんの活動日記より）

今回は奥入瀬渓流の上流約半分をめぐる、初心者でも歩きやすい下りメインのルートを紹介します。

個性豊かな数々の滝はハイライトの連続！

階段状の岩肌を流れ落ちる九段の滝（himaさんの活動日記より）

優しくたおやかな水の流れのアクセントになっているのが、ルート上に点在する滝。豪快な水しぶきを上げる銚子大滝をはじめ、両岸の支流から双白髪の滝・不老の滝・白糸の滝・白絹の滝・白布の滝などが流れこんでいます。
山歩のゴールは雲井の滝。落差25mほどで2段にわたって流れ落ち、特に迫力がある滝で、一見の価値があります。

コースの歩行時間・歩行距離・アクセス

・歩行時間：2時間10分
・歩行距離：5.1km
・上り：100m
・アクセス
バスで：
往路・JR八戸駅からジェイアールバス東北で子ノ口バス停まで約2時間
復路・雲井の滝バス停からジェイアールバス東北でJR八戸駅まで約2時間
車で：東北道・十和田インターチェンジから子ノ口駐車場まで約1時間
ゴールの雲井の滝バス停からジェイアールバス東北で子ノ口バス停へ移動
・コースを詳しく見る

【抱返り渓谷】澄みわたる青さに息を呑む絶景｜秋田・仙北

青く澄んだ水が流れる抱返り渓谷（ぴーたりんこさんの活動日記より）

神秘的な青い水は透明度も抜群。渓谷沿いの山歩道

抱返り渓谷は、人がすれ違う際、お互いに抱きかかえるように返さなければ通行できなかったという険しい地形に由来しています。
コバルトブルーの水は透明度も高く、水深が浅い場所では白い川床までが透けて見え、水面の濃淡だけを見ていても飽きることがありません。

秋には青く澄んだ水と紅葉の見事な調和が楽しめる（NATUKOさんの活動日記より）

渓谷の左岸に山歩道が整備され、吊橋やトンネルを通って散策できます。点在する奇岩や急流の両岸にそびえる断崖は、春には新緑、秋には紅葉に彩られ、青い水とのコントラストが印象的です。

帰るのが名残惜しくなる名瀑

回顧の滝（なかさんの活動日記より）

山歩道の折り返し地点にあるのが回顧（みかえり）の滝です。岩壁をくり抜いたトンネルをくぐると突如として現れる落差約30mの水簾は、迫力とともにどこか優美な風情も感じさせる名瀑。その名の通り何度も振り返って見たくなる、立ち去るのが名残惜しい絶景です。

コースの歩行時間・歩行距離・アクセス

・歩行時間：1時間10分
・歩行距離：3.2km
・上り：109m
・アクセス
車で：秋田道・大曲インターチェンジから抱返り第一駐車場まで約50分
・コースを詳しく見る

【鳴子峡】深さ100mの大峡谷が織りなす絶景｜宮城・大崎

切り立った断崖を縫うように流れる清流（なみだうさこさんの活動日記より）

歩きやすい道標が整備された宮城オルレ 大崎・鳴子温泉コース

北上川の上流・大谷（おおや）川によって刻まれた深さ約100mにもおよぶ渓谷が続く鳴子峡。おすすめの山歩道である大深沢遊歩道は、大半が宮城オルレ 大崎・鳴子温泉コースとして整備されています。

「オルレ」は、韓国・済州島発祥のハイキングコースの代名詞。馬をモチーフとした赤と青の道標やリボンを目印とした、歩きやすい道です。

赤黄に染まった断崖の様子もまた美しい（nakamura001さんの活動日記より）

近くには美人の湯・美肌の湯として知られる「中山平温泉」があり、山歩でかいた心地よい汗を流すのもおすすめのスポットです。

鉄道ファンならずとも必見の絶景スポットも！

鳴子橋に架かる鉄道橋（Hiroyukiさんの活動日記より）

さまざまなアングルからの絶景を楽しめるのも、鳴子峡の魅力です。鳴子峡レストハウスから回顧橋まで下れば、水面近くから清流を見ることができます。

逆に国道47号線沿いの大深沢橋からは、高い位置から峡谷を一望。ここからはJR陸羽東線・鳴子温泉駅〜中山平温泉駅間の鉄道橋も望めます。

コースの歩行時間・歩行距離・アクセス

・歩行時間：1時間40分
・歩行距離：3.5km
・上り：261m
・アクセス
車で：東北道古川インターチェンジから鳴子峡中山平側第1駐車場まで約40分
・コースを詳しく見る

【鬼首地獄谷遊歩道】随所から立ち上る蒸気に地球の息吹を感じる｜宮城・大崎

随所から立ち上る水蒸気（いっちょんさんの活動日記より）

鬼首温泉郷の源泉から噴出する間欠泉や水蒸気を間近で鑑賞

火山特有のカルデラ地形の中央火口丘・荒雄岳（984m）山麓からは多くの温泉が湧出しており、鬼首（おにこうべ）温泉郷が代表的な存在。

源泉のひとつである吹上温泉は、数分おきに地中から熱湯が吹き上がる間欠泉で有名なスポットです。

紅葉と温泉をダブルで楽しめるので、秋のお出かけスポットとしてもおすすめ（Ruさんの活動日記より）

上流の吹上沢に沿った山歩道は「地獄谷遊歩道」と呼ばれ、歩道脇の十数ヶ所から温泉が噴出しています。地中から勢いよく立ち上る水蒸気は迫力満点。温泉の温度が約80度と高温なので、近づきすぎないように注意しましょう。

山歩の後はやっぱり温泉！地球の恵みを身体で満喫

滝壺に温泉が流れこむ天然の露天風呂（サカさんの活動日記より）

山歩で温泉のパワーを感じた後は、やはり自分でも浸かってみたいものですよね。鬼首温泉周辺には、日帰り入浴施設も充実しています。
吹上温泉・峯雲閣は滝壺に温泉が流れ込む天然の露天風呂が名物。野趣あふれる秘湯で、地球がもたらす恵みを全身で満喫しましょう。

コースの歩行時間・歩行距離・アクセス

・歩行時間：20分
・歩行距離：653m
・上り：35m
・アクセス
車で：東北道古川インターチェンジから地獄谷遊歩道駐車場まで約50分
・コースを詳しく見る

「渓谷×山歩」で癒しと絶景を両どりしよう

渓谷沿いの山歩は、癒やしのひととき（なかさんの活動日記より）

生命の源でもある“水”を身近に感じることができる渓谷は、癒しにもリフレッシュにもぴったりの山歩スポット。マイナスイオン豊富な清流と木々が放つ芳香は、日々の仕事や生活の疲れまで洗い浄めてくれることでしょう。さあ、渓流×山歩に出かけましょう。

トップ画像：よっちさんの活動日記より
執筆・編集協力：鷲尾 太輔