戸塚区出身・榊優美枝さん 「存在感のある表現者に」 東京バレエ団で主役デビュー
60年の歴史を誇る国内有数のバレエ団「東京バレエ団」で今春、東京文化会館での「白鳥の湖」で初主演をつかんだ戸塚区出身の榊優美枝さん。10月には同じく東京文化会館で歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」をもとにした作品「ザ・カブキ」でも主要キャストの顔世御前を演じる。榊さんは「どんな役でも自分で向き合って大切にしたい。存在や佇まいも魅力的な表現者になれたら」と語る。
「アトリエ」に通った日々
矢部小、戸塚中出身の榊さん。4歳の頃に自宅近くのバレエ教室に通い始め、「当時はバレエ自体というより、ただ友達と過ごすのが楽しかった」と笑顔で振り返る。中学進学を前に、より本格的にバレエと向き合いたいと、港南区港南台の「木村公香アトリエ・ドゥ・バレエ」の門をたたいた。
当初は「友達とも離れてしまい、怖いなって時期もあった」との思いも。「でも、低学年のクラスで教わることになったのが悔しくて、基礎の基礎から教えてもらい、必死に練習しました」
ケガに苦しんだ時期も
そんな努力の日々もあり、高校卒業時には念願だった「東京バレエ団」の団員に。「先輩も多い憧れのバレエ団。まさか本当に受かるとは、って信じがたい思いでした」
ただ、その後の道のりも順風満帆ではなく、ケガとリハビリを何度も乗り越えてきた。そうしてようやくつかんだ初の主演がバレエの代名詞ともいえる「白鳥の湖」だった。「あまりに大きな役で信じられなかった。だからこそ絶対に良いものにしたくて必死だった」
迎えた本番では自分が思っていたよりも高い評価を受けたという。「今となれば、できるだけの準備はできたということだったのかもしれない」
刺激を受けながら
7月には世界の名だたるダンサーとの共演も果たした榊さん。「トップレベルでも突き詰めて練習しているのを間近に見られたのは良い経験」と目を輝かせる。
最近は日本舞踊を習い始めたほか、休日はバレエを離れてアニメで気分転換も。「声だけで演じるのって興味深い。私は身体で表現するので」
榊さん出演の「ザ・カブキ」は東京文化会館で10月13日(日)公演予定。詳細は下記二次元コードから。