第1回「四川と湖南と雲南の辛さを食べ比べする食事会」お楽しみレポート
この食事会のタイトルを目にして、皆さんはどう感じたでしょうか。
「どんな料理が出るの?」「どれだけ辛い料理?」「全種類、制覇できる??」
一体どれほどの辛さなのか、気になりますよね。期待と不安が入り混じり、でも辛さの違いを思い切り食べ比べてみたい!
そんな気持ちを胸に秘めた猛者の方々が、この日は大集結しました。会場は高田馬場駅からほど近い「拾味(SHIWEI)」です。高田馬場は、池袋や上野に続いてガチ中華の激戦区として、注目されています。
色鮮やかな中国の唐辛子や山椒、この日はふんだんに使われました。
拾味は、さかえ通りに位置するビルの2階にあります。
劉さんと牟さんによるコラボ企画
拾味オーナーの劉振軒さんは、30代にして10店舗を経営するガチ中華の第3世代。この日の企画はその劉さんと、ガチ中華第2世代の中心人物として活躍するムーさんこと、牟明輝さんによるものでした。
仲良しでありながら、時にライバルとして切磋琢磨するお二人。「中国料理の本物の辛さを日本の方々にも味わって欲しい」という心意気が、ガツンと感じられました。
この日の特別メニューです。
メニューの青字が湖南料理、赤字が四川料理、緑字が雲南料理です。どれ程の辛さで提供されるのか、とにかく実食してみないとわかりません。
いざ!四川と湖南と雲南の辛さを食べ比べ
活気ある厨房ではスピーディーに準備が進み、前菜から運ばれていきます。
四川と湖南と雲南の辛さ食べ比べ会、ついにスタート!
捞汁海鮮 海鮮ミックス旨辛ソース漬け(四川料理)
まずは、プリプリの海鮮。いきなり、青唐辛子と赤唐辛子のダブル唐辛子で洗礼を受けます。口に入れた瞬間、あちこちの席で「おおお~!」「辛い~!」と、どよめきが起きました。しょっぱなからこの辛さ、どうなってしまうのでしょうか?!
手撕柠檬鸡 雲南風レモンチキン(雲南料理)
次は、ほぐした鶏肉、そして香菜、赤たまねぎ、レモン、唐辛子で和えたサラダ感覚の一品。ピリッときますが、さわやかな辛さと酸味で、食欲が増してきます。雲南料理ながら、魚醤を使うベトナムやタイの料理も連想させました。
老醋花生 揚げナッツの黒酢和え(四川料理)
辛味は控えめ、黒酢がよく利いていて、ビールのおつまみにピッタリでした。少しゆっくり飲みながら、次なる辛さへ向けて、体制を整え直します。よし!次へ!
果てしなく続く辛さの極み
鲜椒茄子 焼きナスの麻辣和え(四川料理)
シンプルなナス料理に乗せられた、大量の青唐辛子軍団が到着。青唐辛子が大好きな私ですが、噛んだ瞬間、思わずのけぞりました。辛さに驚く声があちこちから聞こえてくる度、すごい会にきてしまったな~、と隣席の方と笑い合います。
恐る恐る食べては数秒間かまえ、次の瞬間に天井を見上げる、という辛さを体感する状態で(からいのか、つらいのか、笑)食べ比べ会は、容赦なく進んでいきます。
擂辣椒皮蛋 青唐辛子ピータン和え(湖南料理)
今回の会でいちばん辛かった料理は、ズバリこちらだと思います!
参加した方々数名にも感想を聞いてみたところ、皆さん同様の答えでした。すり鉢のような器に素材を入れ、木の棒で叩いていく様子は、タイ料理のソムタムなどを作る感じと似ています。ピータンと青唐辛子なので、ピータンの味を想像しながら口へ運ぶも、口に入れた瞬間、火が出そうなくらいの辛さがやってきました。
青唐辛子を叩いたことで、さらに辛さが爆発しているようなイメージでしょうか。いま思い出しただけでも、あの辛さが蘇ってきます。でもまた食べたい!と思ってしまう中毒性。恐るべし湖南料理、のひとつとしてご紹介しておきましょう。
中国本場の辛さで提供!
劉さん、牟さん、TDC中村代表
今回の料理はどれも中国本場の辛さで提供されているとのことで、どうりで辛いわけです。辛さ食べ比べ会の盛り上がりに、劉さん、牟さん、中村代表も笑顔がはじけていました。
皆さんの話を聞きながら、しびれた舌をちょっとリセット。後半の料理へ移ります。
薄荷牛肉 牛肉のミント風味スライス(雲南料理)
目にも鮮やかなミントの葉が使われ、タイ料理のラープ(牛肉のサラダ)にも似た味わいでした。数種の唐辛子ソースをまとった牛肉は肉肉しいですが、ミントが爽やかに口の中を駆け抜けていきます。辛さとミント、雲南料理もまた奥深いと実感した一品です。
山珍汽锅鸡
雲南名物各種キノコの チキン蒸気スープ(雲南料理)
激辛料理の中において、オアシスの泉となったスープ。香り豊かな蒸気スープは、5時間かけて鶏肉、生姜、クコの実や棗などのさまざまな漢方食材から栄養を抽出させた、とても贅沢な薬膳スープです。
具沢山で贅沢なスープは、牟さんのお店の代表料理。
剁椒鱼头 湖南風発酵唐辛子 魚の頭蒸し(湖南料理)
発酵唐辛子がたっぷりとかけられた、魚の蒸し料理です。辛さだけでなく、発酵した唐辛子の酸味がとても良い具合で、ふわふわの魚の身を上手に引き立てていました。湖南省のように海のない地域では川魚がよく使われますが、この日は中国から輸入した淡水魚のハクレン(花鲢)だそうで、とても食べやすかったです。
魚団子の中身は、意外にも豚肉でした。好吃!
火爆黄喉 牛ハツモト強火激辛 炒め(四川料理)
怒涛の辛い料理の数々、次は赤唐辛子が攻めてきます。四川の辛さに酔いしれながら、コリコリ食感の牛ハツモトと木耳、シャキシャキのセロリ、交互にくる食感を楽しみます。辛いけれど後をひく醤油ベースの味付けには、ごはんをコール!
ガチ中華へ行くと必ずごはんを注文しますが、今回は特にホルモンや、発酵唐辛子をまとった魚とごはんの相性がバツグンで、「勝手に乗せて勝手丼」を満喫しました。もう、本当にたまりません!
青椒香干 自家製押し豆腐と青唐辛子炒め(湖南料理)
押し豆腐とオール唐辛子軍団の登場。ヒーヒーいいながら、食べ進めていきます。ピーマンと見間違えるような大ぶりの唐辛子はしっかりと炒められていて、辛い!→楽しい→汗ふきながら食べる、というローテーション。写真を見ているだけでも香りを思い出し、汗が出てきてしまいそうですが、湖南料理の辛さがダイレクトに響いた一品でした。
干锅秋葵
オクラとマコモダケの 醤油風味干鍋炒め(四川料理)
唐辛子が潜んでいたはずなのですが、オクラとマコモダケの甘さ、醤油の風味に助けられた一品です。野菜の甘みは、辛さでしびれた脳に安らぎを与えてくれました。
料理人の皆さんへ大きな拍手!
両店舗の料理人皆さんへ大きな拍手が送られました。
左から 張永富さん(雲南料理担当)、劉超さん(四川料理担当)、李澤紅さん(湖南料理担当)、味坊集団の社長での重慶出身の林強さんも登場~!
この日はお手伝い兼参加者とのことでしたが、「辛い料理には白酒が合いますよ~!」と白酒王子こと林さん大サービスの白酒タイムで、会場は大いに盛り上がりました。味坊以外でもこのシーンが見られるのは、林さんのホスピタリティの高さと、ガチ中華好きな皆さんの気持ちが重なった時。拾味でも、全員の心があたたかくなる瞬間を体験できました。
「牟さんの蒸鍋館」の看板メニュー三種で〆
老奶洋芋 雲南マッシュポテト(雲南料理)
牟さんのお店の名物、炒めポテサラで辛さからの逃避。ピリ辛のポテサラなのですが、ポテトの甘味とやわらかな食感のせいか、この日はどの料理よりもマイルドに感じました。
酸汤牛肉 発酵トマトの酸辣牛肉煮込み(雲南料理)
独特の風味で、発酵トマトがベトナム料理のような香りを感じさせました。唐辛子の辛さもありますが、発酵の妙と牛肉の旨味を味わった一品です。
烧椒米线 (雲南料理)
焼き唐辛子と焼きトマトと焼き豚のミックス混ぜライスヌードル
〆の麺にまで辛さはしっかりと襲ってきましたが、すべてを混ぜて食べた時の辛味、酸味、肉の旨味、調和が最高でした。
お腹いっぱいなのに、後を引く味で完食。
辛さにについてちょっと語ります
旅情中国(https://www.chinaviki.com/)より地図をお借りしました。
四川省、湖南省、雲南省は地図で見るとこのような位置で、四川と雲南は隣接しています。
今回の食べ比べによって、広大な中国では、一部の地域だけでも辛さに歴然とした違いがあるように感じました。四川料理は香り高く、湖南料理はダイレクトに届き、雲南料理は中国の味に加えて異国の香りを漂わせている辛さ、という印象です。
そして、劉さん、牟さんどちらかのお店だけで食べた時にはわからない味覚を味わえたのが、醍醐味だったと思います。
私自身、辛さ遍歴はかなりあるほうなのですが、激辛好きというより、辛さの向こう側にある特有の香りに出会いたい、という気持ちで食べている気がします。在韓生活が長かったので、韓国料理の辛さにも慣れ親しんでいますが、中国料理の辛さとは、別物です。
ほんの数年前まで、韓国では麻辣(しびれ)の辛さは、一般的にほとんど受け入れられていませんでした。中国からの留学生が増え、本場の中国料理が身近になったことなどから、中華街の存在感が増し、街中にガチ中華店が増えました。今では日本と同じように、火鍋や麻辣湯ブームが起きています。
また別の機会に触れたいと思いますが、中国と韓国の辛さを例にとっただけでも多岐にわたり、辛さは壮大なテーマだと改めて感じた会でした。
次回も劉牟コラボ宴会にご注目ください!
今回、参加された60名を超える皆さんは、どの料理が気に入ったでしょうか。また、激辛具合はいかがでしたか。
なんともおトクな辛さ食べ比べ会だったと思います。大好評だったコラボ宴会は、今後も劉さんと牟さんのお店で、交互に行われるとのこと。二店舗の味を同時に味わえるコラボ宴会、かなりオススメです!
次回は12月4日(木)19時から、今度は池袋の「ムーさんの蒸鍋館」で開催されます。これが当日供されるメニューです。
日時2025.12.4(木)19時より会費7000円場所ムーさんの蒸鍋館(豊島区西池袋1-28-1 第二西池ビル6F)
03-6687-2011
090-6537-7233
お申し込みはこちらのフォームに必要事項を記入してください。
https://lifeescort-mail.com/p/r/7gjXPF6A
(堀田ナホ)
店舗情報
拾味
新宿区高田馬場3-2-15
RESTA takadanobaba 2F
03-6690-7978