パートタイムドライバー? 課題や期待とは
コロナ禍以降、テレワークが普及するなど、働き方も以前より更に多様化してきていますが、タクシードライバーの働き方も変わってきました。去年から始動した「ゴー・クルー」と言う 取り組み。どんなものなのか詳しいお話しをGO株式会社GO Crewビジネス部 落坂 秀樹さんのお話しです。
GO Crewとは?
GO Crewビジネス部 落坂 秀樹さん
「ゴー・クルー」というものなんですけれども、アプリ専用車に2種免許取得済みのパートタイムドライバーが乗務する仕組みを指しております。ハイヤータクシー業界における新たな人材獲得、そして供給力向上対策の取り組みとなっております。アプリの注文がメインになっていて、行き先が指定されているもの、要はお客様がどこに行くよっていうところが迎えに行った時点でわかると、ナビが起動して事前に入れていただいた下ろす場所にお客様を届けていくっていうものと、降りる際にはもう既にオンライン決済が済んでいる状態になりますので、業務が簡素化されて誰でも乗務がしやすくなっているというハードルを下げているというところが、未経験の方でも乗務がしやすいという点になるかなと思っております。Eラーニング化も一部進めておりまして、乗務員さんに事前にですね、オンラインで研修を受けていただいたりとかそこで効果測定をするみたいな取り組みをし、またさらに安心して乗れるというような状況を今作っているという形です。
社員ではなく、また隔日勤務を撤廃した、アルバイト、パートタイムドライバー、
しかもアプリの注文をうけるアプリドライバーとも呼べる仕組み。また、ライドシェアなどが出てくる前からの取り組みで、こちらは「人を乗せて運び、運賃をもらう」旅客運送の為に必要な「普通二種免許」を持った人のみ雇用しているのが大きな違いです。
事業者によって異なりますが、週2や週3くらいの頻度で、空いている時間にドライバーとして働くことが出来るので、主婦の方や、リタイアしたご高齢の元ドライバーさん、またはバイトがしたい若い世代など、今までの「正社員として」と言うハードルを下げた形で人員獲得に乗り出した。
また、このプロジェクトを始動する前、乗務員不足の背景をリサーチした際に、「難しそう」という声も多かったことから、アプリの注文、事前決済のもののみ、という業務を簡素化することによって、タクシードライバーって僕・私じゃ出来なさそう・・・と言うイメージを覆した。
ただ、撤廃したのは隔日勤務だけではなく「歩合制度」も撤廃した今回の取り組み。それに対して、現役、社員のタクシードライバー達からは心配の声もあがっていました。30代のタクシードライバーの方のお話しです。
時給は心配・・・?
30代のタクシードライバーさん
カート 結構ある話で、タクシー運転手がわざと遠回りして、お金を余計に取っていっちゃったみたいな話があると思うんですけど、99%の運転手はそんなことは意図してないと思うんですよね。なぜかというと僕たち歩合なので余計に1キロ遠回りして4、500円多く取るよりはもう、お客様をお乗せした瞬間1分1秒でも的確に早くお届けする。そして次の仕事までのいわゆる空車の時間を減らして、また次の仕事をこなしていくっていうこれの連続のお仕事なので、やっぱり時給だと、その意識があまり生まれづらいと思うんで、そこの意識改革っていうのは必要だと思いますね。(45秒)
今回ドライバー歴6年の中堅ドライバーの方にお話しを伺いました。歩合の場合は、数をこなした方がドライバーにメリットがあるので、巷で言われているような「遠回り」をするよりも、いかに、安全かつ最短ルートで届けるかがカギ。
時給だと、その意識を持つことは大変なのではないのか、その辺りお客様にとって、どうなのか?と言う疑問が残るとのこと。
と言う事でその辺りの疑問について今一度、落坂さんに伺いました。
GO Crewビジネス部 落坂(おちさか) 秀樹さん
そういった質問に関してはむしろ事業者様からたくさんあるんですけれども、我々も少し心配した部分があったんですけどもしっかりやっていただいてるという印象です。一般的な地図アプリと同等のナビを使用しているので、そこが最短距離になるかっていうのは、何とも言えないところではあるんですけれども、そこはテクノロジーの力とやっぱり人が乗るというものになってくるので、しっかりとその教育を施すことによって、適切な距離というか、乗務員1人1人ができていくような形になっていくかなと思っておりますので、アプリと教育の組み合わせかなというふうに我々としては思っております。
そもそも、歩合でがっつり稼ぎたい人と隙間時間でしっかり業務をこなしてアルバイトしたい人と層が違うので、今のところネガティブな印象はないとのこと
今後を見据えた上でも、アプリの地図など、テクノロジーの向上はもちろん、教育に力を入れていって、更に、パートタイムドライバ―にとってもお客様側にとってもメリットのある仕組みに仕上げていきたいとのことでした。
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材:竹内紫麻)