「鉄砲水は本当に怖い!」渓流釣り愛好家の小学生時代の恐怖体験とは?
皆さんは鉄砲水とは何かご存じだろうか?近年では梅雨の末期に集中豪雨が発生してというニュースの後に必ずと言って鉄砲水の話になるので知識だけは…という人も多いのではないだろうか。今回は筆者が小学生時代に体験した鉄砲水に関する恐怖体験を語りたい。
鉄砲水とは?
「鉄砲水」とは端的にいうと、河川の上流部でゲリラ豪雨やダムの放水が起こり、瞬く間に水かさが上昇していく現象である。記憶にある所では1990年代に神奈川県の玄倉川の中州でキャンプをしていたグループが、台風で増水した川に取り残されて流されて亡くなった事故。兵庫県神戸市の都賀川において上流部で大雨が降り、河川が急激に上昇して子供が流されて亡くなった事故などがある。そんな鉄砲水に筆者も遭遇して、寸での所で逃げて助かった体験である。
筆者の鉄砲水に関わる体験
私の体験は小学生の頃である。地元は奈良県で大和川水系の支流が流れるエリアで生まれ育った。小学生の頃から釣りが好きで、仲間と行くこともあれば一人でも時間を見つけて釣行するほどであった。
毎週水曜日は4限授業で、給食を食べてから帰れるので絶好の平日釣行が出来るチャンスだった。その日は曇りで降水確率もほぼ無かったように思い出す。
飛ぶように自宅に戻り、釣り道具を片手に自転車でポイントへ。川幅は10m程、水深も1m50cm程の浅い場所で、いつも中州のブロックの上に立って釣りをするのが定番であった。その日もオイカワやフナをはじめとして十分な釣果である。
水位が明らかに上昇
その時、いつもより少しずつ水位が上がっている事に気づいた。いつもならブロックの中ほどの水位が上まで来ている。まだ釣りが可能な時間帯。数分後もう一度見ると少し波がブロックの上まで来ている。おかしい…。明らかに水位が上昇している。まだまだ釣れるが…。一抹の不安を覚えて一度道具をまとめた。
上がる時は一度上流のスロープまでいくのだが、スロープ付近はすでに水が洗っている状態。苦手なチョコレート状のブロックを登るしかない。思い切って道具を道路の草むら付近まで投げて、釣り竿は腰の付近に刺し、ブロックに足を掛けてゆっくりと昇る。時折コケがある場所は滑るので要注意。
ゆっくり上り最後に転がるように登りきる。ふぅ~登った。道具を回収して川の中州を見ると…。今まで立っていた場所が完全に水没。その風景にぞっとした。しばらく川を見ているとみる間みる間に水は増水。気が付けば濁流で普段では考えられない水量でゴウゴウと流れていた。一緒に来ていた友人が忘れたバケツは物凄い勢いで下流へ流されている。友人らも急な増水に気が付いていたようだ。お互いに「危なかったなぁ」と恐怖を感じていたようだった。
本当にギリギリの判断で命は助かったが、慣れないチョコレート状のブロックを登ったせいで服はドロドロ、手は痛いわで散々であった。
原因と対策
そもそも何故、急な増水が発生したのだろうか?前述のとおり、曇り空で降雨もなく自然現象で水位が増える事はない。しかし、実際には急な増水が発生している。ふと帰りに川沿いにある水門を見るとその原因が判明した。
奈良県の中心部に位置する奈良盆地は農業用水が少なく、ため池があちらこちらに見られる。それを補助するように県南部の吉野川(紀ノ川)から農業用水として吉野川分水が引かれている。その吉野川分水の水門が事前予告なく開けられていたのだ。
河川に流入した水は筆者が釣っていた場所の上流の堰堤をオーバーフローして流れており徐々に増水が発生していたと思われる。また流入する量も多く今回の増水になったのだろうと推察できた。
通常時の水位をチェック
これから学んだ事として、1つ目は通常の水位を必ずチェックするという事だ。現在はインターネットのライブカメラ配信で通常の水位は確認する事が出来る。大雨の後や、タイダルリバーでない限り通常の水位はある程度見極める事が出来る。
逃げるルートを考えておく
2つ目に非常時に逃げるルートを何パターンか考えておくことである。渓流釣りで入渓や退渓する時もどのルートで入るかは現場で検討する。同様に河川の中に入る時は、入る場所・逃げる場所を何通りか見つけておく必要があるだろう。
単独釣行を避ける
最後に、単独釣行より二人以上での行動が望ましいということだ。もし近くに人家があるなら状況は何かあった時に助けを呼べるが、釣り場になるような所は人家が少ない場所の方が圧倒的に多い。やはり2名以上での行動が望ましいだろう。筆者の反省点を踏まえて是非安全な釣行をして貰いたい。
<福岡崇史/TSURINEWSライター>