英語力を伸ばすための正しい音読とは? 元NHK「基礎英語」人気講師が考案した独自メソッドを紹介!
「英会話で、とっさに言いたいことが出てこない…」
「文法の勉強はしたけど、試験の点数が上がらない…」
「リスニングで音声についていけず、理解できない…」
そんな悩みを抱える英語学習者に取り組んでいただきたいのが「音読」です! 1月14日に発売となった『音声DL BOOK 英語が聞ける! 話せる! 単語力・文法力が身につく! 6ステップ音読』より、文教大学教授で元NHK「基礎英語」人気講師の著者・阿野幸一先生が考案した「6ステップ音読」をご紹介! 著者による解説動画も特別公開中です。
6ステップ音読とは?
「6ステップ音読」とは、文教大学教授で元NHK「基礎英語」人気講師の著者・阿野幸一先生が、長年学生を指導するなかで作り上げたオリジナルの英語学習メソッドです。学生のTOEIC®スコアを短期間で200点以上アップさせるなど、今までに数々の学習効果が実証されています。
6ステップ音読では、英文をただ音読するのではなく、「内容を理解する」「伝え方を意識する」など目的ごとに6つのステップに分けて英文に取り組み、各ステップの学習内容を複数回繰り返していきます。「目的をもって音読すること」、そして「繰り返し音読することで英語を頭に残すこと」の2つを意識することで、学習効果を最大化し、文法や語彙を確実に定着させ、英語を英語のまま理解して活用できるようになります!
なぜ音読なのか…?
6ステップ音読の具体的な学習法について紹介する前に、そもそもなぜ音読が英語学習において有効なのかについてご説明したいと思います。
野球を例にして考えてみましょう。バッターとして試合で成果を出すためには、バッティングの方法を知識として覚え、同時にその方法を実践できるようになる必要があります。どうやって身体を動かせば効率的にバットを振ることができるのか、バットのどこでボールを捉えれば遠くまで飛ばすことができるのか、そういったことを知識として理解している必要があります。ただし、この状態で試合に出ても空振り三振に終わるでしょう。
なぜでしょうか? そうです、知識として頭で理解しているだけで、技能として身についていないからです。そこで、頭で理解していることと、実際にボールを打つ感覚を結びつける必要があります。そのためにフォームを確認しながら素振りを繰り返し、バッティング練習に励みます。そういった練習を繰り返すうちに、技能として「活用できる生きた知識」になるのです。
英語も同じです。単語や文法の知識を知識のままで終わらせるのではなく、活用できる技能にしていくことが大切です。ではどのようにしたら、知識を技能に高めていくことができるのでしょうか? その答えが「音読」にあるのです。
英学学習における「インテイク」の重要性
もう一度、野球を例に考えてみます。初心者がいきなり野球の試合をしても、もちろん思うようなプレーはできませんよね。野球が上手くなるためには、次のようなステップを踏むのではないでしょうか。
この3つの段階を英語で考えてみましょう。
英語をたくさん聞いたり読んだりすることを「インプット」と言います。いい野球選手になるために、いいプレーを見ることが欠かせないのと同じで、英語学習でもたくさんの英語を聞いたり読んだりすることが欠かせません。そして、耳にしたり目にしたりした英語を、頭に取り込み、自分のものにすることが必要です。日常的に生活で英語を使う環境であれば、この過程がなくても、英語を身につけていくことは可能です。しかし、英語を使う場面が限られている日本で生活している以上、意識的に英語を取り込むことが必要です。これが「インテイク(取り込み)」の段階です。
そして、このインテイクを促進させる最も効果的な方法が「音読」なのです。音読を通したインテイクにより、実際に英語でコミュニケーションを行うための土台が作られ、英語を話したり書いたりして、自分の気持ちを相手に伝えることができるようになります。
『音声DL BOOK 英語が聞ける! 話せる! 単語力・文法力が身につく! 6ステップ音読』では、このインテイクの段階に焦点を当て、音読を通して英語学習者が持っている英語の知識を「活用できる技能」へと転化させていきます。
「6ステップ音読」の学習法
「6ステップ音読」では、1つの英文についてStep1〜Step6まで順に学習していきます。詳細な学習法については、著者の阿野幸一先生が、実演も交えながら解説動画で詳細に説明しています! 各ステップの学習内容と目的もまとめているので、ぜひこちらも合わせて確認してみてくださいね。
Step1音声だけリスニング
◆ナチュラル・スピードの音声を聞く
◆英文を見ない
文字には頼らず、タイトルとイラストをヒントに音声を聞き、英文全体のテーマを大まかに把握することが目的です。この段階では、英文の単語1つ1つまでを聞き取る必要はありません。
Step2 指追いリスニング+戻らずリーディング
◆ナチュラル・スピードの音声を聞く
◆英文を見る
文字と音を一致させることで、文字として知っている知識を音声としても理解できるようにします。概要を捉えることから一歩進めて、大切な情報を捉えるように意識します。
Step3 英文を見ながらリピーティング
◆ポーズの入った音声を聞く
◆ポーズごとに//の入った英文を見る
意味のまとまりごとに区切られた音声を使って、聞こえた通りに声に出してリピートします。発音を確認し、より詳細な情報を理解します。
Step4 オーバーラッピング
◆少し遅めの音声を聞く
◆英文を見る
ナチュラル・スピードより少しだけ遅めの音声を聞き、英文を見ながら重ねるようにして発音してみます。英文全体を語順通りに聞いて理解したり、ある一定のスピードで英語を音声化できるようになったりするための練習です。
Step5 1人で音読
◆音声ガイドなし
◆英文を見る
音声のガイドなしに自分の力だけで英文を見ながら音読をします。意味を考えながら、聞き手がいると仮定して、各自の読みやすいスピードで音読します。英語のリズムに慣れ、伝わる英語の読み方を身につけます。
Step6 穴あき音読
◆音声ガイドなし
◆( )のある英文を見る
英文の中に複数の( )があり、単語が抜けていたり、英単語の代わりに日本語訳が書いてあったり、さらには動詞の原形が書かれていたりします。この( )に適切な英単語を入れたり、時制を考えて動詞を変化させたりしながら音読することで、コミュニケーションで使える単語力と文法力を養います。
Step+α シャドウイング
◆ナチュル・スピードの音声を聞く
◆英文は見ない
上級を目指すためのオプションです。ナチュラル・スピードの音声を聞きながら、テキストは見ないで、聞こえてくる音声だけを頼りに英語を追いかけるように発音し、即興で伝え合う英語力を目指します。
「6ステップ音読」の具体的な学習方法をイメージしていただけましたでしょうか? 本書は音読の効果と学習法について具体例を交えて詳細に説明した「解説編」、20の英文を題材に実際に音読に取り組む「実践編」の2つのパートで構成されているので、初めて音読に取り組む方でも音読という学習方法について十分理解したうえで実践できるにようなっています。さらに英文は中学英語レベルで統一されているので、初級者の方でも十分に成果を実感できます。音声DL付きでいつでも、どこでも繰り返し学習可能。ぜひ手に取ってみてください!
著者
阿野幸一(あの・こういち)
文教大学国際学部国際理解学科教授。同大学院国際学研究科教授。NHKラジオ「基礎英語3」(2008〜2012年度)、「基礎英語2」(2013~2015年度)講師。早稲田大学大学院教育学研究科英語教育専攻修了。専門は英語教育(主に教室での指導法、教材開発)、応用言語学。
主な著書に、文部科学省検定中学校教科書『NEW HORIZON English Course』(編集代表、東京書籍)、『これからの英語授業にひと工夫』(共著、大修館書店)、『NHK基礎英語 使いこなし 中学英文法「シチュエーション」で要点をつかむ』(NHK出版)など多数。
Karen Headrich(カレン・ヘドリック)
アメリカ・メイン州出身。日本文化に興味を持ち、ニューヨーク州の大学で日本語とクリエイティブ・ライティングを学ぶ。大学3年生のときに東京に留学し、大学卒業後は日本に在住。NHKラジオ「基礎英語3」(2010~2012年度)、「基礎英語2」(2013~2015年度)にパートナーとして出演。ライター、ナレーターとして活躍中。
イラスト
ノブカネユミ
東京在住。武蔵野美術大学卒業。<ペチカ>イラストレーション・スクール三期生。幻冬舍PONTOON装画コンペティションvol.16 大賞。第18回 TIS公募 入選。TIS(東京イラストレーターズソサエティ)会員。あとさき塾で絵本を学ぶ。
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