「急がば、ともに学べ!?」 10月新開講「NHKテレビ しあわせ気分のフランス語」出演・田中道子さん インタビュー<後編>
10月1日に新シーズンの新開講を迎えた「NHKテレビ しあわせ気分のフランス語」。番組に出演するのは、俳優の田中道子さん。俳優業のかたわら、バラエティ番組で水彩画・色鉛筆の才能を発揮したり、合格率10%弱とも言われる難関資格の一級建築士試験に一発合格したりと、多趣味で努力家な姿が注目を集めています。
今回は、『NHKテレビテキスト しあわせ気分のフランス語』10月号巻頭インタビューから拡大してお届けするお話の<後編>です。
フランス語、はじめまして
「しあわせ気分のフランス語」への出演が決まり、内容や方向性なども次第に見えてきた初夏、監修の中條健史先生に初めてお目にかかり、ちょっとしたレッスンを受けました。そのときに、ああ、私はフランス語に関して、本当に初心者なのだなと実感しました。文法とか特徴などをまだ全然知らない状態であることを自覚したんですね。
つまり、番組視聴者の皆さん、テキスト読者の皆さんのうちの初学者の方とおんなじ。同じスタートラインに立ったわけです。そのフレッシュさに、さぁ、がんばろう、と気持ちがさらに上向きました。
初レッスンでは、英語ともなんだか似ている部分もあるようですし、わりと違和感なくチャレンジできました。もっと「全然わからない!」みたいになるかもと懸念していたのですが、「もしかしたら、フランス語学習に私、向いてるのかもしれない」なんて思えてきたりしました(笑)。
やはり言語習得は、前向きに楽しんだ者勝ちというのでしょうか、ポジティブになることが大切な気がします。失敗を恐れず、むしろ失敗大歓迎ぐらいに思って、どんどんと積極的にチャレンジしていきたいなと思っています。
初レッスンは、聞きとりメインで。楽しくマネをしました!
中條先生との初レッスンのとき、先生は、「テキストを見なくてもいいですよ。耳だけでやりましょう」とおっしゃったんですよね。トライを重ねて当たり前、といった感じでした。そして、できるようになるまでチャレンジを重ねるので、それこそ伝言ゲームみたいで(笑)。勉強なのにゲーム感覚で楽しめたレッスンでした。テキストを黙々と学ぶという感じではまったくなくて。そんなふうに初日を終えて、これからの半年間がとっても楽しみになりましたね。
日本ではまずは文法をきっちりやろうと考える方、話してみることへのハードルがとても高い方が多いと、先生はおっしゃっていたそうです。たしかにそうかもしれません。でも、聞き取りすること、話すことから始めるのは、とても新鮮で楽しかったです。もちろん、並行して文法や構造なども理解していくつもりです。
以前は、結構まめにメモをとるほうだったんです。でもメモを取ることで、メモしたからOKと思ってしまうためか、わりとすぐに忘れちゃうんですよね。
狂言師の和泉元彌さんと対談させていただいたときに、狂言はすべて口頭で伝えるだけで600年も受け継がれてきたとお聞きして……。なるほど、と。確かに私、メモしたことを3日に1回みたいなペースで、じつによく見返しているなぁ、忘れがちなんだなぁ、と。
そうした振り返りもあって、本気で学ぼう、覚えようと思うことは、耳だけでいいのかもしれないと、ちょうど最近考えていたところなんです。メモは、リアルというよりは心のノートにすればいいですよね(笑)。
関連づけたり連想したり。覚えやすい方法で
レッスンで教わったことは今もパッと言えるんですけど、メモは一切取っていません。でもこれ、集中力っていうよりは、いわゆるコツだと思うんですよ。
例えばJ’habite à Tokyo.(編集部注:「私は東京に住んでいます」の意)を習ったときに、わたしは、habiteは英語で言うliveなのね~、と思って覚えたんです。他の言語だったらこうだな、みたいに関連づけたり、他にも語呂合わせしたりとか、脳に刻む方法はなんでもOK。人それぞれに覚えるためのノウハウってありそうですよね。
学びを続けていく方法については、私の場合は、やはりとにかく楽しむことですね。大人になってからの学びですから、私自身、正直手探りなところはあるんですが、机に必ず向かわなきゃいけないってわけでもないかな、と。
ちょうど放送もあるわけですし(笑)。「楽しみながら」「耳で覚えよう」ということを大事にして番組も進んでいく予定ですし、中條先生がわかりやすくご指導くださるので、視聴者・読者のみなさんも、きっと楽しめるはず。生きたやりとりで学ぶので、わかりやすいと思います。私も健闘するつもりですので、どうぞ応援してください。
ソファでテレビを見ながら、あるいはテキストを片手に……。気軽に、片手間でもできるフランス語学習。大人の皆さんにとっては学生時代とはまた違う、1つの学習のやり方も楽しんでいただきたいと思います。
急がば、ともに学べ⁉
仲間を誘って一緒に学ぶのも、とてもいいと思います。机を並べなくてもいいんです。離れていてもOK、お互いのペースでOK、でも、ぜひ同時的に。
一緒にやろうよ、一緒に始めてみない? ってひと声かければよいことなので、おすすめしたいです。兄弟で、親子で、孫とでも、友だちや同僚とでも。一緒に成長を確認し合える仲間が1人でも2人でもいたら、張り合いがありますよね。
ライバルもよいですね。建築の勉強をしているとき、新しい知識を得ること自体がシンプルに楽しかったのですが、試験前のひとがんばりは、「ライバルに負けたくない」っていう気持ちにかなり後押しされたんです。ライバルの存在は大きかったですね。1人でやり遂げることもすばらしいと思いますが、刺激をもらったり、熱い気持ちで取り組むには、仲間やライバルがいるほうが簡単で手っ取り早いのではないかと思います。
もしどなたも思い当たらなかったら……前にもお伝えしましたけれど、ぜひ私を同伴者(またはライバル!?)とお考えください。ご一緒に頑張りましょう!
そんな調子で半年ほども続ければ、かなり話せるようになったりするかしら??
期待に胸をふくらませつつ、毎週フランス語に触れていけることがうれしいです。
未来を考えると、ワクワクしてきます。フランスにはぜひ行ってみたいですね。現地の方に声をかけたり、お店に入って料理の注文をしたり、夢はどんどん広がります。
◆撮影=森 浩司/スタイリング=青柳裕美(Azzurro)/ヘア&メイク=山田典良/取材・文=編集部
田中道子(たなか・みちこ)
俳優。静岡県出身。「ミス・ワールド2013」の日本代表に選出され、世界大会ではベスト30に。その後ファッションイベントの「GirlsAward」、「TOKYO RUNWAY」などへの出演を経て、2016年に俳優の活動を開始。『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日)、『解体キングダム』(NHK総合)、『新美の巨人たち』(テレビ東京)などに出演するほか、『プレバト!!』(MBS/TBS)では水彩画・色鉛筆の才能を発揮するなど多方面で活躍中。
NHKテキスト『しあわせ気分のフランス語』では、会話で使えるフレーズを紹介。基本文法はもちろん、初心者がつまずきがちなつづりと発音も丁寧に解説しています。