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常石グループのチーフ・デザイン・オフィサーに就任した落合宏理が率いる「ツネイシデザインプロジェクト」が始動 

セブツー

造船や海運を中心に、広島県のリゾートホテル「ベラビスタ スパ&マリーナ 尾道」やクルーズ客船「ガンツウ(guntû)」など幅広い事業を展開する常石グループは5月1日、グループ全体を横断する新たなコーポレートアイデンティティ(CI)を発表した。創業以来120年以上にわたってシンボルマークとして使用してきた「天」の文字を受け継ぎ、グループの歩みを象徴する新シンボルが誕生した。

今回のCI刷新は、国内外のグループ会社をひとつに束ね、より強い一体感を築くためのプロジェクトの一環。これまで、1903年創業の神原汽船や、1917年創業の常石造船など、グループの起源を担う企業では、「天社丸」にちなんだ「天」の文字を長らくシンボルに用いてきた。新たなロゴでは、この歴史的な文字に、「Tsuneishi」の「T」を組み合わせたユニット型のデザインが採用されている。

ロゴは、グループ各社の多様な事業や使用言語に柔軟に対応できるよう、シンボルマーク単体で構成。文字要素をあえてそぎ落とし、ミニマルな形で統一感を持たせているのが特徴だ。

このデザインを手がけたのは、アートディレクターでグラフィックデザイナーの鈴木聖。家紋や地図記号のように、ロゴ自体が強く主張するのではなく、地域に根ざす象徴として静かに機能するよう意識したという。「福山に暮らす人たちが、町でこのロゴを見たとき“ツネイシだ”とすぐにわかるような、そんな存在でありたい」と語っている。

また、新CIの策定に合わせて、「ファセッタズム(FACETASM)」を手がけるデザイナーの落合宏理が、グループ初のチーフ・デザイン・オフィサー(CDO)に就任。自身が率いる「ツネイシデザインプロジェクト」として、企業ブランディングに本格的に取り組んでいく。制服やオフィス空間、建築、そして地域との関係性まで、あらゆる日常にデザインの力を取り入れることで、「新しいツネイシ」の形を模索するという。

常石グループの河野仁至・CEOは、今回のリブランディングについて「これまでの挑戦と失敗の積み重ねが今のツネイシを形づくった。これからの10年、20年先を見据え、変化に柔軟に対応できる“もっと強いツネイシ”になることが目的」と語る。伝統を守りながらも、進化し続ける姿勢を新CIに込めたという。

4月25日には、従業員向けに「ツネイシミチシルベ2025」と題したビジョン共有会も開催。この場では新CIが披露され、ツネイシホールディングスの神原勝成・社長から「徹底的にひと重視」を新たなミッションとして掲げると発表された。加えて、造船・海運・商社・環境・リゾートといった既存の5事業領域に加え、6つ目の柱として社会貢献推進部も新設。スポーツや文化芸術を通じた地域とのつながりをさらに強化していくという。

新たなCIのもと、「未来の価値を、いまつくる。」というスローガンを体現する常石グループ。その新たな一歩に、今後も注目が集まりそうだ。なお、「ベラビスタ スパ&マリーナ 尾道」は、建て替えのため現在は営業を休止している。

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