旨さ確信【醤油派】の心を癒す醤油ラーメン3杯
緑橋カウンター
昼どきは、日替わりでラーメンや定食、丼もの、弁当などで繁盛しているまちの食堂的な店。
ラーメンは古き良き旭川ラーメンを踏襲した、こだわりの味わいを提供するので、醤油派の筆者はたちまちとりこになった。
が、ラーメンの提供は月曜のみ。だが、ちょい飲みができる夜の部(水木金のみ)のメニューに、『〆のラーメン』の名でラーメンが載っている。これは有難い。
ラードが漆黒のスープの表面を覆う、旭川ラーメンのオーソドックスなスタイル。
盛り付けはチャーシューにメンマ、ネギと極めてシンプル。
いやいや、これで良い、これが良い。海苔とか卵とか要らない(笑)。
だけど、チャーシューは大きいし、メンマは太い。
これで値段は850円。今のご時世にあっては健闘している方と思う。今後も健闘を大いに願う(笑)。
旭川ラーメンの王道、Wスープに濃い醤油ダレ。
香り高い正統派の味に、ああ・・・癒される。
このコクはまさに病みつき。ズルズル・・・ハァ~・・・の繰り返しが続く。
いつものことだが、おつゆ飲み過ぎ注意なのである(笑)
ちなみに、同店の醤油は地元醤油メーカーのものを使っているとのこと。
とことん「旭川」にこだわった、その気構えも素晴らしい。
麺も旭川ラーメンの王道、低加水中太麺。
コク深い醤油のおつゆによって、素材の旨みが引き立っている。
このプロセスが、旭川ラーメンの醍醐味だろう。
同店のチャーシューは、味の入りもよく、肉感もたっぷり。
ちょっと大きめサイズが、ラーメン一杯の食べ応えをボリュームアップしている。
が、ぺろりと完食できるのは、おつゆのキレや麺のスムーズな喉越しの良さのおかげ。旭川ラーメン「らしさ」は、食べやすさそのものと実感せり。
お店情報
店名:緑橋カウンター
住所:旭川市3条通8丁目緑橋ビル1号館
電話:090-2876-4771
営業:11:30~14:00 / 17:00〜20:00
定休:土曜、日曜、祝日
駐車場:なし
そば源 本店
そば屋? ラーメンの話だよね。
と困惑された方もおられると思うが、心配はご無用に。
旭川市内そば店には、ラーメンをメニューに加える店がちらほらあり、実はそば屋のラーメンは案外旨いと定評がある。
ここ、そば源本店もそんな一店だ。
しかも、出すラーメンは、昔ながらの旭川ふう醤油ラーメン。これは見逃せない。
品名は『ラーメン』の一言のみ。
醤油とか塩という特定名称はない。
まず、この昔風なムードがラーメン好きを泣かせる。
昭和の頃。まちには今のようなラーメンブームはなく、食堂などにあるラーメンはすべて『ラーメン』。味は醤油。
あの蜂屋でさえ、昔、メニューの筆頭は『ラーメン』。みそ、塩が登場したのは平成の中頃からだ。
ふと見ると、テーブルには唐辛子とコショウが。
そば屋にコショウは珍しい。つまりは、ラーメンの注文が多いということだ。
ちなみに、この時カウンターでは、女性がチャーシューメン(950円)を食べていた。
鮮烈な醤油の香味。ほんのりと香る酸味がおつゆの深みを思わせる。
駆け出しの頃から醤油ラーメンを好んでいたものの、ここまで感慨を具体的にしていたものかは怪しい。が、このタイプの醤油ダレはクセになることは確か。
そして、旭川ラーメンとしての美味しさを確信させる中太麺。醤油にまみれ素材味が引き立っている。
麺はつるつるとしていて、歯応え、喉越しともに良好。
チャーシューも期待通りのムチムチ食感。
きりっとしたおつゆにはコレ。
今どき流行りの悪戯に脂濃いトロトロなタイプだと、味わいにスキができる。
醤油でじっくり煮込んだと思しきチャーシューは、程よいしょっぱさ加え醤油の旨味が凝縮して美味。
大概の店ではこの煮汁をおつゆの味付けに使う訳だが、考えてみればこれは合理的調理法。
醤油ラーメンって、昔からサスティナブルな食べ物だったんだな(笑)
完食してびっくり。
この中華柄のラーメン丼、なんとそば源オリジナル。
そば屋でありながらこのこだわりようには、まったく恐れ入るばかり。
お店情報
店名:そば源 本店
住所:旭川市曙1条7丁目1-8
電話:0166-22-6261
営業時間:11:00〜19:00
定休日:木曜日
駐車場:あり
らーめんや天金 四条店
出張で来られた方から、ラーメンの美味しい店を教えて欲しいと尋ねられる度、挙げる3本指の中に必ず入っている店。特に、醤油ならここと、旭川ラーメンの解説もつけて(笑)。
とにかく行列の絶えない店なので、筆者など入店を諦めることしばしば。だが先頃、入店のチャンスが到来。
旭山動物園が夏季営業準備のため数週間の休園中という4月某日。さすがに観光客が少ないと見えて、市内人気飲食店はちょっとのんびり。天金もお昼どきというのにごらんの通り(外に待ちの客の姿なし)。
すんなり入店、ほぼ満員ではあったが、運良く着席できたという次第。ラッキー。
しばらくぶりの訪問となる。
ああ、ここも価格が大台を越えましたか。仕方ない。
が、見た目の印象は何ら変わらない、昔のままのスタイルに「ほっ」。
おつゆをずずっ・・・っと。
おおっ!! これこれ。かなり熱い旭川ラーメン独特の温度。熱したラードによるものだ。
熱い油でスープの表面を覆うことで、寒い冬でもラーメンが冷めない。最後まで熱々で食べられるようにと、職人が考えた旭川ラーメン伝統の手技が生きている。
おつゆは、豚骨ベースのまろやかな出汁に、コク深い醤油が映える。
喉の奥まで沁みるおつゆの旨さに、心身がじわ〜っと癒される。
見て、このツヤ。
中太の縮れ麺は、もちろん低加水タイプ。
知っているはずなのに、つるつるとした食感と素材の旨みには、いつも初めて食べた時のような新鮮さを覚える。
この麺には、やっぱ醤油だなと確信(個人の感想です)。
後半もあつあつ。ラードは約束を果たした(笑)
お店情報
店名:らーめんや天金 四条店
住所:旭川市4条通9丁目
電話:0166-27-9525
営業時間:11:00~20:00
定休日:不定休
駐車場:あり
醤油な後記
これぞ正統派と思える、醤油味旭川ラーメンを紹介しました。
いかがでしたか。旨味に満ちた醤油の香りが伝わったでしょうか。
みそ派、しお派と、ラーメンの好みは人それぞれ自由。ひたすら醤油を推すわけではありませんが、その良さ、魅力を感じていただけたら幸いです。