茅ヶ崎でカカオ!? メゾンカカオが栽培挑戦中
チョコレートの原料になるカカオが、茅ヶ崎で育てられている。栽培しているのは、茅ヶ崎市今宿に工場を持ち、チョコレート菓子の製造・販売を手掛けるメゾンカカオ(石原紳伍代表取締役/本社:鎌倉市)。同社の石原祥行取締役=写真上=に話を聞いた。
これまでも、カカオの生産地コロンビアの農園と長期契約を結ぶことで生活を安定させ、地域再生に取り組んできた同社。「耕作放棄地や後継者問題などがある日本で、農業の再生に取り組みたい」と約4年前から話を進めてきた。
当初は、コロンビアからカカオの苗を輸入することも考えたが、植物の輸入には厳しい規制があることから断念。そこで、「日本の気候に最も合う」という、ホワイトカカオ(全体の0・03%という希少種)を現地で品種改良し、種から栽培をはじめた。
農園は、柳島スポーツ公園のすぐ横の、「メゾンファーム」と書かれた白いハウス=写真下=内。1反(約300坪)のハウス内で、130本ほどのカカオの木が育てられている。内部を常に温度25度、湿度60%に保ち、水やりも自動化し制御盤で確認ができる。それでも「さまざまな条件によって生育が違うため、チェックは欠かせない」という。カカオは通常、実を収穫するのに4年、同品種は3年かかるといい、早ければ来年には収穫できる可能性がある。石原さんは「どこまで品質を高められるか挑戦したい」と話す。
ハウスで栽培されている量ではまだまだ製品にするのは難しいという。石原さんは今後について、「子どもを対象としたカカオの収穫体験なども考えている。子どもの未来や良い環境につながるものにしていけたら。日本全国の農家と組んで、農業を守っていく挑戦もしていきたい」と話した。