ドイツの学校が舞台のサスペンス映画「ありふれた教室」 山口市で8月24日に上映
2023年の第73回ベルリン国際映画祭で二つの賞を受け、同年のドイツ映画賞では作品賞をはじめ5部門を制覇。さらに本年度の第96回アカデミー賞では国際長編映画賞にノミネートされたサスペンス・スリラー「ありふれた教室」(2022年、ドイツ)が、8月24日(土)に山口市民会館小ホール(山口市中央2)で上映される。時間は午前10時半、午後2時、7時からの3回。「山口でなかなか上映される機会のない良質な単館系新作映画を、自分たちの手で上映・観賞する」ことを目的に活動している西京シネクラブの主催。
仕事熱心で正義感の強い若手教師のカーラは、新たに赴任した中学校で1年生のクラスを受け持ち、同僚や生徒の信頼を獲得しつつあった。そんなある日、校内で相次ぐ盗難事件の犯人として教え子が疑われる。校長らの強引な調査に反発したカーラは、独自に犯人捜しを開始。すると彼女が職員室に仕掛けた隠し撮りの動画に、ある人物が盗みを働く瞬間が収められていた。だが、盗難事件をめぐるカーラや学校側の対応はうわさとなって広まり、保護者の猛烈な批判、生徒の反発、同僚教師との対立などを招いてしまう。カーラは、後戻りできない孤立無援の窮地に追い込まれていき…。
監督は、本作が長編4作目となるイルケル・チャタク。主演は、カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた「白いリボン」(2009年)や、木村拓哉も出演したドラマ「THE SWARM/ザ・スウォーム」(2023年)などのレオニー・ベネシュが務めた。
同会の大久保雅子代表は、「本作はカーラの視点で描かれている。ただ、他の登場人物からの視点で事件の経過を考えると、その人物の言い分、心情も想像できる。彼女の行動は果たして正しかったのか、見ている私たちに問いかけてくる。次第に生徒と学校の板ばさみになる中で、生徒の権利や生徒を守ること、さまざまな視点が交錯。教育の現場が抱えている、教員の重労働や保護者への対応の難しさも背景に描かれている。学校という身近な舞台で、特別な仕掛けがあるわけでもなく、これほど全編に緊張感あふれる作品が作れるとは。カーラのクラスの生徒たちを、一人一人個性的に、等身大の学生として描いているところが良かった」と感想を述べている。
チケットは、当日会場で販売。料金は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。電話予約(TEL083-928-2688)すれば、一般料金のみ1500円に割り引きされる。