宇宙SF物のジンクスは続くのか「1月解禁」注目の韓国ドラマ3作の滑り出しとは
韓ドラ界は今年も、豪華新作ラインナップとともに1年のスタートを切った。
現時点でベールを脱いだ作品は計3作。人気ジャンルのロマンス物をはじめ根強いファンが多い時代劇、イ・ミンホ&コン・ヒョジンが主演を務める韓ドラファン待望の宇宙SF物もついに解禁された。
いずれの作品も第2話まで放送が終わっており、本国での視聴率から世間の反応が徐々に見えはじめている。
宇宙を題材にした『星がウワサするから』(tvN/2025)が、最も注目視されていたといっても過言ではない作品だったが、蓋を開けてみると意外な数字に。韓ドラ界における宇宙SF物にまつわる負のジンクスが続くのではないかと、一部ドラマファンの間で囁かれている。
そんな本作を含め、1月に公開された期待作3つの滑り出しを、韓国での視聴率でみてみる。
(図)Danmee読者12,273人が選んだ「新韓流四天王」4人
星がウワサするから (tvN/2025)
韓国で初めて宇宙ステーションを題材にした『星がウワサするから』は、初回放送で3.3%、翌回で3.9%という視聴率を獲得した。
決して悪い滑り出しではないが、イ・ミンホとコン・ヒョジンという大物スターの共演が叶った作品にしては予想外とも言える数字。また、約500億ウォン(約50億円)という制作費が投入された点においてもギャップが大きい。
この状況に本国では、韓国ドラマのスケールの壮大化は評価すべき部分だが、宇宙SF物はまだお茶の間には敷居が高いのではないかとの声が。また以前より、映画界でも不振作が目立つことから誕生した“宇宙SF物で成功を収めるのは難しい”というジンクスが、本作にも当てはまるのではないかと懸念する人もいる。
とはいえ、制作者側も勝算なしにアウェイに飛び込んではいないはず。見事ジンクスを破った暁には、韓ドラ史に残る名作の1つに名を連ねる可能性を秘めている。
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2025年1月8日現在):Netflix
私の完璧な秘書 (SBS/2025)
ロマンスコメディー『私の完璧な秘書』は、第1話から視聴率5.2%を獲得、翌回には6.5%にまで上昇し、好調なスタートを切った。
安定した演技力を持ち、韓ドラ界の第一線で活躍し続けているハン・ジミンが主演を務める作品なら面白いに違いないという、彼女への世間の信頼が数字に表れたかのような成績。
初回放送からは、相手役を務めるイ・ジュンヒョクにも熱い視線が集まっており、ハン・ジミン扮する主人公に向ける柔らかな笑顔や優しそうな眼差しなど、ときめかずにはいられないロマンス演技に心を鷲掴みにされる人が続出している。
それに加え、『社内お見合い』(SBS/2022)や、『キム秘書はいったい、なぜ?』(tvN/2018)など、CEOと社員の恋という韓ドラ鉄板の設定を用いながらも、男性が秘書役で女性がCEOという、男女の立場を逆にした点が斬新で面白いという評価。既存の作品とは一味異なるオフィスラブが、数字に繋がったようだ。
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2025年1月8日現在):未定
元敬 (tvN/2025)
韓国で19禁(19歳未満は視聴禁止)に指定された時代劇『元敬』は、初回放送で視聴率4.9%、翌回で5.5%を獲得して、幸先の良いスタートを切った。
実力はあるがスターと呼べる役者は出演しておらず、そこまで史劇を得意としていないtvN作品であるにもかかわらずこの成績。
また、週末枠に比べて数字を獲得しづらいと言われている月・火ドラマで、視聴者のなかには、歴史的背景を無視した物語だと辛辣な反応をみせる人もいるが、逆境に負けず見事にドラマファンの心を掴んでいる。
朝鮮王朝至上最も非情だったと言われる朝鮮第3代国王イ・バンウォンを夫に持つ妻・元敬(ウォンギョン)王后の一生を描いており、史劇の頻出登場人物であるイ・バンウォンではなく、妻を主人公に据え彼女の視点で展開されるストーリーと、側室たちとの関係性がウケているようだ。
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2025年1月8日現在):未定
(ライター/西谷瀬里)