Yahoo! JAPAN

DARPA、無人水上艇による海上での自動燃料補給試験に成功。2025年春の実装を予定

DRONE

国防高等研究計画局(DARPA)の「No Manning Required Ship(NOMARS)」プログラムでは、同プログラムの無人水上艇「ディファイアント(Defiant)」に使用するための海上燃料補給(FAS)の初試験が成功裏に完了した

ディファイアントは長期間海上で自律的に運航することを目的とし、船上に人間を乗せる想定が一切ない設計。試験は、米海軍PMS-406(無人海洋システムプログラム事務所)とUSV Squadron 1(USVRON-1)との協力で行われ、PMS-406の実験用水上ドローン「レンジャー」と「マリナー」が使用された。

水上ドローンにおける海上燃料補給は課題であり、現在の海上燃料補給ソリューションでは、補給対象のプラットフォームで人員がラインやホースを操作する必要がある。

この作業に人員が必要になると、水上ドローンの設計や運用に大きな制約が生じる。たとえ短時間であっても、人員の安全を確保するための設計が求められるほか、高波や強風の中で水上ドローンに人員を輸送することはリスクが高く危険を伴う場合もある。

NOMARSの海上燃料補給アプローチは、水上ドローン側に人間が不要な設計となっているが、給油船側には人員が配置される。このアプローチは、軍事補給司令部(MSC)のタンカー乗員にとって馴染みやすい標準的な燃料補給の運用概念(CONOPs)にできるだけ近づけることで、彼らの学習コストを削減することを目指している。DARPAはNOMARSプログラムを通じて、MSCの「タルガグループ」と緊密に協力し、海上燃料補給システムおよび運用概念の開発を支援した。

今回の試験では、「レンジャー」が「ディファイアント」に搭載されるシステムの試作受け入れステーションを装備し、「マリナー」にはNOMARSの主要請負業者であるセルコ社がカスタム設計した燃料補給ミニステーションを搭載。試験中、両船には人員が配置されていたが、受け入れ側の操作には一切関与しなかった。

提供:DARPA

チームは航行中にシステムの運用概念の全工程を実証。これには、リードラインの給油側への引き渡し、燃料補給プローブの水上ドローン側への接続、および水のポンピングが含まれる。これはシステムの水上試験としては初めての試みであり、全工程が成功裏に実演された。今回の試験は、米海軍PMS-406およびUSVRON-1の人員とリソースの支援と協力なしには達成できなかったとしている。

次の海上燃料補給試験は、NOMARSの「ディファイアント」の海上試験期間中に実施される予定。ディファイアントは全長180フィート、240メトリックトンの軽量船で、現在建造の最終段階にあり、2025年春に複数月にわたる海上デモンストレーションに向けて出航する予定だという。

DARPA

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 3人に1人が発症するのに9割が知らない「脱腸」のリアルと治療の選択肢

    舌肥
  2. 飼い主が寝たあとに猫たちは何してる?→深夜に『隠し撮り』してみたら…まさかの瞬間に爆笑する人が続出「メチャ楽しそうw」「大運動会ww」

    ねこちゃんホンポ
  3. 【6月7日プロ野球公示】広島・田中広輔、楽天・大内誠弥ら登録 中日・大野雄大、ヤクルト・山野太一ら抹消

    SPAIA
  4. 伊賀警察署だより 交通安全防止に向け

    伊賀タウン情報YOU
  5. 『無理です。帰りましょう。』注射のために動物病院に来た犬…待合室でみせた『切なすぎる光景』が29万再生「賢いが故に…」「気持ち分かる」

    わんちゃんホンポ
  6. <義実家から届く米がムリ!>虫入り・黄ばんだ米50キロにストレス「断っていい?」【まんが】

    ママスタセレクト
  7. 最大80%OFF!神戸三田プレミアム・アウトレットで夏先取りセール 「PREMIUM OUTLETS® SALE」 神戸市

    Kiss PRESS
  8. 花田虎上の妻、大好きなものを入れた弁当を公開「美味しそう」「食べ過ぎ注意ですね」の声

    Ameba News
  9. 164頭の大型犬が集まる『デカわんこオフ会』に参加→愛犬が楽しんでくれると思ったら…予想外すぎる『まさかの行動』に「個性的で可愛い」の声

    わんちゃんホンポ
  10. 地域史の研究をまとめた本を出版!郷土史家 蕨由美さん【佐倉市】

    チイコミ! byちいき新聞