伊賀警察署だより 交通安全防止に向け
副署長 原晋也
前任は警察本部の交通企画課で交通安全対策室長として交通事故防止対策業務に従事しておりました。そこで、私からは交通事故防止に向けたお話をさせていただききたいと思います。
まず、県内の交通事故情勢ですが、2024年は前年と比べ、死亡事故が大きく減少し、統計史上最少となりましたが、総事故発生件数は年間5万5000件を超え、21年から4年連続で増加するなど、依然厳しい状況が続いているものと言えます。
特に死亡事故を見ますと、犠牲者の半数以上を高齢者が占めた他、歩行中や自転車乗用中のいわゆる交通弱者と呼ばれる方々が約4割を占めました。また、自動車乗用中死者の半数がシートベルトを着用しておらず、助かったはずの命も多数失われました。この他、飲酒運転もいまだ根絶には程遠く、運転者本人ばかりでなく、無関係な多数者にも重大な危険を生じさせた事態も散見されました。
25年に入りましても、交通事故は増加傾向を示し、死亡事故も前年同時期と比べ増加しているなど、予断を許さない状況となっています。警察は、悲惨な交通事故を1件でも減らすため活動していますが、皆さんも自分や大切な方々の命を守るために次のことに注意してください。
まずは、交通ルールを正しく理解し、きちんと守ること。ルール違反は事故の元です。ルールを守り、安全確認を徹底すれば大半の事故を防ぐことができます。特に、速度の出し過ぎは事故の被害を大きくするので、交通規制に従い、安全な速度で走行してください。
また、交通弱者を守るため、車両の運転手は信号機のない横断歩道では歩行者らの横断を必ず優先してください。歩行者らも手を上げたりして運転手に横断する意思表示を行うなど、身を守る行動を起こしてください。
加えて、26年4月には、自転車への交通反則通告制度(いわゆる青切符)の適用が始まります。自転車の安全で適正な乗り方を今のうちに再確認してください。伊賀署では安全で安心な伊賀地域の実現に向けて各種取り組みを進めてまいりますので、引き続き警察活動へのご理解とご協力をお願いします。