村尾信尚「アメリカの連邦政府の内部はメルトダウンしかかっている」
日米間で食い違っていた相互関税の特例措置についてアメリカ側が大統領令を修正することになった。8月12日の「くにまる食堂(文化放送)」では、関西学院大学教授の村尾信尚が、なぜ、このようなミスが出るのか自身の見解を語った。
村尾「この件で最初に違和感を覚えたのは、はじめ日本に25%の関税をかけますよというトランプ大統領の2枚ほどの書簡を見た時です。各国全て同じ文章で、国名とその国に適用される関税率だけ変えているだけで、一国のトップが一国のトップに出す書簡としては、あまりにも杜撰なものでした。こんな外交文書でいいのかという危惧をもったんです。このような杜撰さが今、いたるところで表れているという気がしますね」
邦丸「原因を辿ってみると政府効率化省のトップだったイーロン・マスクさん。この方が連邦政府の効率化のために役人のクビをどんどん切っていった。今、その歪みが出て『こんなたくさんの仕事、オレ1人じゃムリムリ』っていうような状況になっちゃっているんですか?」
村尾「そう推察できますよね。民間企業は効率化を追求するんですけど、そもそも役所というのは効率化を追求できない。そういうものなのに、そこに効率化という概念をもってきて、それで組織を切り刻んでいった。それは筋が違うという気がしています。それから実際に役所で働いている公務員も、今度はオレのクビが危ないんじゃないかと思うと当然萎縮しちゃって自分の意見も言わなくなる。今、アメリカの連邦政府の内部がメルトダウンしかかっているんじゃないかという危惧はありますね」