なぜ、2024年に『天元突破グレンラガン対キルラキル展』なのか? 圧巻の原画展示があふれる会場で思ったこと
2024年7月、真夏の暑さがさらにヒートアップするイベントが始まった。そう! 池袋PARCOのPARCO FACTORYにて開催中の『天元突破グレンラガン対キルラキル展』だ。
これが見たかった、聞きたかった!
ANIPLEXとTRIGGERが手を取り合って実現した夢の企画、『天元突破グレンラガン対キルラキル展』。本展ではそのタイトル通り、アニメ『天元突破グレンラガン』と『キルラキル』の原画が一挙に展示される。さらに会場では、『天元突破グレンラガン』のカミナと『キルラキル』の纏流子による、完全録り下ろしの音声ガイドが来場者を迎えてくれるのだ。
『天元突破グレンラガン』の展示エリアでは、壁一面を埋め尽くす原画と、巨大なラガンが見どころだ。展示されている原画のチョイスが絶妙で、まさに「そこが見たかった!」というシーンが揃っている。躍動感と気迫のこもった作画を見ていくうち、自然と胸が熱くなるのを感じるはずだ。
軽く螺旋を描いたこのエリアでは、内側に『キルラキル』、外側に『グレンラガン』の原画が並んでいる。とりわけ『キルラキル』の流子&皐月の変身シーンは圧巻。非常にエロチックなのだが、流れるような線の美しさのせいでじっと見入ってしまう。じっくり時間をかけて鑑賞したい一角だ。
続く『キルラキル』の原画展示エリアでは、流子の片太刀バサミと皐月の愛刀・縛斬のレプリカも登場。その二人だけでなく、四天王やマコの見せ場シーンの原画も抜かりなく展示されていて、ファンにとっては嬉しい限りである。
掘り返すのって悪くない
そして展覧会のラストを飾るのは、『グレンラガン』『キルラキル』両作品の名場面をより合わせたオリジナル映像だ。正直言って、この映像だけでも満腹になれてしまいそうなほどの胸熱編集である。3〜4分ほどの映像なので、ぜひともフルで味わってみてほしい。単純な時系列ではなく、エピローグから始まって、主人公が両作品を行き来しながら過去を振り返って(掘り返して)いく……という趣向が切ない。
併設のミュージアムショップでは、まずなんと言っても、すしお氏による本展の描き下ろしメインビジュアルを使ったグッズが目をひく。さらに、両作品の複製原画やキャラクターグッズも豊富に展開されているのでじっくり吟味を。『グレンラガン』各話サブタイトルの題字をあしらったフェイスタオルやステッカーが用意されているのも、ファンにとってはたまらないポイントだ。
名作をありがとう
アニメ制作業界は、形を変えていく。『天元突破グレンラガン』は2007年、『キルラキル』は2013年〜2014年に放送されたTVアニメ作品である。なぜ、いま『天元突破グレンラガン対キルラキル展』なのか? ……鑑賞を経て熱く燃え上がったハートならわかる。
それは、俺たち(アタシたち)が、見たいからだーーーーーーーッッ!!
『天元突破グレンラガン対キルラキル展』は7月29日(月)まで池袋PARCO 本館7F・PARCO FACTORYにて開催中。その後、愛知、福岡、北海道へと巡回予定。ちなみに展示の中で物語の筋には直接触れていないので、アニメ未見の人にとっても最高の入り口になるだろう。カミナ&流子の音声ガイドを楽しむためのmyイヤフォン(ヘッドフォン)をカバンに突っ込んで、会場へ集合されたし。
文・写真=小杉 美香