マーベル映画「個人的な好みではない」とワンダ役エリザベス・オルセン、プロとして葛藤 ─ 「自分の好みも表現しなければ」
(MCU)でスカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフ役を演じ続けてきたエリザベス・オルセン。もっとも彼女にとって、MCU映画は本来の好みではないという。
なぜ、自分の好みではない仕事をオルセンは引き受け、長らく演じつづけたのか。プロフェッショナルとしての判断と、今後の課題は──。慎重に言葉を選びながら語った。
ポッドキャスト「Wild Card」は、用意された3枚のカードからゲストが1枚を選び、そこに書かれた質問に答える形で展開する。「出会う人に対し、あなたが今でも証明しなければならないと感じるものは?」との問いかけに、オルセンはしばらく考えて「自分の好みです、創造面の」と答えた。
「私は仕事のうえで、必ずしも個人的な好みに沿った選択をしてきませんでした。だからこそ仕事のミーティングでは、自分の課題を明らかにして、映画や文学の好みを表現しなければいけないと思います。」
司会者が「本当はスーパーヒーローをやりたくなかったってこと?」と意地悪に応じると、オルセンは笑いながら「やりたかったですよ。本当にやりたかった」と訂正する。「政治や文化を見事に反映した、ギリシャ悲劇のようなスケールの物語だと感じていました。喜んで参加しました」と。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で配信中 © 2023 Marvel
もっともその後、スーパーヒーロー映画はハリウッドの業界内でも議論の対象になり、俳優や映画監督らがあちこちで意見を表明するようになった。オルセンも「俳優がマーベル映画に出たいと言ったり、絶対に出たくないと言ったり。フィルムメイカーが、(マーベル映画は)映画館をダメにしていると言ったり」するようになったと言っている。
「マーベルに長年関わってきたからこそ、別の仕事にはすべて自分の好みを反映しなければいけないと感じています。なぜなら、私は(マーベルの)世界に参加できて本当にうれしいし、この役柄で実現できたことも誇りに思っているけれど、これは私自身が夢中になっているアートではないから。自分の好みを表現するために、どんな映画や番組をマーベルと組み合わせるかを真剣に考えなければいけないと思います。」
© 2024 MARVEL
オルセンはしばしば口ごもり、適切な言葉を探しながら、マーベル作品や自分の仕事に対する考え方を誠実に語った。「ちょっと正直すぎたかな」とも笑ったが、それほど切実な問題なのだろう。「自分を証明する言葉を求めてはいません。けれどもこの世界で、クリエイティブな人間として私が大局をどう見ているか、私の目標が何なのかは理解してもらいたいんです」とオルセンは言う。
現時点で、オルセンが実写作品でスカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフを再演する予定はない。もっともMCUや役柄に対する思いは真実のようで、最近も「10年以上にわたって演じられたことを幸運に思いますし、もっと演じ続けていきたい。本当に楽しかったし、クリエイティブな機会としても幸運だった」とばかりだ。数々のプロジェクトを経て、さらに変化を遂げたスカーレット・ウィッチ像をいつか見せてくれることに期待したい。
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