【高知グルメPro】「バリ島に行こう!」高知の田園風景で見つけたバリ料理「民家ジャスミン」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記
バリ料理「民家ジャスミン」
いきなりバリである。
高知の田舎の田園風景の中に、いきなりバリ島である。
高知市から車で40分ほどの田んぼの中に、その店はあった。
名前を「民家ジャスミン」という。
50人は座れるだろうというテラス席は板張りで、店主自らが作ったという竹の梁と柱で支えられている。
テーブルクロスは、バリ島の布であるバティックや、様々な文様が染められた手織り布イカットが使われていた。
素人が作った家の素朴感が、一層バリ島の雰囲気を醸し出す。
バリ島の音楽が流れる中、バリ島出身の女主人が対応してくれた。
水の器は銀製で、これまたバリスタイルであった。
バリ料理は都会には似合わない。
こうしてのんびりとした光景が、最も気分が盛りあげるのだな。
東京にも数多くのバリ料理屋があるが、こここそが最もバリに近いかもしれない。
そんな雰囲気に、がぜん食欲の背中を押されて、メニューを開き、片っ端からバリ料理を頼んでみた。
バリ料理の定番「ナシゴレン」「 ミーゴレン」
「ナシゴレン」は、ナンプラー、醤油、砂糖で味付けされた炒飯で、「ナシ」がご飯、「ゴレン」は、炒めるとか揚げるを指
す。バリ料理の定番中の定番である。
上に乗った半熟目玉焼きを潰し、ご飯に混ぜながら食べ進む。
ほんのり甘く、魚醤の旨味が食欲を煽る。
以前、バリ島の海岸にあるレストランで、こいつをかき込んで食べたことを思い出した。
次がこれまた定番の「ミーゴレン」、バリ風焼きそばである。
オイスターソースやナンプラーで味付け、ニラや玉ねぎ、ひき肉が入る
「ナシゴレン」「ミーゴレン」とともに、辛いソースを少しずつ混ぜながら食べても美味しく、また添えられたエビセン(エ
ビの粉とタピオカ粉を合わせて揚げた海老煎餅、クルプック)を割ってパラパラと散らせば、食感のアクセントが増えてまた
楽しい。
「アヤムバカル」は、甘辛い味付けをした鳥のグリルで、ココナッツやサンバル(辛味調味料、唐辛子、ニンニク、トマトな
どを混ぜたもの)、スパイスなどでマリネしたものを、一旦煮込んでから焼いているのだという。
ちなみに「アヤム」は鶏肉、「バカル」が、焼くという意味である。
濃厚で香ばしい味と、躍動する鶏の滋味がたまらない。
かじりつけば、途端にご飯が恋しくなって、円錐状で盛られたご飯をガツガツ食べてしまう。
お次は、バリの焼き鶏、「サテアヤム」である。
ピーナッツソースや香辛料で味付けた串焼きの鶏肉で、一見日本のタレ焼き鳥に似ている。
食べれば同じように甘いが、奥底に辛味がある。
甘くて辛いという、褒められながら叱られている感覚がクセになる。
ロントン(バナナの葉で蒸した餅米)にタレを少しかけて、食べることをお勧めしたい。
田園に夕日が沈むのを見ながら、こいつを齧りながらインドネシアビールをやる、
ああ、最高ではないか。
ここは、日本で一番サテが似合う場所だな。
やはりバリ島の料理は、都会よりこうした場所が馴染むのであった。
次に「オボルアヤム」が運ばれた。
豆腐と青菜、玉ねぎ、大根と人参を煮込んだココナッツカレーである。
バリ島特有のココナッツカレーで、ココナッツ味がそんなに濃くなく、さらりとしている、素直な味である。
続いて、「ナシチャンプル」がきた。
沖縄のチャンプル同様、野菜などを炒め合わせた料理が5、6種類とご飯がセットになった定食である。
バリでは、多くのワルン(食堂)がこのスタイルで出す。
「民家ジャスミン」の「ナシチャンプル」は日替わりで、当日は、かき揚げ玉ねぎ、香ばしい青菜炒め、大根と人参煮、キャ
ベツともやし、青菜のココナッツ炒め、ゆでたまごと茹でじゃがいもの甘辛ソースがけ、少し辛いココナッツカレーという組
み合わせであった。
インドネシアという多文化的背景が現れた料理でもある。
それぞれを少しずつ食べながらご飯を食べてもいいが、ここはチャンプル、つまり混ぜて食べよう。
甘い、辛い、塩気、苦味、魚醤の旨味、少しの酸味、様々な香りが交差して、次第にコーフンしてくる。
店はもうすでに15年やられているのだという。
のんびりとした空気が流れる中、バリ料理を食べる。
この国の料理が最も生きるシチュエーションだろう。
「今度の日曜日、バリ行かない?」
そう誘える、高知の人たちが羨ましい。
店舗情報
民家ジャスミン
営業時間:ランチ 11:00~15:00
定休日:火曜日
住所:高知県香美市土佐山田町佐野1103
電話&FAX:0887-52-9110
HP:https://balijasmine.com/