「たばこスティックが1本で2回吸えるって本当!?」最新デバイスを検証
収入が増えないのにタバコ代は上がり続ける時代。加熱式タバコにもいよいよ本格的に課税されようとしている昨今、いかに節約するかが愛煙家みんなの悩みです。そんなとき、メーカー非公認ですが「アイコス イルマ」用「テリア」「センティア」を吸うことのできる加熱式タバコ互換機『Fasoul Stellar(ファソウル ステラ)』が登場。果たしてその実力は? 加熱式タバコ草創期から見つめ続けてきた筆者が、自己責任で試してみました。
加熱式タバコ互換機とは?
「アイコス」(初代)ブームが巻き起こった2016年、デバイスの供給不足と価格が高価だったところから、一時期アイコス互換機は増加しました。初代アイコス内部のたばこスティックにさすブレードを模したものから、周辺加熱式まで、さまざまな製品があふれていたのを覚えています。
ところが2021年に「アイコス」は従来デバイスと互換性のない「アイコス イルマ」を発表。たばこスティック内部に金属片を仕込み、誘導加熱することで内部と周辺の同時加熱する最新技術を採用したことで、アイコス互換機市場はいったんほぼ消滅しました。その後もこの内蔵金属片対応が難しく、互換機シーンもしばらくの間静かになりました。
1本で2度吸える加熱式たばこ互換機『Fasoul Stellar(ファソウル ステラ)』を使用する前に
そんななか2023年に登場した互換機が「Fasoul C1」であり、その進化版として2025年4月24日に登場したのが香港に本社を置くGEEK MIRACLE (HK) LIMITEDの『Fasoul Stellar(ファソウル ステラ)』(76.4×28.8×57.4mm/101g・税込3,980円・2025年4月24日発売)です。
ただ「1本で2回吸える、そりゃすごい!」と身を乗り出す前に肝に銘じておきたいのが、「アイコス イルマ」用「テリア」「センティア」のたばこスティックが使用できますが、フィリップ モリス ジャパンはそうした使い方を予測しておらず、非公認であること。思わぬ結果となったとしても、使用はすべて自己責任だということを覚悟してから使う必要があります。
『Fasoul Stellar』ってどんなデバイス? 「アイコス イルマ」とどこが違う?
アイコスイルマ(IQOS ILUMA)は、公式サイトにもある通り、「スマートコア・インダクション・システム®」という独自の加熱方式を採用しています。専用たばこスティック(TEREAなど)の内部に、ステンレススチールでコーティングされた金属製の誘熱体(加熱体)が内蔵されており、本体側から磁力を使って誘導加熱する方式です。外側からの熱と、内側からの熱でタバコ葉をあたためて、豊かな味わいを生み出します。
一方『Fasoul Stellar』は、Fasoul独自の「3D熱気流加熱技術」という加熱方式を採用。内部からの加熱は行わず、周辺から強力に加熱することで味わいを生み出しています。理論的にはタバコ葉は200℃あたりまで温めるとニコチンを気化し始めるので、その方式でもスティック内部の葉からニコチンを気化させることは可能です。
つまり内側と外側から加熱するのが「アイコス イルマ」で、外側からのみ加熱するのが『Fasoul Stellar』という違いがあります。
『Fasoul Stellar』の使い方と注意点
『Fasoul Stellar』の使い方を見ていきましょう。
公式サイトより
2つのモードの使い分け方
『Fasoul Stellar』の最大の魅力である「1本で2度吸える」ことを可能にするのが、「レギュラーモード」と「エコモード」の2つの喫煙モードの切替です。モードは、本体底部のボタンを3回連続で押すだけで簡単に切り替えられます。
星空が浮かび上がるデザイン
1回目用「Regularモード」(新品のたばこスティックを使用する際に選択)
軽く底面ボタンを押すと、ディスプレイには「16」と「1」と表示され、16パフ(吸引)が可能な1回目の吸引であることが示されます。
1回の吸引時間は245秒間、喫煙が可能になるとディスプレイでカウントダウンが始まります。15秒に1回吸える計算になります(アイコスイルマは約360秒※6分/14パフ※25秒に1回)が、ポイントはアイコスイルマより115秒(2分弱)ほど1回の喫煙時間が短いところです。6分間の喫煙が2回できるわけではありません。
2回目用「Ecoモード」(再使用時に選択)
一度使用済みのたばこスティックを再度使用する際に選択します。オートスタート方式なので、一度たばこスティックを抜いて、底面ボタンをトリプルクリックして「Ecoモード」に切り替えてから、再度スティックを挿入します。
ディスプレイには「12」と「2」と表示され、12パフが可能な2回目の吸引であることが示されます。
1回の吸引時間は1回目より短く200秒間(3分20秒)。本来のアイコスイルマの残時間1分55秒(2分弱)を引くと、合計喫煙時間は1分25秒(85秒)長くなります。つまり2回吸えますが、合計喫煙時間の延長は1分25秒(85秒)です。
アイコス イルマとの味わいの違い
バッテリー一体型の「アイコス イルマ i ワン」との比較
全体的にバランスのとれた味わいを出すのは、当たり前ですが「アイコス イルマ」の方です。一方『Fasoul Stellar』はもう少しワイルドな味わいで、ニコチンの既発度合いが強めに感じました。蒸気の出具合に関しては遜色なし。驚いたのは2回目でも最後までしっかり蒸気を生み出していて、じゃっかん味は薄まりますが、何とか最後まで味を感じることができました。
『Fasoul Stellar』の能力を最大限に活かす使い方
シケモク再生マシーンとしての活用~「あっ、ろくに吸わずに終わっちゃった!」の救世主
それは『Fasoul Stellar』をいわゆるシケモク再生マシーンにすることです。「アイコス イルマ」で2回目を吸おうとしても味がスカスカでどうしようもありませんが、『Fasoul Stellar』の2回目の吸引(「Ecoモード」)では、しっかりと味が出ます。
2回目でもしっかりモクモク
つまり「アイコスイルマ」で6分間使用した後に「Ecoモード」で再使用することで、6分+3分20秒=9分20秒の喫煙が可能になるのです。実際に試してみましたが、日頃からのんびり吸いでパフ数が規定の数まで届かない筆者の場合、9分20秒のあいだ、しっかり味が持続しました(ただパフ数を多くすると味は薄まります)。
ろくに吸わずに喫煙時間が終了しがちな人におすすめ
もう一度お願いします
ながらタバコで使っている場合、ついつい吸い忘れて、2、3回吸っただけで終了してしまって頭を抱える筆者のような人は、この『Fasoul Stellar』の「Ecoモード」は救いの神。吸いきれなかったパフ数を取り戻すことができるのです。ただシケモク再生マシーンとしての使用は2台持ちになってしまうので、持ち歩き用には適していないかも。
『Fasoul Stellar』のその他の特徴
底面に操作ボタン(右)と充電用USB Type-C(左)
最大25本分(2回吸引含む)まで連続使用が可能な1950mAhの大容量バッテリー
たばこスティックの挿抜だけのオートスタート機能(喫煙開始まで約25秒間※アイコス イルマは約20秒)
星空が浮かび上がる3D曲面スクリーン搭載でリアルタイムでバッテリー残量や稼働状態を確認可能
まとめ:1回の喫煙時間の短い人のメインマシン、もしくはシケモク再生マシーンとして
喫煙所で目立ちたくないなら裏側で
『Fasoul Stellar』は、「1本のたばこスティックで2回吸える」という革新的な機能により、加熱式たばこをよりお得に楽しむ新しい選択肢です。本体カラーもPearl WhiteやMatte Black、Crystal Red、Jewelry Blue、Light Sky Blueといった豊富なカラーバリエーションも用意されており、大型ディスプレイと共に喫煙所で目立ちたいひとにおすすめ。
筆者的には普段は「アイコス イルマ」で、ろくに吸わずに終わっちゃった時用のシケモク再生マシーンとしての活用がメインになると思いました。
製品名
『Fasoul Stellar』
価格
3,980円(税込み)
本体寸法
高さ76.4mm 厚み28.8mm 幅57.4 mm
本体重量
101g
カラー
全5色(Crystal Red, Jewelry Blue, Matte Black, Light Sky Blue, Pearl White)
発売日
2025年4月24日(木)
製品は20歳以上の方のみ購入可能
製品サンプル提供●GEEK MIRACLE (HK) LIMITED