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王子に心から愛され、大切に埋葬された猫 古代エジプト人も猫を溺愛していた

ねこちゃんホンポ

愛猫のための豪華な石棺

画像はイメージです

古代エジプトの遺跡から発掘された「猫のための石棺」。トトメス王子が、とてもかわいがっていた愛猫「Ta-miu」の死を悼み、さまざまな装飾や象形文字が刻まれた棺に、ミイラにしたTa-miuの遺体をおさめたものです。

石棺にはテーブルの前に猫が座っている絵が描かれています。そのテーブルの上には「来世で幸せに暮らせるように」と、贈りものが山ほど載っています。

側面には、女神イシスが「金」を表す象形文字の形の椅子にひざまずく様子が描かれています。その左側には、お酒を注ぐための金の壺2つを持つ神がいます。

石棺の正面には、パンやビール、首を切ったガチョウ、牛の前脚などの供物が積まれたテーブルの前に立つ大きな猫が描かれています。そのうしろに立っているのは、包帯を全身に巻かれた猫の女神バステトです。

王子は「ペットとして大切に育てた猫には、死後も同じように豊かな生活を楽しんでほしい」と望んだに違いありません。石棺の裏側には、供物のほかに「復活」と「再生」を象徴する蓮の花がたくさん積み上がったテーブルの前に、猫が座っている絵が刻まれています。

ミイラにして、一緒に死後の世界へ

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当時猫をミイラにするのは「ペットをていねいに埋葬するため」か、「儀式に使用するため」のどちらかでした。トトメス王子はTa-miuをとても愛していたため、立派な石棺を作らせ、遺体をミイラ化したのです。

古代エジプト人は猫をたいへん崇拝していました。亡くなった人とともにミイラ化した猫などや動物をかたどった像を埋葬することもよくありました。こうすることで「死者は死後の世界へペットを一緒に連れていける」と考えられていたからです。

同時期には、儀式の供物としても猫を含む多くの動物がミイラ化されました。猫のミイラは猫の女神バステトへの奉納物として捧げられたといわれています。こうしたミイラ化の習慣は、紀元前1000年にピークを迎えました。

猫への深い愛情

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Ta-miuがどういう経緯で亡くなったのかはわかりませんが、この猫の石棺に描かれた数々の場面は、王子自身の短かった生涯をも映し出してもいます。トトメス王子は、アメンホテプ3世とティイ女王の息子で、父親の後継者に指名されたものの、その父より先に亡くなってしまいます。代わりに王位に就いたのは彼の弟でした。

当時の人々は、猫の狩りの能力と子どもを守る力に特別に魅力を感じていました。「猫は魔法の生きもの。飼い主に幸運をもたらす」と信じられていたのです。

こうした大切な猫を敬うために、裕福な家庭では宝石を身につけさせ、毎日ごちそうを与えたといわれています。

「猫のための石棺」は、古代エジプト人の「猫への深い愛」を象徴するものだといえますね。

出典:Sarcophagus of Prince Thutmose’s Cat Ta Miu

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