【秦野市】北中学校で減災教育始まる 市総合防災訓練に全生徒参加
北中学校が今年度、「第12回アクサユネスコ協会減災教育プログラム」の実践校に神奈川県内で唯一選出された。同校は7月中旬に実践校決定の通知を受け、協会の支援を受けながら減災教育プログラムを始動。8月31日に北地区で実施された秦野市総合防災訓練に全校生徒が参加するなど、自然災害に備えた学びを深めている。
子どもたちが自分の命を守るための行動を学び、考え、行動するための教育を後押ししようと、(公社)日本ユネスコ協会連盟とアクサ生命保険(株)が共同で提供するアクサユネスコ協会減災教育プログラム。12回目を迎えた今年度、秦野市教育委員会が日頃から防災活動に取り組む北中学校をモデル校として推薦した。全国の応募の中から、同校は審査を経て31校のプログラム実践校に選ばれた。過去12回の開催で、県内の小・中学校からは6校目。
同校は7月に選出通知を受けて以降、8月31日に北地区で開催された市総合防災訓練に全校生徒376人が参加。総合防災訓練は地区ごとに毎年持ち回りで行われており、今年は北地区が開催地に。北中学校の田中理絵子校長は、「この地区には高校や大学がないので、有事の際は中学生が大きな力になる」と話し、日曜日の総合防災訓練日を登校日とし、翌日を振り替え休日とした。
避難所設営や応急手当体験
訓練に参加した中学生たちは、校庭や体育館に避難所を設営したり、応急手当講習を受けたりした。避難所を設営した丸山侑大さん(3年)は「みんなが協力することで設営がすぐにできた」と振り返り、「みんなもこれだったら中学生にもできるという感情が芽生えたと思うので、北地区全体の支えになっていきたい」と語った。
土砂災害が想定される同校では今年度、垂直避難をはじめとする訓練や、有事に備えた集団下校、映像による防災学習などを予定している。
