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地震など大規模災害時にコンビニが頼れる!?「災害時帰宅支援ステーション」とは?

アットエス

コンビニと自治体の間で結ばれている「帰宅困難者支援協定」

大きな地震で公共交通機関がストップすると帰宅困難者が多数発生することが予想されますが、実はコンビニと自治体の間では「帰宅困難者支援協定」が結ばれています。


Yahoo!ニュース エキスパートのクリエイターで、コンビニブログ「コンビニ・サラリーマン総研」管理人、年間1000個のコンビニ新商品を食べる男、キャプテン福田さんに、SBSアナウンサー影島亜美が「災害時のコンビニエンスストアの役割」について聞きました。

※イメージ

参加店に貼られる「災害時帰宅支援ステーション」ステッカー

福田:全国津々浦々にネットワークを張り私たちの生活インフラのひとつといっても過言でないコンビニエンスストアですが、災害発生時に地域の支援を担う機能があることはあまり知られていません。

大きな地震で公共交通機関がストップすると帰宅困難者が多数発生することが予想されますが、実はコンビニと自治体の間では「帰宅困難者支援協定」が結ばれています。

参加している店舗には「災害時帰宅支援ステーション」というステッカーが貼られ、地域に点在するコンビニや外食チェーンが水道水やトイレ、道路情報の提供といった支援を行うことが自治体との間で決められています。


影島:なるほど。東日本大震災の時、首都圏で帰宅困難者が多く発生し、直接的な地震の被害以外にも私たちの生活が崩れていくんだなと実感しました。

福田:1995年1月の阪神・淡路大震災野際も交通機関が途絶えました。そんな状況下では「通勤や通学者、観光客を速やかに避難させるための支援が何よりも欠かせない」という教訓に基づき、こうした取り組みが始まりました。

影島:では早速コンビニ各社のそれぞれの特徴について教えてください。

セブンイレブン

福田:セブンイレブンを展開するセブン&アイ・ホールディングスの広報は「私たちは多くの自治体と災害時の物資支援協定を結び、要請があれば可能な範囲で水や食料などの支援を行う体制を整備しています」と言っています。

2017年7月にはグループ3社が災害対策基本法に基づく指定公共機関に指名されました。グループのひとつであるイトーヨーカドーの店舗では災害対策コーナーの展開や地域防災活動への協力、防災イベントの開催など平常時にも地域行政と連携し意識啓発に取り組んでいます。

影島:災害時の物資の支援体制の整備まで担ってくれるのは心強いですね。

ファミリーマート

※イメージ

福田:全国の都道府県と災害支援協定を結び、自治体からの要請に応じておむすびやパン、飲料水などの食料品、下着やタオル、軍手などの日用品を物資として提供することを定めています。

大きな地震を想定した災害発生時にすべきこと、発生に備えてすべきことがまとまったファミリーマート緊急時行動要項が店舗スタッフに配布され、いざというときの避難場所や緊急連絡先の確認なども個店ごとで活用できるようになっています。

ローソン

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福田:全都道府県での店舗展開やフランチャイズチェーンの強みを最大限に生かして、平常時、災害時問わず人々の生活基盤を支え続けることで安全安心拠点になることを目指しています。特徴としては、店内に調理スペースを設けたまちかど厨房を9200店舗展開していることが挙げられます。

物流がストップして在庫が入ってこない状況でも店内にストックした材料を使ってできたてのフードを出せます。お弁当の具材がなときは災害時のメニューとして税込み100円の塩飯おにぎりを提供するオペレーションになっているそうです。

そして大規模災害を踏まえ、2015年に気象情報や道路、鉄道、警報などの情報をマップに一元化した「災害情報地図システム」を導入しました。2016年の熊本地震の際には交通渋滞を避ける迂回道路を確認することが役に立ったと言われています。商品供給をスムーズに行うための配送センター向けのシステム改善にも取り組んでいます。

影島:店内調理が災害時に活かされることが、さすが“マチのほっとステーション”だなと思いました。いざというときに近くに頼りになる存在がいるのは心強いです。

福田:安全第一で判断するという点では3社とも共通しています。ただしインフラへの被害があれば店舗運営は難しく、被災していない店舗でもお店の構造上、在庫置き場やスタッフルームを通らないといけないとなると営業をしていてもトイレは使えないという点は注意が必要です。

まずは「災害時帰宅支援ステーション」の加盟店舗を把握し、災害対策として自分にできることを対策する自助が基本だということも忘れずに過ごしてください。

影島:災害が起きてからどうしようではなくて備えておくことが大切ですね。

※2024年3月5日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

今回お話をうかがったのは……キャプテン福田さん
ブロガー、ライター。年間1000個のコンビニ新商品を食べる男!Yahoo!ニュース エキスパートのクリエイターで、コンビニブログ「コンビニ・サラリーマン総研」管理人。

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