<奨学金は毒親?>高3息子にモヤモヤ!就職と思いきや……まさかの「進学」希望!?【まんが】
私(レミ)は夫のジュンヤと息子のアオイの3人暮らしをしています。アオイは高校2年生ですが、まったくと言っていいほど勉強をしません。定期テストでは赤点も多く、補習や追試でなんとか留年をまぬがれてきたほどです。高校に入った頃から「将来のことを考えなさい」と声をかけてきましたが、本人は全然やる気がありません。真面目に考えている様子もなく「大学なんて行かねーよ」とも言っていたのですが……?
いつものように友達から電話がかかってきて、遊ぶ約束をしているアオイ。毎日学校に通って友達と楽しく過ごしているのは何よりなのですが……。学年末テストのことを聞くと無視されました。反抗期を引きずっているような態度にため息しか出ません。
テスト結果を見て驚愕した私。今のままの成績じゃ、大学なんて夢のまた夢……。けれど小中学生ならまだしも、アオイはもう高校生です。ある程度は自分で判断もできるでしょう。言うべきことは言って、あとは本人の出方を待とうと思いました。
アオイは青春を謳歌していました。それ自体はいいことなのですが、将来への展望がまったく見えていないことが気になっていました。 何度か声をかけていたし、塾や家庭教師をつけてほしいと言ってくれば、応援するつもりでした。しかし一向に本人のやる気は育たないまま。高校卒業後は就職を希望しているのだろうと思い、勉強についてはそれ以上強く言いませんでした。 しかし高校3年生になって渡された進路調査票では、「進学」希望となっていたのです。あんなに勉強もしないし、全くやる気がなさそうなのに……? いやいや、本人が頑張りたいというなら、親として全力で支えていきたいと思っています。
やる気ゼロ!「ただ大学生になりたいだけ~」お金は出せませんッ!
「子どもの教育費を子どもに背負わせるわけ? 最悪じゃん。超毒親」アオイにそう言われ、さすがにカチンときました。「あんたねぇー!!」思わず大声になる私から逃げるように、アオイは自分の部屋に戻っていきました。そして私は少し冷静になって考えます。
教育資金は一生懸命に貯めてきました。それこそアオイが留学をしたいと言いだしてもサポートしてあげられるようにと、頑張ってきたつもりです。それなのにまったく努力もしないで「入れる大学ならどこでもいい」なんて、甘いにもほどがあります。
てっきり就職すると思っていたアオイは、「どこの大学でも学部でもいいから大学生になりたい」という理由だけで進学を希望していたのでした。確かに「大卒」という肩書は手に入るかもしれませんが、今の気持ちのまま4年間の学費を快く支払うことができるかと言われれば、そうではありません。 しかし一方で、通うのは私ではなくアオイです。あくまでもアオイの人生であり、本人がそれを希望しているのであれば、親として学費を支払ってあげるべきなのでしょうか。奨学金で行けというのは横暴なのでしょうか。私は何が正解なのか分からなくなってしまいました。
「自分の生き方に責任を持ってほしい!」わが家が出した進学の条件
「何の努力も目標もないのであればお金は出せない」話し合ってみると、夫も私と同じ方針であることが確認できました。「高校の先生に相談をしてみて、アオイともう一度しっかり話し合おう」ひとまずそんな結論になったのです。
「大学進学には条件をつける」夫の言葉にアオイは驚いています。「高校を卒業するってことは、自分の生き方に責任を持っていくってことだ。少し荒療治になるが、今まで何も考えてこなかったんだから、これくらいでちょうどいいだろう」
子どもの進学にどの程度口を出すかはそれぞれの家庭の方針にもよるし、子どもの性格にもよるでしょう。もっと早くアオイに現実を突きつけるべきでしたが、これまでは突っぱねられてまともに話を聞いてもらえなかったのです。 アオイは高校3年生になって進路を具体的に想像しはじめ、はじめて自分の現状を客観視したのかもしれません。だから急に「大学進学」なんて言いだしたのでしょう。厳しいかもしれませんが、私たちはアオイに「努力」をしてほしかった。自分の進路を真剣に考えて、そのために何をしないといけないのかを考えてほしかった。 親が出した条件くらいで大学進学をあきらめるようだったらその程度の気持ちなのです。私はしばらく静観していようと思っています。
【息子の気持ち】ウザッ!将来が想像できなかった俺に訪れた「変化」
俺(アオイ)は高校3年生になったばかり。仲のいい友達に恵まれて、楽しい高校生活を送ってきた。友達は就職するヤツや専門学校に行くヤツ、指定校推薦を狙って定期テストを頑張っているヤツなどいろいろ。俺は将来のことなんてまだ実感がわかない。だからとりあえずどこでもいいから大学生になって、将来のことはそれから考えればいいだろうと思っていた。それなのに父さんも母さんも大学に入るための努力をしろと言いだしたのだ。
正直大学に行ってまで勉強なんてしたくないと思っていた。就職のイメージもまだわかない。けれどさすがにフリーターと書くと親や先生に怒られそうだ。だからとりあえず学校で受けた模試の偏差値から受かりそうな大学を記入したのだ。
「なりたい職業や学びたい学部が明確にある生徒ばっかりじゃないからな」進路相談をしてみると、意外にも先生は俺の気持ちをそのまま受け止めてくれた。親身に相談にのってもらい、俺は大学を目指すことを真剣に考えはじめたのだった。
両親から返ってきた言葉に、最初は納得できなかった。けれど今となっては条件を突きつけてもらって良かったのかもしれないなと、あらためて感じている。将来を自分ごととして考えられていなかった俺だけど、両親にガツンと言われてはじめて真剣に考えるようになったのだ。 先生も進路をどう決めていったらいいのか、親身に相談に乗ってくれた。その結果、自分が今やるべきことが見えてきて、少しずつ動きはじめている。結果がどう出るかは分からないけど、ろくに考えもしないでなんとなく大学に進学するよりは絶対にいいはずだ。今努力していることは今後の自分の人生にもきっと活きるだろう。両親も応援してくれているし、自分ができることを精一杯に頑張っていきたいと思う。