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"アーティスティックスイミング"とは?五輪メダリスト 小谷実可子に聞く。

TBSラジオ

メインパーソナリティの要潤が幅広いジャンルのお客様を迎え、さまざまな話題でトークする番組です。今月のゲストは、アーティスティックスイミング選手の小谷実可子さん。

小谷さんは1988年ソウルオリンピックに出場、シンクロナイズドスイミングソロとデュエットで銅メダルを獲得したオリンピアン!

今月4週間にわたってお話を伺っていきます。

まずは、小谷さんの肩書“アーティスティックスイミング”とは?というお話しから‼

アーティスティックスイミングとは?

“シンクロナイズドスイミング”という言葉の方が馴染みがあるかもしれませんが、前回の東京オリンピックの時から、競技の名称が“アーティスティックスイミング”に変更されています。

小谷:ひどいんですよ!いろんな人に、シンクロ残念ですね東京オリンピックから無くなっちゃったんですねって言われるぐらい、、、(笑)名前が変わってびっくりした人も多かったと思うんですけど

要:僕もここで初めて知ったかもしれません、シンクロだと思っていました、、、

近藤:なかなかまだ世の中に浸透していないフレーズですかね

小谷:アーティスティックスイミングって言いにくいので、略称でASって呼んだりしています。是非私と会っていただいた記念に、知っている感じで読んでいただきたい…!

近藤:確かに、かなり通っぽいですね!

要:最近、ASきてますよねえ、、、

小谷・近藤:あはははは(笑)

実はこの名称変更、一説にはIOCの会長がとある大会で『これアーティスティックスイミングじゃん、、、』と呟いたからという噂があるそうですが、、、その真相はだれも知らないということ。急に『アーティスティックスイミングにします』と言われてしまい、クラブ名の変更や大会の看板の変更など、現場はとても大変だったと振り返っていました。

金メダルを体験‼

小谷さんは現役の選手!「世界マスターズ水泳選手権2023九州大会のチーム・ソロ・デュエットの三部門で金メダルを取得していらっしゃいます!

なんとマスターズの3つのメダル、そしてソウルオリンピックのメダルを持ってきてくださいました!

要:そんなチャリンチャリン当てながら…!(笑)

小谷:首にかけた時にチャリンチャリンと音がするのがいいんですよね!

近藤:一つだけだと、鳴らないですもんね!

要:なるほどね

小谷:よかったら首にかけましょう!

要:えー!そんなそんな!ありがとうございます!

小谷:ソウルオリンピック、マスターズのメダル、音が違います

近藤:すごく、触るとエネルギーをもらえる気がします…!

小谷:よく色々な人に貸してあげました(笑)

要:返ってこなかったらどうするんですか!?

小谷:返ってきますよ!(笑)勝つようにというよりは、練習してきた成果が本番で出せた証だったので、、、。受験生だったりとか、いろいろな目標を持ってる子に力を発揮できるように、毎日毎日後悔のない100%の努力を重ねられるようにっていうなお守り代わりに、、、

近藤:大変貴重なものを…!

要:ありがとうございます!

『日々の自分越えが喜びになり、次の力になってくれる』

小谷さんが改めてマスターズに挑戦しようと思ったきっかけは、地元九州で世界大会があったことから。この大会を盛り上げようと昔の仲間と共に練習を始めたそう。ただ、すぐに東京オリンピック2020にスポーツディレクターという形で携わることに、マスターズどころでは無くなってしまったそう。

小谷:もう1年間、スポーツディレクターに全身全霊で。ソウルオリンピックの時に、選手としてかけていた労力が100だとしたら、たぶん5000くらいの労力をかけていましたね。

要:どういう計算ですか!現役時代より大変だったってことですか?

小谷:もう背負っているプレッシャーや責任というか…全く分からない世界で、色々なことが初めてで。そんな状況に1年間急に放り込まれた形だったので、すごく大変だったんです。

要:うんうん

小谷:結果、形として無事にオリンピック・パラリンピックが終わって、世界の関係者からは実はすごく評価を受けて!国内では色々な問題がありますけど…。そんな世界から評価された大会が無事に終わった時、もう精も根も尽き果てていて、、、

要:5000つかったんですもんね?

小谷:はい(笑)もう何も残っていないと思った時に、あ、世界マスターズがあったじゃんと思って。仲間たちも待っててくれて、、、練習を再開したんです。でもかつての恩師に呼び出されて『覚悟を決めて本気でやりなさい』と喝を入れられまして。

要:えげつないプレッシャーを、、、

小谷:でもその時に若手のコーチが『最新の技術とコーチ法をもって、実可子さんに絶対金メダルを獲らせて見せるから、信じて着いてきて‼』と言ってくれて。

要:すばらしい!!

小谷:もうついていく!と思って挑戦を始めたら、楽しくてやめられなくなってしまいました(笑)

小谷さんが復帰したのは、引退後なんと30年ぶり…!最初のトレーニングはとても大変だったということですが、日ごとにより長く続けられる、できなかったことができるようになっていく…!そんな日々の成長を嬉しく思いながら練習に打ち込んだそう。結果、昨年鹿児島で行った演技は、1988年のソウルオリンピックの時よりもレベルが高い‼とおっしゃっていました!

小谷:日々自分越えで。また超えられた、これができた!という喜びがエネルギーになって次の練習に力を持たせてくれるので、、、

審査方法の変化、、、

小谷さん曰くまだ発展途上だというアーティスティックスイミングは、その審査方法も年々変化しているそう。というのも採点方法の変更がありアーティスティックに華やかにというよりも、長く潜れる、より難しい足技をできるかなどが評価の対象になり『より技術的に難しい種目になってしまった』とおっしゃっていました。

小谷:事前に申告した演技と、ここが合っていないという、ミスを見つける減点方式なので、すごく精神的にきついんですけど、、、。なんだかパリオリンピックでは泳ぎ終わった後の日本の選手たちが、減点されてないかなってすごく不安そうに採点を待っていたのが胸が痛くて…。

要:うんうん

小谷:せっかくのオリンピックの舞台だから、減点の有無にかかわらずやりきったーという笑顔のオリンピックにしてあげたかったんですけど、、、

現在は、小さなミスで順位が入れ替わるため、試合が始まってから終わるまでどこが勝つのかわからない状態。
ある意味スポーツとしては、手に汗握る、見ている人をドキドキさせるスポーツとしては進化しているかもしれない。でも、選手にとっては非常にやりにくい状況なので、もっと安定したルールの中で戦えるようになって欲しいとおっしゃっていました。


(TBSラジオ『要 潤のMagic Hour』より抜粋)

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